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誤用

それ、誰の視点?「世界観」の誤用を防ぐ方法

「世界観」

この言葉をよく見聞きするようになって久しい。

だが、適切に用いられていることは少なく、私も間違っていた時期がある。約十年前のことだ。

己への反省を込めて「世界観」なる言葉を簡単に把握できる方法を提案したく思う。

誤用が少しでも減ることを願って。

「観」とは誰かの視点

「世界観」という表現をよく見ていただきたい。「観」という文字が入っている。

次に「観」という文字が入っている表現を思い浮かべていただきたい。

例えばこんな言葉がある。

人生観

価値観

倫理観

死生観

恋愛観

道徳観

大局観

観相学

主観

客観

達観

諦観

悲観

景観

直観

観念

観察

観測

観賞

観光

人生観も達観も「誰かの視点」あるいは「基準」が介在していることにお気付きだろうか。

「観」という文字が含まれている表現は概ね「何者か」がいるのだ。観察や観賞はまさに人の視点抜きでは表せない。

「客観」に関しては、あらゆる主観を排除する意味合いがあるので例外と言えなくもない。だが、やはり「観察者/観測者」を必要とするので人の意思を排除できない。

世界観の語義を簡単に示すならば「世界の見方/捕え方」。「人の視点/基準」という媒体を通さなければ成り立たない言葉なのだ。

故に、ルドルフ・シュタイナーの「ゲーテ的世界観の認識論要綱」は正しい遣い方、訳し方である。

これを踏まえた上で次の例文のどちらが誤用かを考えてほしい。

例文

1.この小説には作者の世界観が色濃く反映されている

2.この小説の世界観は実に興味深い

語求(ごきゅう)
語求(ごきゅう)
誤用は「2.この小説の世界観は実に興味深い」である。
語求(ごきゅう)
語求(ごきゅう)
2.の基準は作者ではなく作品になってしまうからだ。

