この記事を見て頂きありがとうございます。
皆さまに読んで頂くことがモチベーションです(^^)
大分久しぶりの更新になりました。
それでも日に何名かアクセスして下さるのは、とても嬉しく、ありがたいです!
今後も不定期ペースで更新していきますが、気が向いた時に見に来て頂けると幸いです。
今回は『認知症の三つの分類』についてです。
タイトル通り、認知症の原因で分けられる三大認知症(レビー小体型、アルツハイマー型、脳血管性)のことではありません。
その分類は葛藤型、回帰型、遊離型の三つです。
認知症の原因ではないのなら、何による分類なのでしょうか?
それは現れる症状による分類です。
症状は大きく二つに分けられ、見当識障害(時間、場所などがわからなくなる)などの中核症状や、徘徊(一人歩き)や暴力などの周辺症状(BPSD)があります。
ちなみに、中核症状は認知症による直接的な症状で、周辺症状は中核症状によって起こる症状のことです。
これ以上の周辺症状、中核症状の説明はかなり長くなるので今回は割愛します。
この三つの分類は、その人が今なっている状況を的確に表し、症状によって分けることで、どのようなケアをすれば良いかの目安となります。
施設の介護士だけでなく、在宅介護をしておられる方にも少しでも参考になれば嬉しいです。
では、一つずつご紹介して参ります。
❶葛藤型
タイプ:理想の自分と現実の自分のギャップに苦しみ、受け入れられず葛藤している。
症状:暴力、物とられ妄想、情緒不安定
対応方法:特別な役割を持ってもらったり、
特別な人間関係を築いたり、いわゆる『特別扱い』する。※本人からそう見えるようにする
備考:現実と過去を行き来している
➋回帰型
タイプ:今の自分を受け入れられず、昔の『良かった頃の自分』に回帰している。
症状:見当識障害、徘徊、帰宅願望
対応方法:本人に見えている世界を否定しない。
長期目標は今の自分を認められる環境を整えること。
備考:完全に過去に戻っている
❸遊離型
タイプ:今の自分を受け入れられない上に、帰りたい過去もなく、自分の殻に閉じこもっている
症状:無反応、自閉、独語
対応方法:言語以外の感覚に訴えかけ、
現実に戻るきっかけを作る。(レクリエーション実施など)
備考:現実でも過去でもないところに行っている
以上が三つの分類になります。
これらを参考にケアをすると、今まで解決できなかった問題が解決するかもしれません。
また、認知症ケアで良く起こる勘違いとして、認知症による症状イコール『解決すべき問題』そう捉えている場合がありますが、問題は『症状が起こる環境』もしくは、『症状の裏にある不安や不満』です。
なので症状がなくなることが、その人の幸せ。ではなく、幸せになったら症状がなくなる。
そんな心待ちでケアをしていきたいものです。
もちろん常に認知症の方を分類できるわけではなく、混在型やどれにも当てはまらない型もあります。
型にはめて一律の対応をすることは、介護の基本である『個別ケア』という理念からも外れますので、あくまでも傾向を知る程度にお使い下さい。
次は実際に私が経験した三分類とその対応を書きたいのですが、記事が長くなりそうなので続きは後編に書きたいと思います。
後編に続きます。