・「御松茸騒動」朝井まかて 著 | 有井努(ありいつとむ)の乱読ブログ

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多読はするもののインプットと比較してアウトプットが極端に少ない。
そこでブログを利用することにしました。
ノンフィクションが好きなジャンルです。齋藤孝氏もよく読みます。
さらっと内容に触れただけの読書日記ですが、読んでいただければ幸いです。

 

 

楽しい時代小説です。

 

江戸時代中期が舞台であると思いますが、

明らかに現代社会への風刺が効いていま

す。

 

尾張藩から江戸詰めで働いている主人公

小四郎は、若くて仕事への取り組みも熱

心です。

 

しかし、あまり働かず業務後の飲み会ば

かりに熱心な上役に我慢ならず、時には

正論をぶつけてしまいます。

 

「俺がいなければ、この働き場は一日も

機能しないだろう」と思っていたところ

へ、尾張藩の転勤を命じられます。

 

しかも役職は松茸見廻同心という、足軽

同然の扱い。

 

松茸をしっかり育成して、江戸への貢物と

するのが仕事なのですが、当然松茸は必ず

しも狙った数量は手に入らないです。

 

そうなると貢物は無くなるので、なんと他

の地方藩から松茸を高価買取をし、それを

貢物として充てているのが例年の習いとか。

 

結果、尾張藩の財政も火の車状態です。

 

そんな事実を皆知っていても「どうしょう

もない」と諦めたり、「あの頃は良かった」

と豊作の「泡のような(バブルですね)」

時代を懐かしむだけ。

 

現代でも松茸の育成方法は解明されていな

いのに、小四郎はどうするのか。

 

時代は違えど、働く目的を持つ意味を考え

させられる一冊です。

 

 

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