かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

不確実だから幸せってこともある

投資界隈では、株価のボラティリティは、まあ、あまり歓迎される要素ではないですね。少しずつでいいから、ずーっと右肩上がりだったらよいのに、と思わないでもない。時々とっぴな高値や低値になるだけじゃなくて、上がるかと思ったら下がる、底だと思ったら地を這うようにまったく上がらない、天井かと思って売ったらまだまだ上がる。まったく予測がつかない。翻弄される。

再びマドフ氏の本「まぐれ」P309。あとがきから

<例1> 通勤時間の長い友人と都心で夕食を共にする。通勤時間が長い上に目的の自宅近くまで行く電車は35分に一本だ。夕食の途中で、次の電車の発車10分前になる。これを逃したら45分駅で待つことになる。友人はそそくさと食事を片付けると、駅へ猛ダッシュ
ここで電車の発車時刻がランダムだとするとどうなるか。大体35分間隔だ。友人はゆったりと夕食を楽しみ、駅に向かうだろう。どうせ最大待っても17分30秒なのだから。

<例2> 人間は予定に縛られるようにできていない。目覚まし時計を使うのをやめ、自分の体内時計に従うと、起きる時間はだいたい同じ。時には目覚ましに従わなければならない活動もあるけれど。自然と早く寝るようになり、寝る前に分単位で最適化を図ろうとしなくなる。

<例3> 記事や論文の執筆依頼が来る。「どれくらいの長さになりますか」と聞かれる。途端に楽しくなくなる。書いていいのは長さが予測できない時だけだ。先祖たちには、アウトライン、予定表、管理用の締め切りもなかった。

<例4> 二国間でも対人間でも行動に予測できない所があると役に立つ。ちょっとした冗談にもオーバーに反応することをランダムに取り入れると、いつキレるか予測できないあなたを怖れるようになる。国同士でもちょっとした間違いにランダムで騒ぎ立てると「あいつらは頭がおかしい」と思われて強力な抑止力になる。これが予測可能な一貫性のある行動をとったらどうなるか。相手はあなたがキレるぎりぎりの線まで来て引き返す行動を繰り返すことになるだろう。

<例5> 自分の死ぬ日を知りたいですか。(これはあとがきではでてきません)

いやあ、あとがきでもすごいですね。
時間の無駄なく最適行動をとろうとすると、逆に縛られてストレスがかかる。あらかじめ長さの決められた文章だと書く気がしなくなってくるとか。リタイア人やブロガーに言ってるんじゃないかと思いましたよ。
まさか不確実性が私たちの本来の性質に寄り添ったもので、幸せに役立つものだとは思いもしませんでした。