昨日、久々に家で洋食を作った。
トマトとナスのパスタ、かぼちゃのポタージュ。
私もたまには中国料理じゃないものが食べたいと思う。
家の近くにウォルマートがあるのが唯一の救いである。
その他のスーパーでは、パスタやマヨネーズさえ手に入らない中国生活。
夫は洋食を好かないが、月一程度なら私を「料理の天才」だと言って食べてくれる。
家庭で洋食が出てくる物珍しさに「贅沢だ」と喜ぶその“月一”が、昨日のトマトとナスのパスタ…であった。
夫は料理を写真に撮り、家族のグループチャットに送った。
そしたら義母が「もっと体に良いもの食べなさい」と言う。
思いもしない言葉に息を呑んだ。
悪気が無いのは分かるが、私が手作りした料理だと知っていてそんなこと。
正直すぎる性格ゆえか、ただの無神経。
どちらにせよ難儀だが「ごめんなさいね、愛する息子さんに“体に良くないもの”食べさせて」
ブログだけでも嫌味を言いたい。
以前、結婚挨拶のため中国から日本に来てくれた時も、義母は日本食を食べたくないと言って殆ど口にしなかった。
生食文化や放射能を気にしているのかと思ったが、要は自分の知らない食材、調味料、調理方法がこわいのだと気付く。
私も移住当初はそんな気持ちでたまに目の前の料理と向き合っていた。
日本滞在中、わざわざ中華料理屋を探して毎日一緒に通ったのは今でも苦い思い出である。
チェーン店である『餃子の王将』にどれだけ救われたことだろうか。
義母の言葉にショックより諦めに似た感情を抱きながら、夫は「すごく美味しいよ」と返信して、私は自分のパスタを頬張った。
中国の麺、日本の麺、イタリアの麺…どれも良い。
私は世界のおいしい料理をたくさん知っているから幸せと思う。