債券の買い時が難しくて分からないから、まずは5万円ずつ買ってみた

銀行に預金していてもほとんど利息がつかないため、投資に興味がある方が増えてきています。

投資に全く興味のない夫ですら、「オレの貯金は銀行預金でいいのかなー」と言っています。

でも、損をするのは嫌なので、できる限り安全だけど、利息が銀行預金よりいい運用先はないものか、、、と探す時に検討対象にあがるのが、債券だと思います。

私は、大学時代から30年ぐらい投資をしているので、現在は株式中心の運用を行っていますが、現在アラフィフで年金生活も近づいてきたため、もう少しリスクを減らしたいので、最近、再び債券に興味を持ち始めています。

1. 債券とは?

債券は、国や企業などの発行体が、投資家から資金を借り入れるために発行する有価証券です。

投資家は国や企業にお金を貸す代わりに、利子を貰うことになります。

債券には満期が定められていて、満期時には発行体が破綻しない限り、債券の額面金額が払い戻される仕組みです。

我々投資家は、最終的に当初投資した債券の額面金額と利子の両方を受け取ることができます。

これだけ見ると、破綻しない限り、元本が戻ってくるので魅力的に見えますよね~

2. 安全な債券の魅力が、現在ほとんどない理由

一方、万が一、発行体が破綻すると、債券は最悪紙屑になってしまいます。(株式よりは優先弁済されますが…)

債券の安全性は、発行体によるので、一般的にはある企業の社債よりも国債が安全だと考えられます。(日本国は借金まみれで安全と言えるかは微妙ですが…)

しかし、安全であるということは、利率も低くなっています。

①個人向け国債

個人向け国債は、一番高い変動10年でも、0.12%となっており、これならばオリックス銀行の定期預金の方がマシと言えるレベルです。

100万円預けても、利息が1,200円(税引き前)とは、預ける気になれません。

しかも、債券はインフレに弱いので、現在のように原油価格の値上がりと円安により、生活必需品の値上がりが続いているような状態で、100万円が10年後に100万円で戻ってきて嬉しいのか、、と考えてしまいますね…

もう少し金利が高い債券はないのでしょうか?

②日本の社債

日本の社債は、ソフトバンクグループの既発債しか見つけられませんでした…

利率は個人向け国債よりはよいですが、そもそも現時点で株価が絶賛下落中のソフトバンクグループの社債という時点で、株式より安全な運用先なのかという疑問が生じてきます。

ましてや、中国情勢が危うい中、遠い償還日までアリババなど中国投資も行っているソフトバンクグループが生き残れるのか、、、ということで、すぐに候補から外れました。

③アメリカの国債

アメリカの国債であれば、2%程度なので、利回り的には魅力的に思えますね。

しかし、こちらは為替リスクがあるので、現在のようにかなり円安が進行している状態(1ドル=118円)で1万ドル購入した場合、118万円必要となります。

満期に円高が進行しており、1ドル=100円になっていたら、100万円しか戻ってこないため、▲18万円損をしたことになってしまいます。

毎年2万円の利息を10年間もらっても(税引き後だともっと少ないが…)、10年後の為替レート次第ではパーになってしまいますね…

償還時点の為替レートなんて予測不能。

では、円安になった時に途中売却すれば?と思うのですが、途中で債券売却をする際の取引価格は通常の株式やETFと異なり、よく分かりませんでした…

3. 債券ETFとは?

そこで、償還前でも自由に売買できる候補として登場するのが、債券ETFです。

債券ETFは、債券を対象にしたETF(上場投資信託)です。ETFは、Exchange Traded Fundの略で、上場投資信託と呼ばれます。

”上場”と言われているだけあって、市場で売買が行われていて、市場価格は常に変動していますし、株価のようにネットで参照することができます。

債券ETFの一番のメリットは、「分散投資ができる」「市場を通していつでも簡単に購入・売却できる」という2点です。

そもそも、債券投資は「償還時に元本が戻ってくる」が魅力だったのですが、日本国債の金利が低い今、海外債券を視野に入れると、為替リスクに立ち向かう必要があります。

そうすると、生債券を購入するより、債券ETFの方が柔軟な対応ができそうです。

4. 外国債券ETFは何を選ぶか?

