2022年5月7日

海外で「ああ、それって日本人だけだよね〜」という幾つかの事

何が特殊か?これは海外にいてという前提から始まる。



  • 日本人は日本の会社で勤めている。
  • 日本人は決まった場所に住んでいる。
  • 日本人は現地の人とコミュニケーションを取らない。
  • 日本人の子供は海外に居ても、いずれ進むであろう日本の中学や高校の準備を海外でも優先している。
  • そもそも就活で企業が欲しがるグローバル人材って何?


もう気づいた方が良い。どれだけ日本人社会が特殊で歪んでいるのかを。ただ、最初に断っておくと自分も日本人なので、日本は大好きである。ただ、今までアメリカとタイにしか住んだことはないけど、日本人だけがかなり特殊であることが言えるのは間違いない。これは別に、アメリカにいるときにアメリカ人と日本人を比べて、あるいはタイにいる今、タイ人と日本人と比べて、、という訳ではない。アメリカにいた時に、アメリカにいたヨーロッパ人や日本以外のアジア人、今タイに居て、タイにいるヨーロッパ人や日本人以外のアジア人と比べて、日本人が特殊であるということを言っている。日本人というよりも、日本人社会といった方が適切だろうか。

スマリッジ

日本人は日本の会社で勤めている。

例えば、アメリカでも、タイでも、その場で出会った日本人は、日本の会社に勤めている場合が多い。日本の会社でなかったとしても、元々日本でその会社にいて、そして転勤してきたというケースになるかと思う。どういうことかといえば、例えば、タイにいる日本人は、大体日本企業のタイ法人に勤めている場合がほとんどである。元々日本でその会社にいて、タイに駐在してきたケースと、タイに来て、タイの現地で就職するケースに別れる。どちらのケースにしても、タイにいる日本人は、日系企業に勤めている場合がほとんどである。あとは留学生だろうか。


日本人が日系企業に勤めていることの、何が特殊なのか?

そう問われてみたら、確かに何もおかしいことは一つもない。別にいいじゃん。

日本人が、タイで日系企業に勤めているのは、自然なことである。しかし、考えてみよう。例えば、タイにいるアメリカ人がアメリカ企業で働いている人ばかりだろうか? タイにいるロシア人がロシア企業で働いている人ばかりだろうか? タイにいる中国人が中国系企業で働いている人ばかりだろうか?
もちろん、答えはノーである。では、アメリカ人もロシア人も中国人も、はたまた韓国人もタイには沢山移住者がいるが、何をしているのだろうか? それは、もう、様々である。インターナショナルスクールの教員、タイ企業のビジネスディベロップメント、あるいは現地で起業、などなど、多種多様過ぎて、例の上げようもない。

  • タイに居る日本人は、ほぼほぼ日系企業で働いている人ばかり。
  • タイに居るその他の外国人は、多種多様すぎる。


つまり、日本人だけが、特徴的と言える。


例えば、タイにあるグローバル企業に、たまたま就職して、日本と全く関連のない仕事をしている日本人は、なかなか居ないだろう。それに引き換え、タイにあるグローバル企業に、たまたま就職して、アメリカと全く関連のない仕事をしているアメリカ人は、きっと居るだろう。

つまり日本人だけが、いつまで経っても、どこに行っても、「日本」、「日本人」という呪縛から逃れられない生活を送っているのだ。

もちろん、日本企業がそもそも多いという背景もあるかもしれない。そうであったとしても、その企業のタイ法人に大挙して日本人駐在が来るというカルチャーが、既に特殊であるのだ。

これも前述のロジックで言えば、例えばMicrosoft Thailandに、アメリカ人が大挙して就業しているだろうか? もちろんNOである。きっとエキスパット数人で、あとは大多数がタイ人のグローバル人材で成り立っているのだろうと思う。つまり、日本企業は、どこに行っても日本人で成り立たせようとしているのだ。この時点で特殊になる。

もう、色々な意味で、色々なケースで、「そういうのは日本だけ」という事が多すぎるのだ。別に悪いことでもないと思う。しかしながら、あまりにも時代に乗り遅れてしまっているのである。もう日本の成長は実際に1990年代で止まり、そこから30年そのままなのだ。

今50歳の日本企業に勤める人の新卒初任給と、約30歳下の今まさに新卒の新卒初任給はほとんど同じである。

日本人の平均給与は、30年ほぼ変わっていない。400万円台である。ちなみに、OECDの資料では既に韓国にも抜かされている。


駐在を選ばずに海外に脱出せよ

別に、悪いとは思わない。日本人がそれで幸せならば。日本人がそう言う日本社会に満足ならば。ただ、やはり、活発でスマートで頭の良さそうな人は、どんどん海外に出てしまっているのが日本の現状である。
もう、駐在でもなんでもなく、どうにかして日本脱出したいという感じの人が増えているだろう。駐在とは、もはや、ドメスティックそのものであり、グローバルでもなんでもないということに、気づいちゃっている人が増えた。

しかも若い人ばかり。なぜなら税金は高くなる一方だし、頑張って収入が良くなると、色々な補助金や助成金も出ないし。未来志向の政治家が選挙に出ても、投票に行くのは爺さん婆さんばかりなので、むしろ改革をしない政治家の方が当選しやすい国になっているからである。爺さん婆さんにとっては、日本の未来なんかあまり興味なく、年金がいくらもらえるかとか、自分を優遇してくれれば良いと思っているだろうから、改革なんかいらない。若い人の税金が高くなったとしても、別に構わないだろう。

少し脱線したけど、では、このタイにおける、日本人だけが特徴的な社会を構築している事が、界隈にどんな影響を及ぼしてくるのだろうか?


