あなたサマーサマー!コミカルなお願い3部作。
ヒデキの妹、秀美の愛らしさ爆発曲!
石川秀美は、82年に「西城秀樹の妹」オーディションで選ばれて、歌手デビュー。
選考にあたっては、パンチの効いた秀美の歌声を気に入ったヒデキが強く推したそう。
そんな秀美のブレークポイントになった曲は、4枚目のシングル「涙のペーパームーン」。妖精ティーンカーベルに「ときめく想いを伝えて!」と好きな男子への伝言を願う、明るく可愛らしいポップナンバー。
続く5枚目「Hey!ミスター・ポリスマン」は、約束の時間にデートの待ち合わせ場所に現れない浮気な彼氏を、警官に「探して!」と頼むブッ飛んだ曲。15万枚を売り上げ、秀美最大のヒット曲になった。
「恋はサマー・フィーリング」は、それに続く6枚目のシングル。
夏休みなのに何の誘いも寄こさない彼氏に、自分から「海に行こうよ!」と誘いを仕掛けるカラッと明るい夏休み歌謡。
「日に焼けた友達が海に行ったと話してる」「白い砂 背中にかけたらくすぐったいわよネ、ネ!」と、秀美はあの手この手で彼氏を海に誘う。
そして、最後は「サマー!サマー!あなたサマサマー!」と、もはやダジャレ混じりの懇願でトドメを刺すのだった。
結局、秀美が彼氏と海に行けたのかは、この曲では語られない。
が、歌番組で真っ白いサマードレスとコミカルなモンローポーズで歌う秀美の姿は、この上なく愛らしく、この曲で秀美はトップアイドルへと駆け上った。
この「お願い!3部作」を経て、7枚目「バイ・バイ・サマー」から、秀美の曲は徐々にシリアスなオトナ路線に変更。12枚目の「ミステリーウーマン」からは、かなりロック色の強い楽曲にチャレンジ。ボーカルも次第にパンチが強くなり、ヒデキのようなロック曲を歌いたい、という夢を叶えて行った。
が、楽曲のロック色が強まるごとにシングル売上は減少。
本人の意向とは異なり、ファンが聴きかったのは、パンチの効いたボーカルであえて明るくコミカルに歌う「お願い3部作」の方だったかもしれない。
「恋はサマー・フィーリング」
作詞:伊藤アキラ
作曲:森田公一
編曲:萩田光雄