関脇豊昇龍が佐田の海を上手投げで破り、9日目で勝ち越し。小結霧馬山は、若手の琴ノ若を速攻の上手投げで下して6勝目をあげた。
照ノ富士のようにけがで足踏みをしたり、思うような勝ち星が上がらない力士もいる。ひとくくりにはできないが、それでも今場所もモンゴル出身者の強さが目立つ。
この強さは、いったいどこからくるのか。
一言で言えば、ハングリー精神が実に旺盛で、たくましいのだ。
英語のハングリーとは、日本語でいえば、腹がすいているという意味だ。
モンゴルのビジネスマンの平均収入は、月額4万6千円から5万7千円ほど。日本人の勤労者に比べればかなり差がある。でも、モンゴルでは物価も収入に見合っているようで、特別貧しい生活と聞いたことはない。
ただ、日本で力士になり、十両に昇進すれば基本給で月額110万円、横綱は300万円の給料になる。
モンゴルの人から見れば、目の玉が飛び出るようなお金だ。
高額な収入を求めて力士希望者が後を絶たないのも、理解できる。
モンゴルには、起源が紀元前3世紀と、日本の大相撲よりもはるかに長い歴史を持つモンゴル相撲(ブフ)がある。最近は賞金が出たり、セミプロ力士も誕生しているそうだ。しかし基本は、名誉のために青年が競い合う伝統のスポーツだ。
一方、日本の大相撲はプロスポーツとして、競い、勝てば地位が上がり、高額収入を得ることができる。そこが大きく違う。日本の相撲で自分の力を 試したい、将来の設計もたてやすいと、青年を鼓舞しているのでないか。強くなりたいという意欲は半端ではない。
さらに、最近のモンゴル出身力士を見ていると、〝腹がすいている〟からだけではないと思う。
ハングリー精神とは「自分の夢や物事を強く求め、達成するために強い意志を持って立ち向かう気持ち」だそうだ。
また「上のレベルを目指そうとする向上心」と定義しているものもある。
横綱照ノ富士や元横綱鶴竜などの活躍や発言を見、聞きしていると、後者の力士が確実に増えている。
こうしたことが、強さの土台にあるのではないか。
例によって〝よっちゃんの独断と偏見〟の大雑把な見方だが、どうだろうか。
彼らの強さ、意気込みに触れるたびに、日本出身力士に欠けているものが見えてくるような気もしている。
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