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図表
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記者会見
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全文
2.経済の現状と展望
(1)経済情勢と回復メカニズム

各種経済指標の解釈には従来以上に注意を要します2。そのことを念頭においてわが国の経済の現状をみると、感染症による下押し圧力から、家計部門を中心に引き続き厳しい状態にあります(図表1)。

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2 具体的には、①前年の経済活動や物価水準が大きく低下した反動から、今年の経済成長率や物価上昇率が計算上高くなること(ベース効果)や、②相対的に低賃金の労働者が失業することで、平均的な賃金が見かけ上上昇すること(構成効果)などには留意が必要です。こうした現象は、例えば次の講演にあるように、他国でも指摘されています。Bailey,A., 2021,"It's a Recovery, but Not as We Know It," speech given at the Mansion House, July 1,https://www.bankofengland.co.uk/speech/2021/july/andrew-bailey-speech-at-the-mansion-housefinancial-professional-services-event.

(略)

前向きな循環メカニズムがしっかりと働くかどうかです。すなわち、内外需要の増加が企業や家計の所得の拡大につながり、それがさらなる支出の増加を促すかどうかです(図表2)。


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(略)

デフレ期には、消費や投資スタンスの後退による支出の先送りが所得の減少をもたらし、それがさらなる支出の減少につながるという悪循環が続きました。そうした悪循環には 2013 年の「量的・質的金融緩和」の導入によって終止符が打たれ、その後は、所得と支出の間で好循環が働く中で、曲がりなりにもデフレではない状況が実現してきました。
(2)企業部門と家計部門の現状

日本銀行の短観における企業の事業計画をみても、本年度は、設備投資のしっかりとした増加が計画されています。

失業率も、このところ3%程度と、感染症拡大前に比べ高めの水準で推移しています。休業者を考慮した失業率は6%、さらに潜在労働力人口を考慮した失業率(未活用労働指標4)は 7.3%に上っております3。

3 これらの失業率の違いについては、以下を参照して下さい。総務省統計局『労働力調査(詳細集計)』。

(略)

「量的・質的金融緩和」の開始以降、実質賃金が上がっていない、という意見がありますが、実態を正確に理解するには構成効果を考慮する必要があります。例えば、景気が回復すると、これまで雇用されていなかった賃金水準の低い新規労働者が雇用されますので、平均賃金には切り下げる力が働きます4。そのため、景気回復局面でも一人当たり名目賃金は、見かけ上伸び悩みましたが、足もとでは、前年の落ち込みの反動や、賃金水準の低いパート労働者の比率の低下に加え、人手不足感の強い医療・福祉業などでの賃上げの動きもあって、前年比プラスとなっています。もっとも、雇用形態の構成変化の影響が小さい一般労働者の所定内給与をみても、足もとでは前年比のプラス幅が拡大しています。この結果、雇用者数と賃金を掛け合わせた雇用者所得は、足もとでは持ち直しに転じています(図表5)。

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4 より正確には、実質賃金を計算するには、①雇用形態の変化と、②労働時間の変化を考慮しなければなりません。『賃金構造基本統計調査』は、正規社員と、非正規社員やパートなどの短時間労働者を区別しています。これによって、一人当たりの実質賃金により近いと考えられる実質時給を計算すると、「雇用期間の定めがない正規社員」の実質賃金は、2012 年から 2019 年にかけて 4.5%上昇し、「短時間労働者のうちの非正規社員」の実質賃金は同期間中に8%上昇したことが分かります(岩田規久男『「日本型格差社会」からの脱却』光文社新書、2021 年、192-193 頁)。ただし、この統計は年一回しか公表されないため、賃金動向をリアルタイムで追跡するには頻度が低いという欠点があります。
(3)先行きを見通すうえで重要な二つの「待機資金」と「予想」

前向きの循環が、企業部門だけでなく家計部門へも拡がっていくことが期待されます。そのうえで、さらに経済全体の回復が力強さを増していくためには、家計部門、企業部門それぞれで「待機」している資金の動向がきわめて重要なカギを握ると考えています。

(二つの「待機資金」)

まず、家計部門の待機資金についてです(図表6)。感染症の拡大以降、家計部門では、外出の制限などから本来の消費機会が失われたことや将来の不確実性により貯蓄が増加する中で、経済対策による給付金の支給も加わり、手元資金が大きく積み上がっています5。

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5 家計の待機資金に関しては、『経済・物価情勢の展望』(2021 年4月)のBOX3「ワクチンの普及と個人消費の先行きについての考え方」
(https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2104b.pdf)も参照して下さい。

