Twitterをリロードしたら自分の店が潰れていた話

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どうも リューさんです。

リューさん日刊と言っておきながら すっかり日刊ではないメルマガになってしまった。

タイトルを【リューさん週刊】に変えようかな。

なんていう冗談はさておき。

前回のメルマガでは自分の経験や 成功体験も交えながら
「面接の必勝法」みたいな話をしました。

今回はそれとは対照的な話。

タイトルの通りみんな大好きな 「私が破滅した話」です。

私は無在庫輸入で当ててから 飲食店経営に走ったことがあります。
この「飲食に走る」というのは ネットビジネスで稼いだ人にありがちな症状です。

一般的には 「ネットビジネス=怪しくて胡散臭い」 というネガティブなイメージがありますが、
100%受け入れて実践し立派な専業としてそれだけで飯を食い 周りを納得させるだけの確かな成果を出している人間であっても
そのネガティブなイメージに対する無意識下でのコンプレックスがあるものです。

つまりは「飲食店経営=真っ当に世間に認められている」というイメージに繋がり、
「成功したんだから稼ぎ方を選んでいこう」 「世間に認められるビジネスを!脱転売!脱アフィリ!」 などと画策したくなるんですよね。

簡単に言えばこれは エゴ・慢心から始まる 「奇行の一種」なんですよ。
無在庫輸入で一山当てた後の選択なんで やってしまってる本人としては当然 失敗するとは思ってません。
でも奇行は奇行なんで上手くいく確率は 冷静に見積もると低いんです。

結論を言うと私の飲食業界参入第一号は 開店から2ヵ月で破綻しています。
当時たまたまTwitterで話題になってた 「イベントバーエデン」という店に顔を出し始めたのが
飲食に乗り出す直接のきっかけでした。

エデングループは「えらいてんちょう」という人が始めたもので 誰でも自分なりのコンセプトを決めて
一日バーテンが出来るというスタイルです。

フランチャイズで全国に展開されており コロナ禍で閉店するまでは 札幌にも「エデンサッポロ」があったんですね。

例えば あなたがスマブラ好きなら エデンで「スマブラ大好きバー」を開催して Twitterなどで人を呼べば スマブラ好きな人が集まってきて、
みんなでスマブラが出来たり スマブラ好きな友達が出来たりする。というわけ。

店での売り上げは1万円を超えた分を オーナーと折半するというルール。
で、実際のところどんな人がエデン界隈にいるかというと 発達障害、精神障害などの「人生破滅してる系の曖昧な人類」と
オフパコ・パパ活界隈の「裏垢女子」が非常に多かったですね。

ちなみにオフパコ系の裏垢女子がバーテンやった時が 一番稼げてるらしくて1日で十数万とか売り上げるらしい。

バーテンの取り分で日給に換算すると 5~7万くらいだったかな。
いきなり賃貸契約したり内装に大金をかけたりせずに 飲食店の運営体験ができるわけなので、
飲食業界で起業したい人がテストや市場調査を兼ねて 一日店長をやったりもしてます。

とまぁちょっと話は逸れたけど そのエデンサッポロのオーナーが エデンやって稼いだ利益を開業資金に回して
飲食店をいくつも経営している人だったんですよ。

通称「不謹慎マン」っていう男なんですけどね。

エデンサッポロに通ってるうちに彼と仲良くなり、「りゅうまさん、カレー屋に出資しません?」となって
「いいの?やるやる!」とその場で即答。

50万くらいお金をだして不謹慎マングループのカレー屋 「パンドラ」のフランチャイズをやることになったのが私の飲食業界参入のきっかけでした。

えらいてんちょうを始めとして 不謹慎マン系列にまで及ぶ飲食店の起業のスタイルは「しょぼい起業」と呼ばれており、
居ぬきの物件を自分で掃除してほとんどそのまま使い、 初期費用を最小限に抑えて経営するという方針。

