Quadrifolium's blog

元海外赴任サラリーマンの独り言です。

筋肉

どうも寝違えてしまったらしく,背中の右の肩甲骨と背骨の間あたりが痛い。この状態が3日くらい続いていてちょっとうんざりしている。私のパターンの寝違えは珍しくないらしく,ほぼ同じような患者のことがネットに書いてあった。

【施術改善例】右肩甲骨部の寝違えが2回で改善した例 | 東大阪市河内小阪の整体院「からだリカバリーラボ」 (kawachi-seikotsu.com)

一晩寝ても治らないので自分も歳をとったのかな・・・と思った。回復が遅い。

 

ミツワに行って色々恒例のものを買い込んできた。塩鮭,納豆,タラコ,タコ,餃子,ところてん,缶詰(魚介類),パン,お菓子,ドレッシングなどなど・・・。一時的にQoLが爆上がり。

 

もうそろそろ年度末なので報告書類など書く。書いてもどうせ誰も真剣に読んでくれないんだろう・・・と真実に気がついてしまうと鬱まっしぐらなので,できるだけ急いで勢いをつけて,鬱になり切らないうちに無心で書き上げるようにするしかない。空しい・・・。

 

日本への引越しは引越し業者に手配した。日本への航空券も押さえた。賃貸契約の解除についても不動産屋に連絡した。日本の物件サイトでちらちら賃貸物件を調べているが,とにかく高いし狭いのでブルーになってくる。高いといっても今住んでいる場所に比べれば激安だが・・・。

 

研究なんていくらやっても仕方がないという気分になってきたので帰国後は研究に割くエネルギーを抑えてマネジメントとか社内調整といったクソどうでもいい(でも誰かがやらないといけない)仕事に邁進していこうと思う。文系の資格の取得に向けた勉強も開始した。論文なんていくら書いてもお金にならないし,毎年のように研究テーマが会社の都合で変わるから本当に深い研究なんて永遠にできそうにないし。もうどうでもいいや。研究をやっていても昇進していけるキャリアパスがない。お金をもっともらうためには研究以外で存在感を発揮するよりほかない。

 

広い意味でのハードウェア系の分野,要するに実際に「モノ」を製造するような分野(製薬系・化学系を含む)で企業の研究活動がなぜ重要であり続けているか,なぜ大学の研究者たちに置いていかれないか,というと理由はいくつかある。まず研究するには設備投資が必要であり,コストが高いので大学の貧乏な研究者たちはなかなか手が出せないが,企業はそこに投資して研究を行うことが可能であるというのが1点。次に,こうした分野では何らかの専門技術を囲い込めば(特許化すれば)製品を独占できるし,仮に他社がその技術をこっそり使った製品を出してもそれを調べて特許侵害を明らかにすることが(機械系なんかでは)可能であるといのが2点目。最後に,こうした分野の研究開発では地道な実験データの蓄積がものを言うので,それを長年の財産として蓄えてきた企業は優位性を長期的に保持することができるというのが3点目。化学系なんかは特にそうだと思う。

 

しかしIT系(その一部としてAI系を含む)ではどの条件も満たされない。ITやAIの研究には大して設備投資がいらないので世界中の大学の研究者が参入してきてバンバン論文を出すことができてしまうので,資金力のある企業側に優位性がない。次に,IT系のアルゴリズムなんかはいくらでもソフトウェア内部に隠すことができるので(ユーザインタフェースを見てわからない限り)特許侵害を見つけ出すのはほぼほぼ不可能に近く,何らかの技術を自社だけで強制的に囲い込むことが難しい。最後に,IT系の企業は自分たち自身では各業界固有のデータを保有しておらず,顧客からもらわないといけないので,自分たちだけの優位性というものが全くない。例えばIT企業が「船舶にAIを搭載させるビジネス」をしたいとしよう。船の操業のデータなんてIT企業が持ってるわけないので,どっかのお客さんから提供してもらうしかない。同様に,金融にAIを入れようと思ったら証券会社や銀行からデータをもらうしかない。これでは,IT企業が独自の強みを持っているとは言えない。(Amazonのようなプラットフォーマーは例外で,オンライン上の顧客の買い物データを自社で死ぬほどたくさん保有しているので強いが,そんな企業は世界的にも少数派だろう。)

 

ゆえにIT系やAI系で,企業の研究活動のクオリティが社運を左右するということはまずないと考えられる。もっとも情報保護の分野(暗号理論など)だけは研究が大事かもしれないが,かなり例外的だと思う。

 

というように考えてくると,どうもAIに関わる仕事をしている自分の今後のキャリアを考えるに,研究者として生きていくのはだいぶ厳しい(し,つまらない)のかなと思うようになった。それに,私の会社でビジネス路線に行くのを拒否して「俺はあくまで研究者として生きていくんだ!」という路線で突き進んでいる人たちを見るに,はっきり言ってレベルが低い人が多い。とてもとても海外の優秀な研究グループとは渡り合えないような中途半端な(というかショボい)研究をやって満足しちゃっている「井の中の蛙」状態の人がとても多い。とはいえ,これは「その人たちに才能がない」というよりも,そもそもIT系の営利企業という閉鎖的な環境においては研究者としてそこまでしか到達(成長)できない,という限界がシステムの内部に存在しているように,私には見受けられる。

光学顕微鏡しかない環境でいくら努力を重ねてもコロナウイルスを観察することは絶対にできないように,与えられた環境で成長限界が決まっているのではないかと思えてならない今日この頃。