(略)

企業部門でも、家計部門ほど顕著ではありませんが、このところ待機資金が積み上がっています。わが国企業は、デフレ期以降、企業収益との対比で設備投資を抑制する傾向がみられ、貯蓄が投資をはっきりと上回る状態が長らく続いてきました。こうした企業部門における貯蓄超過傾向は、「量的・質的金融緩和」の導入以降、和らいでいましたが、感染症の拡大以降、資金繰り面を含む先行き不確実性の高まりもあって、再び貯蓄の超過傾向が強まり、手元資金は積み上がっています。

(二つの「予想」)
以上のように、待機資金が実際の支出に向かい、支出性向が高まるためには、企業や家計が将来の経済や物価について明るい予想を持つことが重要です(図表7)。

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今回のパンデミックという世界的危機に際して、各国の政府・中央銀行が、わが国も含めて、きわめて迅速かつ前例のない規模で、財政・金融両面の政策対応を実施したことが大きく影響していると考えています(図表8)。実際、機動的な政策対応により、企業や家計への資金の流れは確保され、企業における事業や雇用の継続は強力に下支えされました。

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(4)物価動向 経済情勢の最後に、物価動向について一言触れておきます(図表9)。

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先月、消費者物価について、5年に一度の基準改定が行われ、本年春以降の前年比が約▲0.7%ポイント下方に修正されました。これは、携帯電話通信料の引き下げの影響がより大きく現れたことが主な理由です7。物価の「実勢」を捉えるためには、携帯電話料金の変更やエネルギー価格の大きな変動といった一時的要因を取り除いてみることが適当です。それによると、消費者物価は基準改定後も小幅なプラスで推移していることが分かります。これも冒頭に述べた経済指標の解釈の難しさの一例になりますが、物価指標の動きの背後に ある要因も含め、関連データを注意深くみていく必要があります。
3.中央銀行の今日的課題
(1)気候変動問題への対応

2017 年 12 月から「気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS10)」という団体を結成しており、日本銀行も 2019 年 11 月から参加しています。また、イングランド銀行(BOE)、欧州中央銀行(ECB)といった中央銀行は、気候変動問題への政策的対応に取り組み始めました11。

11 BOEの対応については、以下を参照して下さい。
https://www.bankofengland.co.uk/climate-change.
ECBの対応については、以下を参照して下さい。
https://www.ecb.europa.eu/ecb/climate/html/index.en.html

そもそも気候変動問題は、グローバルな市場の失敗と考えることができます。経済活動に伴って温室効果ガスが発生します。このガスが気候変動を引き起こすのであれば、経済活動はいわゆる負の外部性をもたらします。

(略)

中央銀行が気候変動問題に対応すべきかどうか、対応するとしたらどのように行うべきかについては議論があり、経済学者の間でも、意見は分かれています13。

(略)

広島県でも、2018 年7月や先月の集中豪雨で多数の方が被害に遭われたことは記憶に新しいところです。もっとも、気候変動の自然科学的根拠については、世界中でさまざまな科学者により研究が行われ、議論が続いているところです15。

(略)

自然災害の件数は世界的にみて増えているようですが、自然災害関連の死者数は減少しています(図表 11)16。他方で、「何もしないリスク」もあります。現在行動をしないことで、今から 20 年、30 年後に大きな負の影響が明らかになったり、増すかもしれません。これは「時間的地平の悲劇」と呼ばれるものです17。

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15 科学的知見は随時改訂されています。本年8月に公表された『気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書第I作業部会報告書(自然科学的根拠)』では、強い熱帯低気圧(カテゴリー3~5)の世界における発生割合は過去 40 年間で増加しており、内部変動では説明できない、すなわち人為的な結果である可能性が高いと、以前の評価を変えています。ただし、すべてのカテゴリーの熱帯低気圧の発生頻度の長期的な傾向については、研究の確からしさは低いと評価しています
(https://www.ipcc.ch/report/ar6/wg1/downloads/report/IPCC_AR6_WGI_SPM.pdf)。

16 もっとも、1970 年代以降で自然災害の件数が増えているのには、統計の精度が向上したこともあると考えられます(乾友彦「自然災害と経済成長」、『経済セミナー』、2019 年2・3月号、22-25 頁)。
17 この言葉が普及したきっかけは、以下の講演です。Carney, M., 2015, "Breaking theTragedy of the Horizon: Climate Change and Financial Stability," speech given at the Lloyd's ofLondon, September 29, https://www.bankofengland.co.uk/speech/2015/breaking-the-tragedy-of-thehorizon-climate-change-and-financial-stability

