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ああ、今日もいい天気だ。犬連れの旅では散歩やトイレの事を考えると、
晴れていると本当にありがたい。神様はちゃんと見てくれているんだな。
日頃の行いって大事だよね。
道の駅長湯温泉で朝を迎えたオレとセツ子は、ジープとフレルをお散歩させ、
ご飯をあげてから御前湯に朝風呂を浴びに行く事にした。こちらの営業は、
朝6時からだ。
この御前湯もレトロな雰囲気なのだが、
建てられたのは20年ほど前で、ラムネ温泉と同じ様に有名建築家集団による
設計だそうだ。
大浴場の他に露天、洋式、和式の貸切り風呂がある。
貸切り風呂の料金は50分2000円で、4人まで利用出来るそうだ。オレと
セツ子は洋式に入ってみる事にした。
浴室は大正ロマン風の雰囲気を上手に取り入れた造りで、調度もそれっぽく
揃えてある。
オレはなぜか大昔に行った港北のラブホ、ラパスを思い出した。あっ、知らないよね？
湯船は黄土色のマグネシウム・ナトリウム―炭酸水素塩泉が満たされている。
もちろん、こちらもかけ流しだ。
ああ、ええわ。
少し熱めの湯が、冷えた身体に心地良い。窓からは弱い冬の日差しが差し込んで、
何とも贅沢な気分だ。オレの家の近所にこんなステキな風呂が有ったら、どんなに
幸せだろう。これが有るならマックやケンタッキーやデニーズが無くてもいいよ。
ゆっくりと温まり、温泉市場で朝飯を買ってアルコーバに戻った。
お湯を沸かし、車に有ったインスタントの豚汁とアオサのみそ汁を作り
300円で売ってたチキン南蛮と
大分名物吉野鶏めしと
九州では外せない高菜めしのおにぎりに
100円の漬物で朝飯を済ませた。実を言えばオレは山下 清みたいに、お、お、
お、おにぎりと、か、唐揚げがあれば、満足してしまう人間だなんだな。やっぱり。
物価も安いので、ここなら1日3000円も有れば生活出来そうだ。
飽きるまでここに留まり、風呂に入って、寝て、呑んでと自堕落な生活を
してみたい誘惑に駆られるが、それはいつか引退した時に、もっと大きな
キャンピングカーで出来る様に頑張ろう。
腹を一杯にしたオレ達は後ろ髪を引かれる思いで、長湯温泉を発ち、阿蘇に
向けてアルコーバを走らせた。
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