艦艇の命名基準は機能的で情緒的。ところで名前をつけるってなんなんだろ。

潜水艦のこと
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こんにちは。

自分の部屋の本棚に
聖書が3冊あるモトコです。

○日本語版(新約&旧約)
○日英バイリンガル版(新約のみ)
○コテコテ大阪弁版(新約のみ)

クリスチャンではありません。

聖書
右端が世にもレアな大阪弁の聖書。終始「求めんかいな。ほなら与えられるんや」のノリw

旧約ー創世記によると
地上の動植物すべての名付け親は
アダムだそうです。
神様はそれを承認しただけ。
それも比較的短時間で
その膨大な仕事をこなしているようにも見受けられ、
彼はなかなかハイスペックだったのかもしれません。

名前

名前って何かを背負っている。
認識、イメージ、方向性。
名付け親の願望だとか。

識別だけなら記号でいい。

新しい護衛艦の進水式などがあると
その名前についても話題が及びます。
モトコはそういうのついて行けてない。

そんなわけで
今回のテーマは「お名前」です。

艦艇の命名基準

「人類の仕事は要約すれば、ものに名前をつけることだ」という、
哲学者(?)の言葉を読んだことがあります。

おやおや。
これは、
アダムの仕事がその象徴のように見えてきますが
いったいどういうことなのかな。

アメリカ海軍の艦艇でよく耳にするのは
元大統領や州の名前などでしょうか。

実際には大統領だけでなく、
海軍に貢献した(お金出した)人や、
大将の名前、
勇敢に戦った下級兵士の名前も使われたりします。

でも空母に「エンタープライズ(冒険心)」っていうのもあったな。

日本の艦艇に人の名前は聞いたことがありません。
どうしても沈む可能性が。
そこで名付けのルールを調べてみます。

まずは潜水艦から

一応、潜水艦ブログとしては
ここから行きますよ٩( ‘ω’ )و

現在の海自の潜水艦

潜水艦には、下記から名前をつけることが決まっています。

○海象
(セイウチのことじゃなくて、海洋の自然現象のこと)
○水棲動物
○瑞祥動物
(伝説や神話に登場する空想の、縁起のいい動物)

長らく「はるしお」「おやしお」などの
シリーズが続いていましたが、
SS-501から「そうりゅう(蒼龍)」
「うんりゅう(雲龍)」などの
シリーズ、
最新はSS-513の「たいげい(大鯨)」で
シリーズです。
この鯨シリーズはさらに4つ出来る予定。