(略)

中央銀行もその使命の範囲内で気候変動問題への対応を行うことは可能であり、それは使命からの逸脱ではありません。ただし、その場合も、政府との適切な連携・分業がきわめて重要になります19。

19 以下を参照して下さい。Nordhaus, W., 2013, The Climate Casino: Risk, Uncertainty, andEconomics for a Warming World, New Haven and London: Yale University Press(藤崎香里訳『気候カジノ:経済学から見た地球温暖化問題の最適解』日経BP社、2015 年)。
(2)物価の安定

日本銀行の気候変動対応は中長期的な物価の安定の実現を目的としています。とはいえ、日本銀行はより喫緊の課題としての物価の安定の実現と、デフレ脱却をないがしろにしている訳ではありません。

現在、変動相場制で資本移動の自由を許容する国・地域では、インフレ目標を採用する中央銀行が増えています。資本移動の自由を許容して自律的に金融政策を運営する場合、為替相場は変動せざるを得ません(図表 13)。

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(略)

日米欧の中央銀行は、2%という目標値に対するコミットメントを再確認ないし強化し、中央銀行間で政策枠組みの収斂が一段と進みました。さらに、日米欧いずれの中央銀行も、低金利政策を続けており、各国・地域間での金利差は安定的に推移しています。これらの結果として、米ドル、ユーロ、円の為替相場の変動率は近年低下しています(図表 14)。

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当初インフレ目標はインフレ率を抑えるためのものであり、デフレからの脱却にはなじまないという解釈が流布していました。実際には、2000年代においても、インフレ目標を採用している中央銀行は、インフレの実績値が目標値を下回れば金融緩和政策を行っておりました。さらに、感染症の影響でインフレ率の実績値が下がった時点でFRBが平均インフレ率目標を採用し、ECBが2%を上下に対称的なものとして再定義しました。

(略)

ただし、各国中央銀行の金融政策の枠組みが収斂しつつあることは、その時々に取るべき具体的な政策がどこでも同じになることを意味しません。仮に米国で、物価上昇率が目標の2%を超え、平均インフレ率目標も実現され、金融の引き締め局面に入ったとしても、それを理由として日本銀行が金融政策を調整することはありません。あくまで日本銀行の目標はわが国において2%の「物価安定の目標」を安定的に達成することです。

(略)

1960 年代後半からの大インフレの歴史が教えるように、国内需要の持続的な拡大がない限り、コストプッシュ要因だけで持続的なインフレになることはないというべきでしょう21。

21 大インフレは 1970 年代の石油ショックの前から始まりました。例えば、以下を参照して下さい。Meltzer, A. H., 2010, A History of the Federal Reserve, Volume II, Book 1, 1951-1969,Chicago and London: The University of Chicago Press, pp. 667-681. 若田部昌澄『危機の経済政策:なぜ起きたのか、何を学ぶのか』日本評論社、2009 年、73-126 頁。Bordo, M. D.,and A. Orphanides, eds., 2013, The Great Inflation: The Rebirth of Modern Central Banking,Chicago and London: The University of Chicago Press.
(3)金融システムの安定

物価の安定には金融システムの安定が欠かせないという考え方があります。もっとも、物価の安定と金融システムの安定は、双方向的なものです。例えば、物価や資産価格が下がるデフレの状態では、実質金利が上がって投資は抑制され、企業の実質的な債務負担は増し、金融機関の信用コストは増えることになります22。物価の安定は金融システムの安定にも資するのです。また、金融システムからの警告をいかに読み取り、金融政策に反映させるかは、現在進行形の課題です。『金融システムレポート』で示しているヒートマップや、GDP at Risk といった指標はありますが、情勢判断の際、こうした指標を解釈するうえでは、その時点での経済金融環境に関する他の情報も勘案する必要があります23。

22 そもそもは米国の経済学者 I.フィッシャーの「大不況の債務デフレーション理論」に遡る考え方です(Fisher, I., 1932, Booms and Depressions: Some First Principles, New York:Adelphi および Fisher, I.,1933, "The Debt-Deflation Theory of Great Depressions," Econometrica,1(4), pp. 337-357)。現代における定式化としては、Bernanke, B. S., 2000, Essays on the GreatDepression, Princeton: Princeton University Press, pp. 84-89(栗原潤・中村亨・三宅敦史訳『大恐慌論』日本経済新聞出版社、2013 年、91-97 頁)が著名です。1990 年代日本の不良債権問題に応用した研究としては、以下の論文があります。大西茂樹・中澤正彦・原田泰「デフレーションと過剰債務」、『フィナンシャル・レビュー』、2002 年 12 月、143-177 頁。

