今回は、検証について掘り下げていきますが、これまで紹介したい内容の総集編に近い内容にもなりますので、是非最後まで読んでください(短期足編に入る前に、これまでの長期足のまとめ編も作るので、ご安心ください)。

これまで、長期足の相場分析について紹介してきましたが、検証で練習を積む必要がある旨の記載を何度かしていたかと思います。

序盤で検証方法についても少し触れましたが、今回は検証方法の種類や、それぞれでどのような注意点がある等、もう少し掘り下げて紹介したいと思います。

紹介したい内容は大きく以下の通りです。

○検証方法の種類

○各検証で習得すべき内容

○静止画検証と時間変化をつけた検証の間に生まれるズレ

それでは紹介していきます。

○検証方法の種類

検証方法には大きく以下の3つがあります。

1.静止画検証

2.静止画検証プラスF12

3.リアルタイム検証

読んで字の通りですが、静止画検証は過去のある一部分の相場を画面に表示させ、そこにサポレジライン等を引いて検証する方法です。

最も基本的な検証ですが、意外にFXを初めて手を出す方は、これを飛ばして3.のリアルタイム検証をしたり、はたまた検証もせずにいきなりリアルトレードをする方もいます。

そういう方が大損してしまい、FXはギャンブル、と言われたりもします。基本的に大きく損失を出して退場した方はFXにそういった印象を抱きますが、学習せずに短期間で大きく利益を上げ、早々に相場から撤退した人は、自身の実力だと話す場合が多い印象があります。

2.の静止画プラスF12は、1.の静止画検証に加えて、F12キーを押して、時間変化を付ける方法です。

PCのMT4では、F12キーを一回押すと、ローソク足が一本進むという機能があります。これを利用して、自身で任意のタイミングで時間変化をつけることができます。

難易度は1.2.3.の順に上がりますので、順番に取り組むことをおすすめします。

ただし、かける時間の長さ、密度の濃さで言うと、1.に8割以上割いてもいいと思います。

それだけ静止画検証が重要ということですが、実際のトレードでは、相場は止まっているわけではないので、2.3.を全くしないわけにもいきません。

ただ、地道な1.の検証で心を折ることなく、コツコツ頑張ってほしい、ということです。

○各検証で修得すべき内容

1.静止画検証

たった今1.が最重要であるという話をしましたが、では静止画検証から何を学ぶべきなのか。

それは、基本的な、相場を見る技術だと思います。

これまで紹介した内容は、

・波形認識

・ダウ理論

・サポレジライン

・相場環境(買い場、売り場等)

・インジケーター(MA等)

これらの内容を、マルチタイムフレーム分析で、滑らかに相場を分析していくことができる状態になることが理想です。

今後、短期足の分析についての紹介をしていくつもりですが、これまでの内容プラス、1.静止画検証をするだけでも、利益を出すことは可能なはずです。

短期足は、あくまでエントリーのタイミングをはかるものですので、タイミングが多少悪くても、4時間足の相場分析と日足などの相場分析ができていれば十分利益は出せます。

2.静止画検証プラスF12

ここまでで十分利益が出せますが、更なるステップアップとして、F12キーを使った時間変化に慣れる、という検証があります。

ここで何を学ぶべきかというと、実際に相場をを動かした時に、静止画での見え方との『ズレ』を経験することです。

静止画で波形をざっくり認識してから、相場を動かすと、見え方が変わることがあると思います。

リアルトレードでもデモトレードでも、相場は動いていくものですから、これに慣れないと、利益効率は落ちます。

ですので、F12キーで擬似的に時間変化に慣れていく、というのが2.での重要な内容です。

3.リアルタイム検証

ここでは、2.で生じた相場の見え方の『ズレ』を踏まえて、どうトレードしていくか、の検証となります。

要は実際にトレードする前段階の最終ステップとして、実践経験を積む、という内容です。

ここで利益を上げられなければ、過去の内容を整理して、静止画検証やプラスF12キーでの検証に戻る、という形になります。

おさらいすると、2.3.は主に経験が中心であり、1.のように新たな技術を身につける、ということはほぼ無いため、ここからは経験を繰り返し積んでいく、という段階になります。

○静止画検証と時間変化をつけた検証の間に生まれるズレ

最後に、『ズレ』について少し掘り下げて終わります。

この『ズレ』とは一体何なのか。

ズレは波形認識に影響が出ます。

というのも、未来の高値安値は見えない為、高値安値に注目した波形認識では、どうしても相場が動くことでズレてしまうということです。

少し言い換えると、高値安値のブレイク時に、適切な波形認識をできるかどうか、です。

言葉で説明するのは難しいので、別途記事で紹介する予定ですが、高値安値は、一生レンジが続かない限り、必ずどこかでブレイクするわけです。そのブレイク時に、ローソク足1本単位で、そのブレイクが意味のあるものなのか、つまりダマシではない、という判断ができるかどうかということです。

トレードにおいてブレイクをいち早く見極めることは、エントリーの判断も早くなりますし、ダマシに引っかかることも少なくなる為、利益が如実に変わってきます。

ではこの『ズレ』にどう対応していくかということですが、これは常に将来に対するシナリオを持っておくことが大事になります。

ブレイクが意味のあるものなら、どういうシナリオで推移するか、ダマシならどの時間足でのダマシなのか、ここまで見極められれば、相場がどう推移しても、想定の範囲内で相場を見ることができます。

ここまでのレベルになるには、この検証を繰り返し繰り返し、チャートにどんどん慣れていく必要があります。

最後に注意点をいくつか紹介して終わります。

これらの検証において、トレンドレスの場合はどのような検証をしても意味を成さないことが多いです。

なぜならトレンドレスは秩序がない相場なので、どう動くか想定することもできませんし、こういった相場を避けることがトレーダーに求められることでもあると考えています。

また、各検証において、最初はインジケーターやラインを表示して分析してもいいと思いますが、慣れてくれば、それらの表示を全て消して、チャートのみで検証をしてみてください。

最初はかなり難易度も高いため、まずは基本的な検証を積み重ねていただきたいですが、チャートを見る目を養う意味でも、効果的かと思いますので、是非取り入れてみてください。