「作品自体の視点って何さ」と考えると、おかしさがわかる。「この小説の設定は実に興味深い」と言い表すほうが的確なのだ。

設定とは言わば舞台装置。意思も視点も持ってはいない。

親と子は別の生命

いやいや、設定には作者の世界観が反映されているだろうが
だから設定=世界観でも間違いではないだろ

この反論に答えよう。

作品は文字通り「作った品」。

「作った品」に視点があるとするとするならば、それは思考力を持った生物ということになる。

文学的比喩として「作品は生き物」と表現する場合もあるが、それこそ作者とは別個体であることの示唆ではないか。

「自分の子供みたいなもの」という形容も作者の情緒としてよくあることだ。

「作品とは子供」という前提を置くならば、親の世界観=世界の見方/捕え方をそのまま反映することは難しい。

それは何故か。親と子は別の生命だからだ。共通項も多いが完全なコピーではない。

完全なコピーとして扱うことは支配であり、子を押さえつけてコントロールするに等しいと言える。

年齢や経験が違うのだから、親と同じ視点になることのほうがおかしいのは誰でも理解できるだろう。

よって「設定=世界観」という反論には同意できない。

作者の分身

「作者の分身」という前提なら、およそコピーなので、かろうじて「設定=世界観」と規定することも不可能ではない。

だが、そういった前提表現はあくまで作者の気紛れによるところが大きく、深い意味があるのかは疑問だ。故に世界観の誤用を肯定する根拠としては心もとない。

素直に「設定」を用いれば済む話ではないだろうか。

因みに、作品全体ではなく登場人物に作者の世界観を投影させることは可能だ。コピーなのだから当然である。

舞台装置に意思はない

作者が構築した世界とはあくまで設定であり、それは「舞台装置」に過ぎない。「設定/舞台装置」が独自の視点で世界観を持つことはどう考えても奇妙だ。

もし「設定/舞台装置」そのものが視点を持つとしたら、作品世界自体が思考する生命体と位置付けなければならない。

例外

「舞台装置」には一応例外がある。アニメ/ゲーム/小説から挙げておこう。

語求(ごきゅう)
語求(ごきゅう)
これらは、環境や場所そのものが意思を持つかのように様相を変える。

「世界観」の誤用を防ぐ方法

「世界観」の誤用は「誰の視点か」を見失うことで起こる。故に「世界観」と見聞きしたときに「誰が見ている世界なのか」を探してみよう。

そこに「誰か」がいなければ誤用である。

誤用の蔓延=操り人形の増加

あなたは「誰かの視点」によって世界観の語義を狂わされている。

言葉なんてその場その時の都合で変えて構わない。

そんな視点で言語を見ている無責任な者たちによって。ただこれは、世界観に限らず誤用全般に当てはまることなのだ。

文字をよくよく「観察」しよう。そうすれば誤用の罠にハマりにくい。「観察」を後回しにするから誤用を刷り込まれてしまう。受け流してしまう。

「難易度」にしても「無課金/廃課金」にしても、少し「観察」すれば「その用い方は何かおかしいぞ」と気付くはずだ。

【衝突語】「難易度が高い」|高いのは難しさ?易しさ?一体どっちなのさ「ご安全に」なる言葉がある。これは、製造業・建設業の現場での安全意識高揚のために掛け合う言葉だ。だが、この「ご安全に」は世間全体に浸透していない。あくまでも「製造・建設界隈」でキッチリ収まっている言葉である。他方「難易度」や「課金」は「ゲーム界隈」のみならず広い分野に浸透し、世間で当たり前の表現としてのさばっている。...
「課金」プレイヤーは抹殺者目下のイベントにしか興味がないソーシャルゲームのアホプレイヤー共が「納金」の対義語であるはずの「課金」で上書きセーブをやらかしている。その上書きセーブのデータは各分野でコピーされ世間に蔓延した。その蔓延ぶりは手の付けられないところまできており、愛国心の塊のような桜井誠氏でさえ「納金」のことを「課金」と言っている始末。...
皆が何となく用いているから
皆が誤りだと指摘しないから

そんな根拠で「観察」を怠るのは、あなたの視点がないのと同じ。あなたの視点はそこにあるのかよく考えてほしい。

「観察」した上で、皆の用い方が適切だという結論に至ることも大いにあるだろう。だが、忘れてはならない。

多数派の選択が好ましいはずなのに、世の中は全く良くなっていない。それどころか悪くなる一方だ。

語求(ごきゅう)
語求(ごきゅう)
誤用の蔓延とは操り人形の増加に等しい。
語求(ごきゅう)
語求(ごきゅう)
あなたは「誰かの視点」によって世界観の語義を狂わされている。
語求(ごきゅう)
語求(ごきゅう)
あなたは「誰かの視点」を刷り込まれ誤用をさせられている。
語求(ごきゅう)
語求(ごきゅう)
あなたは「誰かの視点」によって言葉遣いをコントロールされている。
語求(ごきゅう)
語求(ごきゅう)
文字の「観察」を怠ると語義を見失う。見失うとすぐさま支配される。

誤用を刷り込まれるあなたはただのコピーであり、操り人形であり、支配下に置かれているだけの存在。それに気付かないのは恐ろしいことなのだ。

言葉の誤りを指摘される人=〇〇に洗剤を使う人私としては「分類関係なく反発するのもやむなし」という心情が若干ある一方で「誤りは条件問わず指摘し合うのが好ましい」と考えている。つまり「一部に限定すれば反論に賛成」と思いつつも、やはり好ましい表現を提案されたならば素直に従うべきという立場。ただし「なります敬語」「させていただきます敬語」「お疲れ様」などの...

西部邁

もし多数派が正しいなら歴史はひたすらなる進歩でしょ。何万年も経っているんですよ人類出てから。

今頃もう人類はパラダイスに近づいているはずさ。ところが世間では文明の危機であると没落であると言われているわけ。

てことはね、多数派は概ね間違っていると。

多くの方に崇高で絶対で真っ当な判断があったら日本はとうの昔にもっと天国に近づいているはずですよ。ずっと多数決でやっているんですから。真理は概ね少数派に宿るもの。

三橋貴明

日常会話でやたら言葉の定義にこだわるやつ嫌でしょ

西部邁

普段の言葉遣いは国家の存続に影響する

中野剛志

少数派の人が一所懸命何か言っている。特に日本はありがちですけれど、多数派というだけで少数派のことをバカにするわけですが

自分の立場を不利にしてでも訴えているというのは、何か見えているのではないかと思って耳を傾けみるというのが大事。

佐藤健志

言葉は文化の基礎です。

どうも最近の安倍政権の言葉を見ていると日本語として意味をなしていない。

私が「世界観」の誤用をしているコメント

ここからは余談。私が別ブログの記事で「世界観」の誤用をしているコメントが残っている。平成二十五年/2013年。

そして「世界観」の誤用に気付いて慎重に遣っている記事。平成二十七年/2015年。

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語求(ごきゅう)
「適切な言語感覚」を探求する者。「言葉の変化全肯定論者」の軽薄さと危険性を独自の視点で暴き出す。「言葉は生き物」「言葉に寛容になれ」と心無い批判をされた人よ。あなたの言語感覚は間違っていない。そんな奴らに屈するな。国防に必要なのは核武装 と言語の保守だ。アイコンはユルいが50代の筋トレおじさん。
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