23 GDP at Risk とは、「先⾏きX年間の実質GDP成長率は、Y%の確率で、Z%以下に低下する可能性がある」という視点から景気変動に関するリスクを定量化するもので、各国中央銀行、国際機関が採用しています。日本銀行では、『金融システムレポート』2018年 10 月号から結果を公表しています。
5.おわりに

気候変動問題への対応を考えるに当たって重要なことは、経済成長との両立を目指すことです。経済成長は平均寿命の延長など、人類に多大な果実をもたらしてきましたし、自然災害の発生の少ない脱炭素経済に移行するには、経済に十分な余裕がなければなりません。また、脱炭素経済を実現するには現時点では存在しないか、費用対効果の観点から現在では利用されていない新しい技術が必要です27。

(略)

気候変動問題への対応を考えるに当たって重要なことは、経済成長との両立を目指すことです。経済成長は平均寿命の延長など、人類に多大な果実をもたらしてきましたし、自然災害の発生の少ない脱炭素経済に移行するには、経済に十分な余裕がなければなりません。また、脱炭素経済を実現するには現時点では存在しないか、費用対効果の観点から現在では利用されていない新しい技術が必要です27。

27 Gates, B., 2021, How to Avoid a Climate Disaster: The Solutions We Have and the BreakthroughsWe Need, New York: Penguin Random House, pp. 198-205(山田文訳『地球の未来のため僕が決断したこと:気候大災害は防げる』早川書房、2021 年、265-278 頁)。Lomborg, B., 2020,False Alarm: How Climate Change Panic Costs Us Trillions, Hurts the Poor, and Fails to Fix thePlanet, New York: BasicBooks, pp. 167-183.

28 技術革新は通常、機械設備やソフトウェアといった資本に体化されて実現します。戦後日本経済の歴史を紐解くと、経済成長がエネルギー効率性の向上を促進してきました。ことに効率性の向上が一番大きかったのは、1955-73 年の高度経済成長期でした(野村浩二『日本の経済成長とエネルギー:経済と環境の両立はいかに可能か』慶應義塾大学出版会、2021 年)。
記者会見
若田部副総裁の見解抜粋
日本銀行に対しては、金融政策運営にあたっては、中小企業の実態に十分配慮して、ソフトランディングを心掛けてほしいとの意見がありました。また、金融界の方からは、7 月に骨子素案を公表した「気候変動対応を支援するための資金供給」について、有効に活用していきたいと考えているので制度設計について引き続き対話をお願いしたいとのお話もありました。

(略)

長い目でみての課題については、私からは講演で、人口減少や少子高齢化ということが課題ではありますが、それが少し過大評価されているのではないかというお話を致しました。これについては、国際比較でみたとき、あるいは広島県の状況でみたときに、人口減少が必ずしも経済の縮小につながっていないということを申し上げました。

(略)

産学官金による積極的な投資と、各種の技術・制度・政策イノベーションが欠かせないというお話をさせて頂きました。この点、講演でも紹介しましたが、当地においては、まさに産学官金の連携による地域活性化への取り組みが活発であるように見受けられます。
(問)気候変動と物価の関係について

(答)気候変動に対して、何か政策アクションをしたとしても、すぐに効果が出るかという意味では、中長期的な対応が迫られるということだと思いますが、おっしゃったように、確かに短期的においても、気候変動の、例えば物理的リスクや移行リスクが、物価や経済に下押し圧力になることは当然あり得ると思います。

(略)

普通のマクロのモデルで考えても、需給ギャップの部分が、一時的に更に供給超過といいますか下押しされると、その限りにおいては物価に対して下押し圧力が働き得るということです。

私も今起きている集中豪雨が気候変動によるものかどうかについて、確実に申し上げるだけの知見はありませんが、ただ、色々と起きている自然災害なり、物理的リスク、そしてこれから考えていかなくてはならない移行リスクが、需給ギャップあるいは予想インフレ率を通じて物価の安定に影響することは、十分考えられると思います。
小括
今回、国際政治にも触れている。

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記者会見は、相変わらず講演内容を読めば事足りるところが多い。アフターコロナで、想定している循環メカニズムどおりに経済が廻るかどうかが問題だと思われる。コロナ禍の今、理論どおりにいかないことが多いと推測できる。

逐次対応が優先され、理論を試すことができる段階ではないのではないかと、筆者(@manetary)は推測している。

最後にではあるが、今回の講演内容は、そのまま新書の良書になり得る内容だと思われる。






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