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ぶらぶら街歩き日記です。北京編4年目です。

盧溝橋 中国人民抗日戦争紀念館

2021-11-21 | 北京を歩く
盧溝橋近く、宛平城内にある中国人民抗日戦争紀念館に行ってみました。

国内最大規模の抗日戦争に関する関連の展示施設です。

盧溝橋事件の日である毎年7月7日にはここで式典が開かれます。
指導者が参加した場合はニュースになりますので、映像ではよく見てきた場所です。

記念館の開設は1987年です。中国では胡耀邦が失脚した年です。

決して気が進む見学の対象ではありませんが、これまでも中国各地でこの手の愛国主義施設は避けずに見学してきました。勉強です。

スマホのWeChatミニプログラムで実名登録をしてから入場するシステムですが、入口で試してみると中国人の身分証明証のみを対象にしたシステム設計になっているようで、外国人である僕は登録ができませんでした。

係員に「外国人だけど、どうすればいいの?」と訪ねたところ、外国人専用の窓口に案内されました。
外国人の参観者はそれほど想定していないようです。
日本人だからといって嫌な顔をされるわけでもなく、淡々と手続きを進めてくれました。これは他の愛国主義施設でも同じです。





施設内には2万点以上の展示物を収蔵しているそうですが、そのすべてを展示しているわけでははないと思います。数千でしょうか。

外国人らしき姿はまったく見かけません。

映像やジオラマ、オブジェを交えて日本軍の中国侵略と中国人民の戦いの歴史を伝えています。
日本軍の残虐ぶり、非道ぶりが強調されています。

展示物を見ながら子どもに対して日本軍が犯した罪悪を説明をしている親の姿もよく見かけます。







終戦から76年が経ちますので、リアルタイムで戦争を体験した来訪者はほとんどいないはずですが、このように恨みや憎しみが再生産されていくのだな、ということを実感します。

同時に、多くの国民の命と財産にかかわった争いの根にあるわだかまりを取り払うのには多くの時間が要することも実感しました。

例えば1万年後の世代は抗日戦争を根に持っていることはないでしょう。もう完全に人ごとになっていると思います。

しかし、日中戦争はまだ76年です。
人の一生に相当する時間ですが、長いようで、まだ長くないのかもしれません。

この隣国との友好関係は、手間を惜しまず時間をかけて、粘り強く築き上げていくものだということを改めて心に刻んだ1日になりました。

日本で言えば広島と長崎の原爆資料館や遊就館などの戦争展示館がここに当たると思いますが、だいぶテイストが違いました。



満洲国の紙幣や土地権利書です。



これも満洲国の切手など。



盧溝橋事件を伝える1937年7月9日の報知新聞です。



これも盧溝橋事件直後の新聞です。



大東亜共栄圏めぐり双六だそうです。こんな玩具があったのですね。
日本→満洲国→中華民国→ベトナム→タイ→ビルマ→インド→昭南島(シンガポール)→インドネシア→フィリピンを回って日本に戻ると。
当時の拡大主義思想が分かりやすく伝わってきます。



1972年の日中共同声明も展示されていました。
終盤は未来志向でまとめられています。





野外には日本軍が残した240ミリ榴弾砲もありました。

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