なのでパンドラも初期費用は安くて15万から高くても50万くらい。

私が出資した店は札幌市北区の「麻生(あさぶ)」という地区にオープン。

「パンドラ麻生」というお店になったのでした。

 私と店長と不謹慎マン

とはいっても私はネットビジネスが本業。 当時は企業コンサルも始めており 母親が経営する介護施設のNo.2が反乱を起こした まさにその時でもあったので とにかく毎日忙しかった。 当然、自分で店に立ってカレーを出す なんてことが出来るわけもありません。 そこで不謹慎マンさんがスカウトした 「店長」を置き、開業資金のみ 私が出すことになったのです。 店長は雇われ店長などではなく あくまでも個人事業主として起業してもらうため 利益の大部分は店長に。 利益の数パーセントを私とパンドラ本店が取る という構造で収益の分配がされる予定でした。 しかしそこには思いもよらぬ 落とし穴があったわけです。 ━━━━━━━━━━━━━━━ 店長の隠された過去 ━━━━━━━━━━━━━━━ 店長と私は直接の知り合いではありませんでした。 パンドラは不謹慎マンさんが作った仕組みです。 そこに出資する以上、私は不謹慎マンさんに 絶対的な信頼を寄せています。 そうじゃないと50万とは言え ポンと大金を預けることはできないですよね。 そして前述したとおり、 店長は私が信頼する不謹慎マンさんがスカウトした人材。 (元は店長もエデンサッポロのお客さんだったそうな) だから私は店長がどんな人だったか全然知らないまま、 というかあまり知ろうともしていなかったんですよ。 不謹慎マンさんが連れてきた子だから まぁおかしな奴ではないだろうと、 そこに疑いの余地すら感じなかった。 だから 自分の目で確かめることをあまりしなかった。 店長は飲食店での勤務経験があって 料理に関する基本的なスキルはある。 前職は不動産屋の経理なので 簿記も多少できる。 という程度の前情報です。 これだけの情報だと 「あ、なんかデキそうなやつっぽい」 って思うじゃないですか? しかし後から聞いた話によると 店長は大学時代にうつ病を患っていたらしいんですね。 これが隠された「大きな古傷」で、 最終的に店を破滅に追い込むことになったのです。 ━━━━━━━━━━━━━━━ ビールを仕入れすぎて資金が枯渇 ━━━━━━━━━━━━━━━ 私から出した開店資金の中には 仕入れに必要なお金など、 当面の運転資金も含まれていました。 普通は飲食店と言えば 数千万の借金をするのが当たり前。 そんな中で運転資金も含めて50万で収まるっていうのが えらいてんちょうが提唱する「しょぼい起業術」の とんでもないノウハウなわけですが。 しかしなんと店長は たった1ヵ月で運転資金を全て 使い果たしてしまいました。 開店した月の月末頃に 「お金が足りなくなったから追加をくれ」 と頼んできたのですよ。 うちのカレーの原価なんか 25%くらいなもんです。 どんだけ玉ねぎ仕入れたらそうなるんや。 と思ったら、 どうやらビールを仕入れすぎて資金が枯渇したらしい。 は?なんでカレー屋でビールたくさん仕入れるのよ? と思うかもしれない。 私もかなり疑問だった。 そこで店長と緊急面談したところ これまた衝撃の事実が。 どうやら店長は元々カレー屋なんかやりたくなくて 本当はバーをやりたかったらしい。 そこで当初は「カレーパンドラ麻生店」の予定だったところを 勝手に店名を「カリー&バー パンドラ」にしてしまい、 自分でお酒を仕入れて出そうとしていたわけ。 ほら、食べログでも「カリー&バー パンドラ」になってるw %url2%(https://tabelog.com/hokkaido/A0101/A010202/1062458/) でもさ、 カレーにお酒ってそんなに合うだろうか? 私はスパイスカレーの美味しい店に行って ビールが欲しい!ビールが無いとダメだ! と思ったことはないし カレー屋でビール頼んでる人を見たこともない。 ビールとカレーという組み合わせについて めちゃくちゃ啓蒙していったとして、 カレー屋のメニューにおいてビールが カレーに次ぐような人気を獲得していけるのか? 大人しくラッシーでも作ってた方がよいのでは? いま思えばこの辺もリサーチ不足のニオイがする。 それに ビールなんてぶっちゃけ薄利なんで よほど高回転させていかない限り 仕入れすぎれば資金が追い付かなくなるのは 当たり前のことですよ。 そんなもん 普通に計算してればわかったはず。 まぁ、わからなかったんだとしても わからないなりに相談してくれればよかったものを 「僕は元飲食店勤務で経理も経験しているので  りゅうまさんよりもその辺は詳しいと思います」 みたいなノリよ。 「口出ししてくれるな」と言わんばかりのなw いや、私が悪いんですよ。 お金を出す前にそこまで自分の目で ちゃんと見極めていなかった。 実際にかじ取りをする店長という人間を見ずに カレー屋、飲食店というビジネスモデルにばかり 目を向けてしまっていたというわけですから。 追加出資の要請を受け 不謹慎マンさんも交えて相談をしたところ、 「りゅうまさんには運転資金も含めた計算で  必要な金額を出資をしてもらったのだから、  仕入れミスで足りなくなったのだとしたら  店長が自分で知り合いに借りるとかして  金策をするべきだ」 との裁定が下りました。 