訪問看護ってきつい?給与&1日のスケジュール公開

ナース

今回は、訪問看護師として働いている筆者がメリットデメリット、1日のスケジュールと給与について紹介します

これから訪問看護として働きたいなぁと考えている方におすすめの記事となっています。

筆者はまだ訪問看護師として働いて半年程度なので、そのあたりも含め参考にしてみてください。

訪問看護と病棟の違い

まず初めに表題についてメリット・デメリットの形で述べていきます。

メリット

患者さんとの時間がたくさんとれる

訪問時間は利用者様の状態によって変わりますが、30分~1時間程度です。

病棟では一人の患者さんに1時間もかけるのは難しいですよね。

また、1時間は長いと感じるかもしれません。

しかし、情報収集~ケアまでとなると1時間でぎりぎりになることも。なれない家だと準備から片付けまで、また限られた物品で行わなければなりません

良くも悪くも、途中でナースコールが鳴ることもなくゆっくりと目の前の利用者様に集中できます。

利用者様主体のケアが提供できる

訪問看護の例えとしての言葉で、「私達は利用者様の伴走者である」というものがあります。

病棟では、患者様の意思より疾患の治療が優先になることがしばしばありますよね。

在宅では、完全に患者様が主体です。

本当は〇〇すべきなのに、と思っても利用者様が希望されていなければ行わないということも。

何ヶ月、何年もかけて信頼関係を築いてようやく行動変容まで漕ぎ着けられたり…

病院よりサービス業としての側面を強く持っているなとしばしば感じます

自分で判断、自分の看護ができる

ケースにもよりますが、訪問先には一人で訪問します。

ステーションによって違いますが、受け持ち制のところがほとんです。

このため、継続して同じ看護師が一人の人へ看護を提供することになります。

看護観の違いで衝突することは少ないと感じます。

後に述べますが、これがデメリットとなることもあります…

利用者さんの生活を学べる

病院勤務だと、患者さんが家に帰ってどのように生活しているのか想像し難いところもありますよね。

こんな患者さんが独居で生活をしているの!?と驚くこともしばしば。

訪問看護では、当然ながら在宅の利用者様を目の当たりにします。

もしもまた病棟に戻ることがあれば、今の経験はとても役に立つと思います。

デメリット

とにかくリスクだらけ

一人で行動、一人で判断の訪問看護師。

もしも利用者様に、〇〇さんがあれを盗ったと言われたら?

自分の判断が間違っていたら?

自分の無実を確実に証明できるでしょうか?

判断に迷うときは、その場で医師や同僚看護師に相談できます

でも、今現場で利用者様を目の当たりにしてるのは自分自身だけですよね。

また、次の訪問が一週間後なんてことも。

病院よりも長い目で、かつ予防的に利用者様を看ていく必要があると感じています。

知識と技術が古くなる

大病院では患者様に最新の医療や技術を提供しています。

一方在宅では最新の医療は難しいこともありますよね。

どれだけ机上で学習しても、実践できない分どんどん知識が古くなっていくなと感じます。

なかには、一旦病院に戻ってまた訪問看護に戻るという看護師もいるそうです。

休みにくい

日々スケジュール通りに動く訪問看護師。

自分しか訪問していない利用者様もいらっしゃいます。

突然休んで全く知らない人が訪問すると、利用者様にも同僚にも迷惑をかけてしまいます。

筆者は小さい子どもがいるので、突然の発熱時などは夫や親に休みを取ってもらうこともあります。

ステーションによるのかもしれませんが、祖父母や夫に頼れず、小さい子どもがいるナースには働きにくい環境だと感じます。

業務を覚えるのが大変

利用者様それぞれの家のルールがあります。

物品の位置や使い方。主治医はだれか、ケアマネージャーはだれか。

家への入り方、チャイムを鳴らしてもいいのかダメなのか…

細かいところまで把握する必要があります。

筆者は、慣れるまでは確認と緊張の連続でした。

一日のスケジュール

8:30~朝礼・申し送り

昨夜の緊急コールや、状態が変わった利用者様がいれば共有します。

緊急コールは、自分が担当じゃなくても訪問する場合があります。

急変リスクの高い利用者様やコールの多い利用者様を把握しておく必要があります。

9:00~12:00 訪問

ステーションによりますが、私の勤務先では1時間に1人の利用者様を訪問します。

つまり、午前中は3人の利用者様を訪問することになります。

12:00~13:00 お昼休憩

事務所に戻ってお昼休憩をとります。

主任に報告をしたり、ケアマネージャーや家族に電話で連絡をしたりします。

これは、報告の合間にできることもあります。

13:00~17:00 訪問

再び訪問に出ます。

だいたい最終の訪問は16:00~17:00となります。

午後は4人の利用者様を訪問します。

一番多くて一日に7件の訪問があります。時折一時間程度の空き時間もあるので、そこで報告書を作成したりします

私の勤務しているステーションではiPadで電子カルテ入力ができるので、訪問先や5分のスキマ時間でカルテ入力をしています。

17:00~17:30 記録&雑務

カルテ入力したり、事務作業などを行います。

FAXがとにかくたくさん来るのと、電話対応も多いです。

私の勤務先では連絡事項をLINE WORKSで共有しており、そこに共有すべき文章を流したりしています。

給与&残業

まずは気になる給与から。

給与

平均給与は以下の通りとなっています。

参照:https://www.kango-roo.com/career/guide/article/56

訪問看護の特徴として、前職の経験はそこまで給料には関与しないとのこと

このため20代でも50代でも大きく年収に差はありません。しかし、50代では管理職として働く方もいるためすこし水準が高くなっているようです。

緊急コール手当(だいたい1,000~3,000円)など手当もあります。

私の勤務先では住宅手当15,000円も支給されています。

パートの給与は以下の通り。

病棟パートナースの全国平均給与は1,776円なので、ナースとしてはやや高い方と言えますね。

残業

2014年の※「訪問看護実態調査報告書」によると、フルタイム勤務(正社員)の訪問看護師の場合、1カ月間に81.9%のスタッフが超過勤務をしたことがわかっています。また、その平均超過勤務時間は13時間27分であり、超過勤務の業務内容の割合は「記録・報告書の作成」が69.2%と最も高く、次いで「緊急の訪問」が41.4%、「他職種・他機関との連絡調整」が39.8%となっています。

(※参考)公益社団法人 日本看護協会 医療政策部「2014 年 訪問看護実態調査 報告書 」

病棟の残業時間平均が以下の通りです。

2008年に日本看護協会が行った看護職員調査(病院勤務の10,000人に調査票を送付、有効回答3,010)によると、月の時間外労働は以下のような分布となっていました。

10時間以下:34.1%
10~20時間以下:25.0%
20~30時間以下:17.6%
30~40時間以下:9.1%
40~50時間以下:6.4%
50~60時間以下:3.4%
60時間以上:4.3%

看護職員調査

体感としては、病棟の残業時間は上記より長いです。おそらく、委員会活動や病棟会勉強会は含まれていないと思います。

私の主観ですが、訪問看護のほうが残業時間は短いです。

まとめ

いかがでしたか?

訪問看護、挑戦して見たいけど実態が分からず不安な方に役に立てたら良いなぁと思っています。

訪問看護、私自身はまだまだ新米で右往左往しています。

しかし、やりがいもあり楽しい点もたくさんありますよ!

人手不足なこの業界。みなさんと同じ道で働けたら嬉しいです。

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