こんにちは!毎日暑いですね。
マイヤー1号です。
みそさんが夏休みなので、僕が代わりにブログを書いています。
みそさんからブログには必ず"イケメン"の写真を貼るように、と言われているので貼ってみました。
どうかな?
僕は暑いのは大好きだし、さいきん雨もしっかり降ったし、だから僕は元気に過ごしています。
2号と3号、4号もどんどん大きくなって、もう少しで抜かれてしまいそうだけど。
暑くなる前は、悲しい事が続いて....いっぱいいた仲間がどんどんいなくなって。
僕らはたった4つになってしまった。
理由は僕にはよくわからない。5号は、朝起きたら地面に落ちてしまっていた。まだ小さいのに。でもちゃんと黄色くなってた。
まえのばん、僕らは何を話したかどうしても思い出せなかった。それが僕は一番悔しい。
2号は"生きることは戦いなんだよ"って言った。5号は戦いに負けたんだって。
僕はなんだか凄くショックだった。だってそんなの、悲しすぎるし、もしそうだとしたら生きる事ってとんでもなくしんどくて恐怖に満ちたもののように感じてしまうから。
でもそしたら4号は凄く怒って、言ったんだ。
違うよ、生きることはただそこに命があるっていう事なんだ。あるがままの自然な事なんだ。生きる事は死ぬ事、だから死ぬ事は生きる事なんだ。生と死は同じ線上にあるんだ。"がっこう"の1時間目と5時間目みたいに。だから、僕らはそれぞれに、その場で頑張っていればそれで充分なんだ。5号と僕らにはなんの違いもないんだ。
おまえ植物なのに、そんな事もわからないのか、って。
....みんな、黙ってしまった。
モンシロチョウのおばさんが、僕らにどうしても赤ちゃんを育てて欲しいみたいで、ヒラヒラ飛んできては真剣な顔をして小さな卵を産みつけていく。
でもどんなに上手に隠しても、みそさんは朝のあいさつや、夕方のみずやりで、みつけた赤ちゃんだけをそっとどこかに連れていってしまうんだ。
「あなたには、無理よ。自分の事を考えてみなさい。まずはちゃんと立派な黄色い檸檬になる事!話はそれからよ」
暑い日が続いて、モンシロチョウのおばさんは来なくなった。
暑すぎるのは苦手なのよ、だから急がなきゃ、って言ってた。
どこかで赤ちゃん、産めたかな...。
陽が燦々とさして僕らの肌を焼いていく。
たろうくんが、見たことない大きなトランクを持ってパパさんとお出かけしていったその日。
みそさんはおうちから出てこなかった。
太陽の日差しが、ジリジリと肌を焼いていく。
とても土が乾いてしんどかった。
この感覚。
果実の内側からパワーが湧いてきて、中身がぎゅうっと"充実"していく感じ。
「....なんかもう僕は大丈夫な気がする。わかるんだ。いけるって」
僕のいちばん地面にちかいところに生えている、重なり合った葉っぱの下で、逆さまに張り付いてモグモグと葉っぱを端から綺麗に食べ続ける、あの子に話しかける。
ああ、こそばゆい。
まだ小さい癖に、最近生意気な口をきくこいつに僕は「しろちゃん」と名前をつけた。
しろちゃんはいたずらっぽい顔で、言った。
「何いってんだ。まだまだこれからだろ」
《みたもの備忘録》