外国債券ETFもまずはどこの国の債券にするかで種類はたくさんありますが、今回は米国で選んでいます。

たくさんの債券ETFがありましたが、有名どころのBNDと、あとは属性の違うものを二つ選んでみました。

3/11株価利回り経費率
BNDバンガード・米国トータル・債券市場ETF80.41$2.01%0.04%
BLVバンガード・米国長期債券ETF91.76$3.19%0.05%
HYGiシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債ETF81.32$4.29%0.48%

5. BND・BLV・HYGの暴落

アメリカの中央銀行にあたるFRBは、記録的なインフレを抑制するために政策金利を引き上げ、金融の引き締めに踏み切る見込みとなっています。

そのため、金利が将来上昇すると見込まれているので、現状の債券は人気がなく、ETFの株価は絶賛下落中です。

①BND

米国債券ETFというと、一番の候補にあがるのが、このバンガードの【BND】や、ブラックロックの【AGG】です。

比較的安全性の高い債券への投資で、【AGG】が利回り1.81%、【BND】が利回りは2.01%とどちらも低いですが、バランスに優れています。

↓【BND】の10年間の株価推移です。

金利上昇局面の現在、80$をきっており、かなり安く感じますが、現在、円安水準なので日本円で考えた時に、安値かは微妙だと言えます。

現在の株価&為替:80$×118円=9,440円
株価上昇&円高:90$×80円=7,200円

1ドル80円まで円高が進行すると、株価が過去10年の最高値になってもマイナスとなります。

1ドル100円であっても、株価が94.4$にならないと売却損が出てしまいますね… (もちろん、金利分である程度取り返せますが、売却損が出ないように売りたいです。)

金利が上昇する国の通貨は高くなりやすいので、外国債券に投資したいと思ったタイミングではドル高・円安になりがちなので、いくらETFの株価を見て割安だと思っても、為替レートを考えると、割高となってしまうケースも多いでしょう。

②BLV

BLVはBNDの長期債券版です。

BNDは短期債券と長期債券をバランスよく組み合わせていますが、BLVは長期債券でデュレーション(平均回収期間)が長いので、リスクがある分、株価変動も大きいし、利回りもBNDより高い3.19%になっています。

安定を求めるならBND、利回りを求めるならBLVとなります。

金利上昇中の現在、割安に見えますが、円安も同時進行中なので、BNDと同様、円貨で購入する場合、決して割安とは言えない水準となっています。

現在の株価&為替:90$×118円=10,620円
株価上昇&円高:120$×80円=9,600円

1ドル80円まで円高が進行すると、株価が過去10年の最高値を超えてもマイナスとなります。

1ドル100円であっても、株価が106$にならないと、売却損が出てしまいますが、この106$は昨年も到達しているので、こちらはBNDよりも価格変動が大きい分、為替の変動を価格変動で吸収する余地としては残っていそうです。

③HYG

ブラックロック社のETFで、格付けの低い社債を運用対象にしているので、BNDやBLVよりリスクが高い分、利回りも4.29%とよくなっています。

格付けの低い債券に投資するのであれば、株式でもよくない?というように、だんだん安全運用の趣旨から外れてきている気もします。

④債券じゃないけど

BND・BLV・HYGなど、アメリカの債券ETFを見てきましたが、値動きが株式よりもは安定しているとはいえ、コロナ暴落の時はしっかり下がってるし、微妙な感じですよね…

それならば、よっぽどVYM(米国高配当株式ETF)の方が、利回りも2.86%だし、長期で株価が右肩上がりだし、魅力的に感じます。

6. それでも、米国債券ETFを購入

・円安水準
・米国金利がこれから上昇するから、債券価格はさらに下がる可能性もある
・債券はインフレに弱い(現在、絶賛インフレ中。)

上記のように、米国債券ETFを買うタイミングではない気もします。

でも、様子見でそれぞれ5万円ぐらい、買っちゃいました!

BLVはARCCの配当金で貯まった米国ドルを使っていますが、BNDとHYGは円貨から買っているので為替デメリットをモロに受けています。

いろいろ検討しても、VYM(高配当ETF)の方がいいようにしか思えませんでしたし、債券ETFを買うとしてももう少し円高じゃないと、、、という気もするのですが、完全な衝動買いです。

購入してしまった言い訳は下記でーす。

  • 投資が株式に偏っているため、債券も持っておきたい
  • 金利上昇局面で下落する債券であるが、いつが底値かの予測は難しい
  • 現在、投資の大半が米国株なので、株価暴落時に債券を売却して米国株式を買い増すという目的では、為替水準は気にならない
  • 日本の国力が落ちているため、1ドル80円までの円高が今後発生するか分からない

とりあえず、今回の購入単価がアンカリング効果になるので、今後、米国の利上げによりますますETF価格が下がっていったら、適時買い増しをしていきたいと思います。

債券ではないのですが、債券と似た動きをするPFF(米国優先株)の株価も下がってきました。

金利が上昇中なのが原因かと思いますが、こちらも33ドルをきる水準になってきたら、買い増しを行いたいと思います。

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