かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

パンドラの箱を開けたのかもしれません

最近のFIREブームですが、若干の危うさも感じるこの頃です。
年間生活費=投資資産×4% になれば、FIREできるぞ、って早合点している人たちもいそうです。
投資資産の価値増加が、年率4%以上でずっと続くというわけではない、否、それはあり得ない。キャピタルゲインの成長は大きなプラスマイナスの波に翻弄されるし、配当だけで4%分が確保できるのならそれなりに堅実だとは思いますが、配当性向40%、PER14倍、源泉税率20.315%、年間生活費240万円とすると、
240÷(1-0.20315)÷0.40×14=10,541万円 投資資産残高がないといけない。
しかも配当がいつでも同じように得られるという保証はないですね。

確かに、組織の劣化といいますか、会社にいると心因性の病気になりそうな気配の増大と言いますか、そうした息苦しさの時代への変化の趨勢を感じ取って、言葉は悪いですが溺れる者は藁をもつかむ心境で、FIREという手段にすがりたい、という人の前で、選択肢を提示してしまった、ニーズにぴったりはまってしまった状況とも解釈できます。

しかし、私も下っ端管理職になる前は、ある程度気楽でいられたし若いころはもっと鈍感で一晩寝れば「まっいいか」と思える復元力があったような気がします。年齢によるものか平社員という身分によるものか、いずれから来たものかわかりませんが。

私が若いときに「FIREっていう選択肢があるよ」って言われたらどうしたでしょうか。やっぱり投資に全力でお金を突っ込んで、ぎりぎり4%で回りそうな資産残高になったらさっさとやめていたのか、それとも「まっいいか、ちゃんと給料もらえているし」とストレスと天秤にかけてもやめない方へ傾いていたのか。

わかりません。

FIREには1億円必要だよ。
いやいや5千万円でいいんじゃない。
3千万円でも大丈夫でしょう。
生活費切り詰めれば2千万円でもいける。
ちょっと休んでから、時々働けば1千万円でもいけるんじゃないかなあ。
若ければ若いほど「やり直し聞くよね、とりあえずやめてみてもいいかな」
って思うかもしれません。
退職金制度はどんどんなくなってきているし、中高年はリストラされるし、かつてのように、真面目に勤めていれば定年までいられて退職金も出る、という計算が成り立たなくなってしまいました。

時代の転換点にたまたま出くわして、本当にたまたま少しだけ早く辞めた私は、若者の特権である、向こう見ずな行動をはらはらしながら、説教臭い態度で見守っているように見えるのでしょうね。