ねこ探検家ベッチー

ロン毛の探検家、ベッチー。通称「ベッチー」。BBともいわれる。ちんちばぺるちゃ猫。

ひとりの時間

f:id:becchiy:20211129152300j:plain

わしは、ねこ探検家ベッチー。通称「ベッチー」。
ちまきでは「ベッチー」でとおっている。
本名は「ベッチー」。おんとし1さい。ぴちゃぴちゃのギャル。
わしの家族は「しいかあさん」と「みいかあさん」と犬探偵の「ゾーイ」と後輩猫の「あめ」。
 
 
平和
わがやは平和。
人間の番、みいかあさんとしいかあさんは仲良くている。
しいかあさんは、筋トレをさぼっていて、からだがだんだんしぼんできているし、おなかまわりに肉が付き始めて、素敵。
みいかあさんは、庭で土をほったり、埋めたりしている。
埋蔵金でも探しているのか。
子分猫の「あめ」は、毎朝ジョギングしている。
犬探偵ゾーイは、前よりちょっと元気になったり、元気がなくなったりしている。
3歩進んで3歩下がっている。
 
平和。ザ・平和。ジ・平和。
 
天気も良い。
そとからは、鳥の鳴き声と人間のこどもがはしゃぐ声が聞こえてくる。
庭の木が、そよ風に揺れて、YMCAの振り付けみたいな動きをしている。
平和。平和になると、探検家、ベッチーはちょっとひとりになりたくなる。
 
—探検家には、そういう時間がときどき訪れる。
完璧な絶望が存在しないようにね。—
 
村上春樹の言葉をあとにくっつけるとそれっぽくなるかと思ったけれど、あんまりならなかったみたい。やれやれ。
 
ひとりの時間

f:id:becchiy:20211129152426p:plain

わしが、ひとりになれる場所は決まっている。
しいかあさんの高い机の上だ。
ここに登るのは大変で、子分猫の「あめ」はついてこられない。
ましてや犬探偵ゾーイなんて二階にもあがれない。
しいかあさん部屋は2階にあるのだ。
この場所にあがるには、まずは低い机にジャンピングする。
「あめ」はここにも登れない。
そこから、距離およそ5メートルはあるであろう高い机まで、わしはさらにジャンピングする。
着地が大変で、わしのあしは毛だらけなので、滑って落ちそうになる。
するとしいかあさんが、きゃっちしてとめる。
やれやれ。
こうして、わしは、ひとりになれる場所を手に入れる。
なかなか大変なのだ。
わしがひとりで、のんびりしてる間、しいかあさんは、この黒いポチポチを押し続ける遊びをずっとやっている。
かれも暇なのだろう。やれやれ。
することなんて、なにもないのだ。やれやれ。
 
おもうこと

f:id:becchiy:20211129152607p:plain

ひとりの時間をすごす、わしはいろいろなことを考えたり、考えなかったりしている。
かぜ、月、朝、夜、朝ごはん、家族の風景、朝ごはん、さいきんおもちゃで遊んでもらっていないこと、夜ごはん、辻仁成、夜ごはん、おなら、夜ごはん。
ごらんようにさまざまなことを考える。
そう、わしは哲学者。まるで。
 
哲学者って、やっぱりそれっぽいことを言うもの。
哲学者っぽいことをわしも言いたい。
 
“朝ごはんの来ない朝はない。夜ごはんが来ない夜がないようにね。”
 
どうお?
 
なぞはせかいにちみちみている。1つずつときあかしていこう。
探検家ベッチーことベッチーでした。
BB