電力系統の基礎知識

架空送電線路の設備 第1種電気工事士

今回は電力系統の基礎知識について学習していきます。

電力系統の基礎知識

電力系統とは何か

発電所で発電された電力を、需要地に送るための施設が電力系統です。



発電所で発電した電力は、発電所内の変圧器で特別高圧に昇圧され、送電線路で一次変電所二次変電所と順次に送られます。そして需要地の近くの配電変電所に届きます。

電力系統の設備一例

送電電圧

遠く離れた需要地に電力を送る時、電路で失われる電力ロスをいかに少なくするかが課題です。電力ロスは送電路に流れる電流の2乗に比例するため、送電電流を下げるために電圧は高圧にされるのです。電流が減れば電線を細くできて、それを支える鉄塔も小ぶりのものでよくなり経済性が上がります。ただし、電圧を上げれば鉄塔やがいしに大きな絶縁耐力が必要になり、その費用が上がります。これらの面を考慮して、送電電圧は決められています。

送電方式

電力を送る電気方式を送電方式といい、直流送電交流送電の2方式があります(交流送電は三相送電をさします)。それぞれ長所と短所がありますが、日本では経済性や技術面での有利さから、三相交流送電方式が採用されています。

交流送電(三相送電)

・変圧器で電圧の降圧・昇圧が容易

・事故時の電路遮断が容易

・設備の絶縁耐圧が直流より大きく必要

・表皮効果で電圧降下・電力損失が大きい

・電路のリアクタンスや静電容量に影響される

直流送電

・最高電圧が小さく絶縁が容易

・2条で送電できる

・無効電力による損失がなく長距離・大電力送電(海底ケーブルなど)に適している

・大容量の遮断が難しい

・電圧変換が難しい(インバータとコンバータが必須)

・交流変換時の高調波対策が必要

送電線路

電力を送るための送電線路は、経済面の都合から、電線を空中に張る架空送電方式が採用されます。そして架空送電方式は、架空電線とそれを支持する鉄塔、そして電路の絶縁を保つためのがいしで構成されます。

電線

架空送電線には、裸電線でより線の、硬銅線または銅心アルミより線を使用します。

がいし

懸垂がいしを使用し、送電電圧によって連結個数が決まっています。

支持物

主に鉄塔が用いられます。鉄塔には、送電線やがいしを保護するための設備が施設されます。

架空送電線路の設備

表皮効果

電線を流れる電流の密度が、電線の中心部より表面部分に集中する現象。表皮効果を抑えるには、より線を用います。

まとめ

①直流送電は長距離大電力送電に適するが、変圧が容易ではない

②送電線路は、電線とがいし、支持物(主に鉄塔)で構成されている

③総電線の損傷を防ぐ、ダンパーアーマロッド

④落雷からがいしを守るアークホーン

今回は電力系統の基礎知識について学習しました。第1種電気工事士の試験には必須の項目となりますので、よく理解しておきましょう!



 

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