南アフリカで英語が話されていることはよく知られています。
数年前には、ラグビー・ワールドカップの優勝インタビューも話題になりましたよね。
もちろん英語で話されていました。
またここ数年、英会話のオンラインスクールでも、南アフリカ人の講師を目にする機会も多くなってきました。
もしかしたら南アフリカ人の英語講師を選ぶかどうか、迷っている方もいらっしゃるかもしれません。
時々「南アフリカ英語は訛りがあるので、英会話初心者にはどうなの?」という意見も聞くことがあります。
確かに人によっては英語に訛りがあります。
私は南アフリカに約3年住んでいたので、南アフリカ英語の特徴に触れる機会がたくさんありました。
南アフリカ英語の訛りやその特徴について、実体験を交えてお話します。
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南アフリカでは本当に英語が話されているの?
南アフリカでは主に英語が話されています。
これは間違いなく事実です。
学校の教育はほとんどが英語ですし、店、レストラン、行政機関、すべて英語を使います。
とはいっても、実は公用語として11の言語が認められていて、アフリカーンス語、ズールー語などが使われています。
ただ南アフリカは他民族国家なので、それぞれの民族の話す言葉ではお互い言葉が通じないという現実があるのです。
例えばズールー語を話す人と、アフリカーンス語を話す人同士では、お互いに話が通じないので共通言語が必要なわけです。
でも教育は英語で受けているので、ほとんどの人は英語を話せます。
その共通言語「英語」を使って、お互いにコミュニケーションが図れるというわけです。
また南アフリカは近隣のアフリカ諸国からも多くの人が流入しています。
ザンビアやレソト王国、ジンバブエなど本当に多くの国々からいろんな民族の人たちが来ています。
英語ならそうした人たちとも、コミュニケーションを取ることができます。
私は南アフリカ、ダーバンに住み、ヨハネスブルグなどの都市にもよく出かけていましたが、英語が通じなかった経験は一度もありませんでした。
もちろんそれぞれ母語が違っていたりするので、それぞれの民族に特有の英語の訛りはあります。
でもコミュニケーションを取るには全く問題ないレベルです。
南アフリカには訛りの少ない英語ネイティブがいるの?
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南アフリカは以前に英連邦の一部だった歴史があります。
以前の軍機に、イギリスの「ユニオンジャック」があしらわれていた時期もありました。
そうした植民地時代からの歴史背景から、イギリス系の移民がたくさんいるのです。
スコットランドなどからきた移民をルーツに持つ方たちで、彼らはイギリス式の英語を話します。
彼らの文化や言語は、イギリスから受け継がれてきたものです。
また今でも南アフリカに住みながら、イギリス国籍を持つ方がいます。
そういうわけで、彼らの英語の発音もイギリス式なのです。
例えば「Schedule」は「シェジュール」のように発音します。
アメリカ式では「スケジュール」に近いですよね。
私も日本でアメリカ式の発音を勉強してきたので、ここ南アフリカでは発音をイギリス式によく訂正されます。
アフリカーンス(アフリカーナー)と呼ばれる人たちの英語の訛りはどうなのでしょうか?
主にオランダ、ドイツからの移民として知られており、母語はアフリカーンス語です。
アフリカーンス語はオランダ語に似ており、喉や口腔から空気を出すような独特の発音が特徴です。
このアフリカーンス語には英語とは全く異なる発音があるせいか、彼らの英語の発音は確かに少しクセがあるような感じがします。
それでも気になる事はほとんどありませんし、英語の初心者でも親しめるものだと思います。
他にもインド系の移民もたくさんいます。
彼らの多くは、19世紀に移住してきたインド人たちの子孫と言われています。
私のいるダーバンでは特にインド系の移民が多く、彼らは英語を母語として話します。
こうした背景を踏まえると、南アフリカ英語の訛りについてある程度知ることができるでしょう。
イギリス系移民はイギリス式の発音ですし、インド系の移民には彼ら特有の発音があります。
ズールー人やコーサ人の英語にも彼らの発音があります。
それでも共通してイギリス式の発音を基準に話している印象です。
南アフリカ人から英語を学ぶメリットとは?
上記の通り、南アフリカは他民族国家で、様々な文化が融合しています。
お互い第2言語として英語を話すことも多いので、訛りなどあまり気にせず、気軽に英語でコミュニケーションができます。
また南アフリカ人は全体的に、フレンドリーで親しみやすいです。多少の英語のミスや訛りは気にせず、おおらかに付き合ってくれます。
早口ではなく、比較的聞き取りやすいようにゆっくり話す人が多い印象です。
英会話では緊張しないことがとても大切なので、私はこの南アフリカの気質がとても気に入っています。
さらにイギリス系の移民も多いことから、イギリス式の英語を学びたい人には南アフリカ英語はおすすめです。
イギリス英語の発音を学びたい人は、そうしたルーツを背景に持つ方を探すと良いかもしれません。
もちろんイギリス系移民以外にも、いわゆる「訛り」のあまりない英語を話す方もいらっしゃいます。また民族やルーツに関わりなく、比較的若い世代が話す英語には訛りが少ないと感じます。
世界は多様化していて、今や英語もイギリス式、アメリカ式だけではなくなってきています。
いわゆる「訛り」についても、何を基準に考えるのかという問題もあります。
そういう意味でも、南アフリカで色々な「訛り」の英語(イギリス式も含め)に触れられてとても良かったと感じています。
まとめ
南アフリカ人は英語を話します。
イギリス式の英語なので、イギリス英語を話したい方にはおすすめといえるでしょう。
他民族国家ならではのおおらかさと、フレンドリーで親しみやすい英語です。
それでいて英国の伝統的な、丁寧な発音も残っているので、英会話初心者にも受け入れやすいと思います。
英語の訛りは人によっては確かにありますが、全体的に聞き取りやすい英語だと思います。
機会がありましたら、ヨーロッパと美しいアフリカの大自然が育んだ、南アフリカの英語に触れてみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。