血液凝固カスケード
外因系:Ⅲ、Ⅶ(3+7=10)
内因系:Ⅷ、Ⅸ、Ⅺ、Ⅻ
共通系:Ⅰ、Ⅱ、Ⅴ、Ⅹ(2×5=10)
鑑別疾患
※リバーロキサバン・エドキサバン:APTTよりもPTが延長しやすい
※ダビガトラン:APTTが延長しやすい
※アピキサバン:PT・APTTともに延長しにくい
検査
PTのみの延長の場合
✅薬剤性の除外(抗凝固薬やその他の薬剤)。
✅検査の再検(検査の不備や検体採取の問題の可能性)
✅DIC、肝硬変、肝不全の除外
生化学(AST、ALT、ALP、γ-GTP、コリンエステラーゼ、TP、Alb)、凝固(PT、APTT、Fib、FDP、D-dimer、ATⅢ)、腹部エコーなど
✅ビタミンK欠乏の診断
ビタミンK分画測定、PIVKA-Ⅱ(ビタミンK欠乏で上昇)、ビタミンK補充してみる、抗菌薬の使用や胆道系疾患の既往の有無の確認
✅第Ⅶ因子活性
低下している場合はクロスミキシング試験、第Ⅶ因子インヒビター測定
※凝固因子活性:低下している場合は凝固因子の欠乏、消費、インヒビター産生など
※クロスミキシング試験:正常血漿に患者血漿を混合する→凝固が延長する場合はインヒビターあり。
APTTのみ延長の場合
✅薬剤性の除外(抗凝固薬やその他の薬剤)
✅検査の再検(検査の不備や検体採取の問題の可能性)。
✅凝固(PT、APTT、Fib、FDP、D-dimer、ATⅢ)、RF、抗核抗体、IgG、IgA、IgM、vWF活性(リストセチン・コファクター活性)、第Ⅸ因子活性、第Ⅷ因子関連抗原(フォン・ヴィレブランド因子抗原)、第Ⅷ因子活性、第Ⅹ因子活性、第Ⅺ因子活性、第Ⅻ因子活性、ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗カルジオリピンβ2グリコプロテインⅠ複合体抗体。
✅血友病が疑われる場合はクロスミキシング試験とインヒビターの測定を行う。(Ⅷ因子のインヒビターが最も多い)
✅vWDが疑われる場合は血小板凝集能検査も追加。
※凝固因子活性:低下している場合は凝固因子の欠乏、消費、インヒビター産生など
※クロスミキシング試験:正常血漿に患者血漿を混合する→凝固が延長する場合はインヒビターあり。
PT、APTTともに延長
✅薬剤性の確認(抗凝固薬やその他の薬剤)
✅検査の再検(検査の不備や検体採取の問題の可能性)。
✅DIC、肝硬変、肝不全の除外。無フィブリノーゲン血症の確認。
生化学(AST、ALT、ALP、γ-GTP、コリンエステラーゼ、TP、Alb)、凝固(PT、APTT、Fib、FDP、D-dimer、ATⅢ)、腹部エコーなど
✅ビタミンK欠乏の診断
ビタミンK分画測定、PIVKA-Ⅱ(ビタミンK欠乏で上昇)、ビタミンK補充してみる、抗菌薬の使用や胆道系疾患の既往の有無の確認
✅RF、抗核抗体、IgG、IgA、IgM、vWF活性(リストセチン・コファクター活性)、第Ⅴ因子活性、第Ⅶ因子活性、第Ⅸ因子活性、第Ⅷ因子関連抗原(フォン・ヴィレブランド因子抗原)、第Ⅷ因子活性、第Ⅹ因子活性、第Ⅺ因子活性、第Ⅻ因子活性、ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗カルジオリピンβ2グリコプロテインⅠ複合体抗体、フォスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体。
✅血友病が疑われる場合はクロスミキシング試験とインヒビターの測定を行う。
✅プロトロンビン欠乏(非常に稀)を疑うならプロトロンビン活性やプロトロンビン抗原。
※凝固因子活性:低下している場合は凝固因子の欠乏、消費、インヒビター産生など
※クロスミキシング試験:正常血漿に患者血漿を混合する→凝固が延長する場合はインヒビターあり。
PT、APTTともに正常で出血傾向がある場合
✅抗血小板薬の投与や血小板数の確認。
✅老人性紫斑病、アッヘンバッハ症候群などの可能性
✅紫斑病の鑑別
✅出血時間の確認(Duke法、Ivy法)、血小板凝集能測定、毛細血管抵抗試験
✅第ⅩⅢ因子測定。
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