ここが変だよ日本人 お金の話 <③お金が増えない>
日本でお金が増えるのか?
バブル崩壊以降、失われた30年間と言われています。
日本国内は、デフレスパイラルにはまり物価や労働賃金は共に上がらず、世界から見ても経済の発展が止まってしまったような状態が長く続いています。
かつての1990年頃のいわゆるバブル景気の時には、世界企業の時価総額ランキング10位以内の多くを日本が占めていました。
しかし、バブル崩壊以来どんどん抜かれ今や1社もない状態になってしまいました。
一方、中国はどんどん発展して今や上位を独占していますよね。
日本も世界経済の中心にいたのですが、バブル崩壊のショックからか、一気に守りの島国根性というか鎖国思想というか攻めの姿勢はなくなってしまったようにも思えます。
そして、そもそも島国日本は、閉鎖的な国民性があり世界の中でも独特の思考や規制が蔓延しているような気がします。そして、それによる間違った認識や判断、行動が長い間足を引っ張っていて抜け出せないのではないかと考えてしまいます。
そういった背景の日本国内ですが、世界と比較した日本の状況については、以前のブログでも下表にて家計金融資産が米国、英国に比べて半分くらいしか増えていないというところを見ていただきました。
これも踏まえて本題にもどって「日本でお金は増えるのか?」について、増えない理由をいくつか挙げてみます。
1.金利が低い
一般的な日本人としては貯金が好きな人が多いです。そういう意味では銀行の金利で増やすのが一番馴染みやすいでしょう。しかし、現実は年利0.001%です。
1974年~1991年の約20年間の銀行の金利は平均すると約8%にもなります。この間に郵貯で12%という時もありました。しかし、現在の0.001%ではどうやっても増やすことはできません。
これでは増えるどころか、残念ながらATMの手数料で簡単にマイナスになってしまう状態になってしまっています。
2.手数料が高い
日本の構造上の問題は手数料が高いということです。
お金を増やすための積み立てや一時預かりの保険金融商品は、手数料が目に見えているものや、わからないところで取られるものとで大きな割合となっております。
また手数料は先に大きく取られる仕組みなので運用前に元本を減らして運用しているようなものです。運用率を大きく見せて説明されますが、この仕組みが理解していれば、減らした元本の運用では元本に戻して少しおまけがつく程度にしかならないことが理解できます。
投資信託も同様の理由で増えません。
以下の金融庁の資料では、10年預けて▲0.11%ですから減ってしまっています。
よく見ると上位5銘柄ですので、多くの人が自分のお金を減らしてしまっているということです。
こんな状態だから、日本人は投資にネガティブになるわけですよね。
3、金融リテラシーの問題
日本の状況面は上記の2つではありますが、個人の判断という意味では日本人が金融リテラシーが低いというところも大きな要因と考えます。
金融機関に勧められるまま、または、選ぶ際にも「多数決に乗っかるだけ」というようなことで大切なお金の置き場所を考え方が未熟で金融リテラシーの低い行動の人が多いからでもあるでしょう。
まとめると、
ゆえに「日本でお金が増えるのか?」の答えは、多くの人は増えないだといっていいと思います。
これらからは日本の状況や手数料の体系や構造上、「増えない」ということが言えますが、この意味は、増やすことができないとか増えるものがないということではありません。
個々の金融リテラシーを上げていけば、日本国内でも増やせる人になれると思います。また、視野を世界に広げればさらに可能性は広がると私は考えています。
<編集後記>
いろいろ勉強してわかったのですが、日本は私が思っていた以上に鎖国的です。
世界と日本と明確に区別して考える傾向があるし、それゆえ世界と比較せず日本独自の不合理なシステムも多いです。
もちろん私は日本に生まれ、日本が大好きですが、大好きな日本だけを見て考えるのではなく、いろいろな分野で世界と比較してみて、より日本を理解することは自分の人生にプラスになると考えるようになってきました。