ん~、グゥの音も出ないくらい正論ですわ。 ここで店長のうつ病は大爆発したらしい。 最初に思った通りの絵が描けず 資金難に直面して夜も眠れなくなったようで。。。 店のTwitterアカウントを見ると連日 「本日は臨時休業します」 みたいな感じが続いてる。 そして2ヵ月後のある日、店長から呼び出され 「今月末で店を閉めようと思います」 という話をされました。 しかもうつ病についてカミングアウトされたのは この「店を閉めたい」という相談の時が初めて。 ん~、なんだろうね。 そんな重大な事実を隠されていたってことも残念だし、 事前に打ち明けてもらえるような関係を作れていない状況で 人生を賭けるような決断をさせてしまい、 破滅に向かって後押しする資金提供をしてしまったことが 本当に悔やんでも悔やみきれないわけで。 ともあれ 「店長がそう言うならしょうがない。」 「代役を立てるのも現実的ではない。」 ということで不謹慎マンさんとも話し合い 月末での閉店という結論に対してOKを出しました。 が、 話し合いの直後にTwitterをリロードしたら 「今日で閉店しました」 というお店のアカウントのツイートがw なんでやねんwww 月末までじゃなかったのかよ! ツイートについて店長に問うと 「閉店が決まった途端に力が抜けて  もう店に立てなさそうだったので」 とのことでした。 いや、それも相談しろよ。。。 お金出したのは私ですから。。。 以来 「スマホの画面をひと擦りして  Twitterリロードしたらまるで魔法みたいに  勝手に自分の店が閉店してましてね。。。」 というとんでもない自虐ネタが 飲み会等で話の掴みのための 鉄板ネタになってしまったわけです。 というわけで私の飲食店進出第一号は 2ヵ月という超短期間で、 50万という赤字を残したまま あえなくポシャったのでした。 これ、コロナ禍以前の話ですからね。 2ヵ月を超えて存続していたとしても コロナ禍乗り越えられてないだろうなー と、しみじみ思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━ 編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━ 「うつ病という病気は本人が悪いわけではない。」 私がそういう認識を持っている という前提で言います。 起業するにあたって 「いま、もしくは過去にうつ病を抱えている人」は 絶対に起業しないでください。 ~~~~~~~~~~~~~~ ネットビジネスでも飲食店でも、 メニューはなんであろうと うつ病の人間が起業するのは マジでやめた方がいいです。 悪いこと言わないから副業にしときなって。 独立・起業というのは 素晴らしいアイデアでも 磨き抜かれたスキルでもなく とにかく精神力による戦いです。 何らかの時流に乗って一発当てたとして 調子よく売上が上がっている時は そりゃあ気分もいいことでしょう。 起業した人間が本当に試される瞬間というのは 経営が悪化したとき「もう後がないぞ」という状況で どれだけ踏ん張れるかというポイントにおいてです。 (ちなみにそういう「死線」を2~3回超えると  雇われとして生きていくことはほぼできなくなります) この土壇場での踏ん張りに 自分や自分の大事な人の 生活や命がかかっている状況で、 うつ病という病気は本当に相性が悪すぎるんです。 頑張りすぎてダメになってしまった人が 罹ってしまう病気こそがうつ病です。 うつ病抱えたまま起業するというのは 車に轢かれて足をフクザツ骨折した人間を 無理やり立たせてフルマラソン走らせるようなものです。 大きな負荷に耐えられない人は 出来るだけホワイトな企業を探して マッタリと会社員をやるか、 財産、責任など、持っている荷物を 全て手放したうえで療養し 公的な保障を受けることが最優先です。 ともあれ独立・起業は どうしようもなく折れてしまった人の 逃げ場などにはなり得ないのです。 むしろ逆だから。 またうつ病であってもうつ病でなくても、 起業したことによって明日をも知れぬ不安を抱えてしまい 夜も眠れないという悩みは私も指導している中でよく聞きます。 どうして安眠など出来ると思ったのか。 私だって起業してからこの方、 一夜たりとも安眠できた日なんかないですよ。 毎日毎日悪夢を見ています。 こないだHIKAKINさんも全く同じように 「ここ数年ガチで毎日悪夢しか見てません」 とか言ってましたっけね。 上手くいってようが上手くいってなかろうが これはしょうがないことなんです。 ネットビジネスやるにしても 起業するだけが全てではないです。 仮面社畜やりながら副業で続けてもいいわけです。 自分の得意なところ、不得意なところ しっかり見極めて自分に合った戦い方が出来るといいですね。 あ、そうそう。 今回は私のカレー屋「パンドラ麻生」が潰れた話でしたが。。。 私はこの他にもカレー屋でちゃんと リベンジを果たしています。 その話はまた後日。 したらな!

北村リュウ

北村リュウ

詳細なプロフィールはこちら https://ryu3web.com/profile

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