マリの朗読と作詞作曲

古典や小説などの朗読と自作曲を紹介するブログです。
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野ざらし紀行・富士川

2021年11月20日 | 古典の朗読

 

 

急流で有名な富士川のほとり。

旅の途中の芭蕉は、

3歳くらいの捨て子が泣いているのに出会い、

食べ物を与えて去る。

詠んだ句は

  猿を聞く人 捨て子に秋の 風いかに

 

「いかにぞや、汝、父に悪(にく)まれたるか、

母にうとまれたるか。

父は汝を悪むにあらじ、母は汝をうとむにあらじ、

唯これ天にして、汝が性のつたなきを泣け。」

 

野ざらし紀行・富士川

 

何があったのだ。

おまえは父に憎まれたのか、母に疎まれたのか。

いや、父はおまえを憎んでいるのではない、

母はおまえを疎んでいるのではない。

これは天の定めであり、

自分の生まれつきの悪さを泣くしかない。

(誰にもどうしようもないのだ)

 

 



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