トンガ周辺での火山噴火は、今世紀最大規模の大噴火とも言われている。
とてつもない質量の噴出物が放出されたが、深部のマグマ溜りから放出された。
言い換えると、とてつもない容積の空間が海底地層深部に潜んでいる。
今回の噴火で、どれだけの空間が押し下げられたのかは判らない。
噴出されたマグマの容積分が崩落し、空間が少なければ更なる地殻崩落は無い。
又は、即座にマントルからのマグマ流入があれば、空間の内圧は保たれる。
しかし、現在の科学ではマグマ溜りの中身を知る事は不可能。
最悪の状況を想定すると、現在とてつもない空間が残るばあい、
空間天井部の地層重量により、下に押し下げようとする荷重が発生し続ける。
一番の脅威は、今回の噴火が海洋で発生している事であり、
大量の海水重量、莫大な水圧が海底地層へ加わる事となる。
これに耐えきれなくなれば、一気に広大な面積の海底が大きく沈降してしまう。
同時に、バケツの底が抜けたように沈降容積分の海水も海底に追従する。
これが海底カルデラ崩壊であり、巨大な津波を発生させてしまう。
カルデラ崩壊が陸地であれば、広大な盆地が形成されるのだが、
広大な盆地に海水が満たされたと仮定した容積が、一気に動く事を意味する。
カルデラ崩壊は火山噴火直後に起きる場合と、時間を経て起きる場合がある。
後者ならば、噴火が収まって皆が安心して再び普段の日常に戻った時、
これが起きれば地震、噴火等の前兆も無く、突然の津波発生に襲われる事となる。
気象庁が津波警報解除に踏み切れないのも、このような事も想定されるからであろう。
ビキ二環礁での水爆実験、北極海での旧ソ連、50メガトン(M8.3に匹敵)の水爆実験でも、
津波が周辺国の沿岸部に押し寄せたとの記録は無い事から、
大噴火により気圧が高まった等の影響では無いと考える。
これは明らかに、海底地層の陥没による津波であろう。