水上艦とは違う、
ちょっとミステリアスで
水と一体となる潜水艦のイメージに
よく合ってる気がします。

旧海軍時代の潜水艦

そんな潜水艦は
固有名を与えられない時代がありました。

排水量の大きい順に
イロハ「伊・呂・波」で分けて番号つける。
シンプル。

名前でなく番号のみだった理由については、

○戦艦と比べて地位が低かったため
○当時は大量建造されたので、ネタ切れになる
○ドイツのUボートにならって番号付与とした

などが出てきました。
アメリカは昔から潜水艦にも名前つけてますが、
そういえば魚の名前です。
ネタ切れ対策かな。

私がハマったあの潜水艦は「イ400」
「伊号400型」との表記もある。
あの時点で世界最大だったにもかかわらず、
世界初の潜水空母にもかかわらず、
固有名なし。

搭載された攻撃機は「晴嵐(せいらん)」
ヒコウキは名前あるんだなあ。

続いて水上艦

すごく種類があるのですが
やはり一定のルールに従って
体系的に名付けられています。

○護衛艦:天象・気象、山岳、河川、地方の名前
【むらさめ、いかづち、みょうこう、ちくま、ひゅうが】

○掃海艇:島の名前
【はちじょう、みやじま、えのしま】

○哨戒艇:鳥の名前(イメージぴったり!)
【はやぶさ、おおたか】

○輸送艦:半島の名前
【しもきた、くにさき】

○補給艦:湖の名前(水を供給するイメージから)
【とわだ、はまな、ましゅう】

○潜水艦救難艦:城の名前
【ちはや、ちよだ】

○音響観測艦:灘の名前
【ひびき、はりま】

などなど。
上記は一部です。

海洋国ならではというか
自然や地形に因んだ名前が多いですね。

ちなみに
「艦」と「艇」の違いは
大きいか小さいかの違いだそうです。
1000トン以上か未満かが目安。

海自艦艇手ぬぐい2017
呉に行ったときのテンションを思い出す。この手ぬぐいはいつ使うのか。

ついでに旧海軍の軍用機を調べた

「晴嵐」の名前が気になったので、
由来を調べました。

「晴れた日に、山にかかる霞」を晴嵐というそうです。
今思い出しましたが、
「もやの中から突然姿を現すイメージ」で晴嵐と名付けたと聞いたような。

艦艇が、これだけ整った名付けられ方をしているなら
軍用機も同様に
スマートにまとまっているかもしれません!
時代は昔のだけど。

用途ごとに山とか雲とか

やはりこちらも
美しくシステマチックにまとめられていました!

○戦闘機:風
【烈風、陣風】

○局地戦闘機:電、雷
【雷電、紫電、天雷】

○夜間戦闘機:光
【月光、極光】

○偵察機:雲
【彩雲、瑞雲】

○攻撃機:山
【天山、南山、泰山】

○爆撃機:星
【彗星、銀河、流星】

○哨戒機:海・洋
【東海、大洋】

上記は一部。

晴嵐は「特殊攻撃機」という分類になるのですが
本来なら「花」にちなんだ名前がつけられたそうです。
(桜花、梅花など)
「晴嵐」という命名は例外的だったようです。
これでは敵も用途を推測できない?

キラキラネームは存在する?

艦艇や軍用機にそれっぽいのを(一応)探しましたが、
それっぽいのはなかった。
趣旨が違う。

名前をつけるということが、
自己満足じゃないなら
少なくとも読める字にはするだろうな。

読めて、字体のバランスが良く
名字との繋がりが良く
呼びやすいやつ。

個性はさておき
機能性を無視しないだろうな。

名前をつけるということは

名前は便利です。
情報をコンパクトに
アイコン化してくれる。

「スマホ」とか「LINE」って名前がなかったらどうしよう。
すでに生活の中に完全に組み込まれたこれらを
いちいちなんて説明する?

語彙力が試される、というよりも
「モバイルメッセンジャーアプリ」
「無料のコミュニケーションツール」とか言ったところで、
私たちがよく知ってる【LINE】には届かない気がする。

自分に名前がなかったら。
自分は何者として、
受け止めれらるのかな?

出身地や経歴や、
属性を100個並べても
なんだか落ち着かない。
一つの名前にはかなわない気がする。

「フリーター」や「引きこもり」っていう名称は、
いつから出てきたのかな。

今や一つの職業のよう。
一つのライフスタイルのよう。
格差とか言われてる一方で、
イメージはずいぶんと軽やかな。

「発達障害」とか「LGBTQ」って名前も
私が子どもの頃はなかった。
そういう人が
いなかったわけじゃないんだろうけど、
変な子、変わった人
っていう認識に終わってたんだろうな。

良くも悪くも、
名前をつけるっていうのは
その存在を認めるということだ。

誰かがつけた名前は
物事の一側面しか表してないかもしれない。
その響きやイメージに惑わされないように
注意を払うべきかな。

終わりに:「モトコ」は自分であって自分じゃない

基本的に名前って誰かに与えてもらうわけで、
いつだって名付ける側が権威を持ってる。

「モトコ」っていうのは、
ブログとかTwitterとか、
ネット上で使うために作ったのですが
私はネット上の自分に対して、権威を持っているということか?

権威というか、責任

というわりには、
安易に決めすぎたけれども。
悩みすぎるといろいろ投影しちゃいそうで恥ずかしい…

このブログは
私自身が考えたことを、
どこか私じゃない「モトコ」がカタチにしてるのかもしれません。

名前が違うってそういうことかもしれない。

モトコがそのうち、
自分の認識の外へ
私を連れ出してくれるといいのですが。

ではまた!

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