・・・・・・・っということで、昨日見た映画【心と体と】から得た感想。
アスペルガー症候群の女と、老齢に差し掛かった男が言葉少なく会話します。
直接的な言葉は使いません。
二人は、数少ない言葉を手がかりに、さまざまな解釈を加えて、相手の心を読み合います。
言葉以外に、相手のしぐさ、表情から本心を探ろうとします。
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鹿のオスとメスが出てきます。
当然、言葉を話しません。
でも、肝心なことは相手に伝わっています。
その挙動からもそうですが、目による会話をしていることがよく撮られています。
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加工工場で屠殺される牛が出てきます。
不安そうな目をしています。
死んだ後も目を見開いています。
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男の本心を掴み損ねた女性が自殺しようと、湯船の中で手首を切ります。
そんな真っ只中に、男から携帯に電話かがかかってきます。
女性は死ぬ間際なのに、何事もないように意味もない会話を交わします。
男はただ声を聞きたかっただけと言って、電話を切ろうとします。
女も切ろうとする寸前に、男が「愛している」と呟くのです。
何でもっと早くそれを(直接的な言葉を)言わないんだよ!と思いますが・・・。
それを聞いた女は、手首を止血します。
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最後に二人はベッドで交わりますが、女は目を開けたままです。
その目には今までにない光が宿っています。
【心と体と】以上に、言葉について考えさせられました。