海辺で拾う石笛(磐笛)、自然が作った石のオカリナ
石笛がたくさん落ちている浜辺があると聞いて、千葉の海に行ってきました。
房総半島の東側、鴨川近くの浜辺。
石笛とは。
磐笛(いわぶえ)とも言います。
ニオ貝やカモメ貝といった、岩の中に住む穿孔貝の仲間が孔を開けた石が、笛になります。
こんな岩が砕けたのが
こんな石に。中には貝殻が残っています。
石笛は神を呼ぶとも言われ、神社に奉納されてる石笛はむやみに練習してはならないのだとか。
拾った石で練習たくさん練習してしまったけれど、海辺で一人で吹くのはちょっとこわいような気持ちになります。
尺八やケーナのように穴の縁に息を吹き込んで空気を振動させるエアリード楽器です。
フルートをやっている人もたぶん鳴らしやすい。
↑適度な大きさと深さで音が出しやすい。これも中に貝殻が残っています。
ニオ(鳰)ガイ、カモメ(鴎)貝、いずれも貝殻の形を海鳥の翼に例えているそうで、中程がふくらんだ形で穴の入り口より大きいので引っ張っても出てきません。
↑うまいこと音を維持しながら唇をスライドさせるとハーモニカ気分に。
笛っぽい形だと思って拾ったらこちらはなかなか優れものな石でした。
9つの穴のうち6つの穴が内部でつながっていて、穴を押さえたり開けたりで音階を変えられます。ドからラまで6音階、チューリップとか簡単な曲が吹ける!
自然が作った石のオカリナです。
このオカリナ石のような白っぽい石はシルト質の泥岩で、とても脆く落としただけで割れてしまいます。
細かく砕かれた石は粘土のようです。
粘土なので、焼くと土器になります。
土器の焼成温度は600〜900℃
窯を使わない野焼き、焚き火の温度です。
家庭の魚焼き器はかなり高温になるけど300-450℃でちょっと足りない。
バーベキューの炭火に埋めたり七輪を使ったりして作る人もいるようです。
今回は七宝用の小型電気炉810℃で焼いてみました。石はよく乾燥させます。
いきなり加熱した炉にいれたら一個爆発してしまいました。
今度は最初から炉内に石を入れて温度を上げていきます。
700℃になる前に、なんだか炉内でプツプツ泡が破裂するような音が聞こえてきたので一度蓋をあけて温度を下げ、音が消えてからまた加温。
割れずにできた土笛色々。
石を焼くと土器になるという神秘。
焼成時間は15分くらいです。
オカリナも焼いてしまった。
電源を切り忘れて数時間以上焼いたらかなり濃い赤色に。
でもこれは焼く前の方がかわいかったかなとちょっと後悔しました。
縮んで歌口がシャープになったので音は少し出しやすくなりました。
陶芸用の電気炉でさらに高温で焼いたら陶器の笛に変わるのか、いつかやってみたい。