駐在日本人は決まった場所に住んでいる

また繰り返しになるけど、悪いとは言っていない。むしろ良いかも。平和に暮らしたい人もいるし。決まった場所とは、トンロー、プロンポン、アソークエリアである。なぜそのエリアなのか、それは便利だからと言うこともあるが、隠れた理由としては、日本人学校のスクールバスエリアなのである。

スクールバスエリアに広がる日本人対応アパートメントが、どんどんと広がるようになってきた。街全体が、日本人フレンドリーになったのは、駐在員のおかげ。その結果、別に子供がいなくても、日本人の現地採用の人でも、独身の駐在の人でも、日本語などにフレンドリーな街の、日本語フレンドリーな物件に住むようになる。まあ、とにかく、日本人100%物件の誕生である。


不動産屋との関係

日本人向けの日本人による不動産仲介業者がタイには沢山ある。タイ人友人に聞くと、それらの日本人向け不動産仲介業者は、実はタイ現地の地元の不動産業者を通していると言うことも聞いた事があるが、定かではない。そうなると、マージン商売ということになるのだろうか。いずれにしても、日本人学校スクールバスゾーンのアパートの管理会社は、日本人向け不動産屋とのホットラインが無数にある。空室状況など、常にupdateしている関係が構築されている。いろいろ大人の事情もあると思う。

なぜコンドミニアムではなくてアパートなのか。

日本人向け不動産仲介御者が日本人に勧める物件というのは、実は限られている。例えば、同じように日本人学校スクールバスゾーンにある物件でも、なぜか紹介されない物件がある。実は、その紹介されない物件は、アパートではなく、コンドミニアムなのである。アパートは、管理会社が一棟まるまる管理しているので、事務手続きも非常にスムーズ。また、日本人が入居後に出てくる色々な問題も、一括管理してくれている。したがって、不動産仲介業者は、入居後のクレームを軽減できるのだ。一方でコンドミニアムは、その部屋のオーナーとの契約になる。その部屋のオーナーが例えば欧米人だったら、英語が必須になるし、そもそもタイ国内に居るとも限らず、連絡も大変だったりすることもある。タイ人オーナーだったりしても、タイ人は本当に色々な方がいるし、すごい金持ちでヒエラルキの上の方の人だと、クレームなんか受け付けない、なんて事態も起こりかねない。

要するに、コンドミニアムは日本人にとって面倒なのである。

オーナーとのコミュニケーションが英語というだけで、リアルなハードルと、精神的なハードルが立ちはだかる。

面倒臭い、そういうの、誰かにやってもらいたい。

というのが、日本人の本音になる。したがって、日本人入居率100%を誇る物件の隣に、日本人はほぼゼロで欧米人やインド人だらけのコンドミニアムが建っていたりするのだ。
ただ、もし、オーナーと直接やり取りをできる自信があるなら、不動産屋を介さずに、日本人もコンドミニアムを契約して借りたら良いのではないかと思う。
家賃も同じロケーションにも関わらず、コンドミニアムは安くなっている。安いというか、適正な価格になっている。なぜなら、日本人学校ゾーンのアパートは、日本企業が家賃を払うと知っているために、家賃を高く設定しているからである。隣同士で比べると、差が出てくる。コミュニケーションや契約等々の壁をクリアできるなら、日本人もコンドミニアムに住んだ方が良いかもしれない。とはいえ、結局会社が出すし。。。ということになり、みんなアパートを借りることになるのだ。
レジーナクリニック

勧めないコンドミニアムも、webの見栄えのために載せるのかな???

ではそんな日本人向け不動産仲介業者のリストには、コンドミニアムは載っていないかというと、実は載っている。ホームページで検索できるようになっているが、しっかりとコンドミニアムも載っているのだ。載っていても、顧客に勧めることはない。なぜ載っているのかといえば、データの充実のためだと思う。網羅してます。。みたいなことを言いたいのかもしれない。

スクールバスエリアのアパートが値段を下げない理由

その他の外国人はまず住まない。理由は高いから。そしてそもそも、空きがない。スクールバスエリアに建っているアパートは、つまり、日本人駐在員が住むだろうという予測のもとに成り立っている。日本人駐在員の場合は、家賃補助が会社から支給されているため、駐在員にとっては値引きする必要もない。したがって、アパート側も、家賃を下げる必要もない。そうなると、日本人学校スクールバスエリアには、日本人以外の諸外国人は住まなくなる。そしてますます、日本人だけのコミュニティが形成されるのだ。日本人向けの店や、サービスもこのエリアに集中するのだ。ますます日本人率が濃くなる相乗効果になっている。

ただ、独身の駐在では無く現地採用と呼ばれる人たちは、別にスクールバスエリアに住む必要もないので結構あちこちに散らばっている。最近はコロナ禍で日本人ファミリー駐在が減ったのか、最近、もろ日本人エリアのど真ん中のアパートにも空きができて、便利さを求める外国人がポツポツ住み始めたという事例も無くはない。さらにコロナ禍で日本人駐在員、特に家族帯同の駐在員が減ったのか、日本人学校スクールバスゾーンのアパートにも空室が目立つようになってきた。今後、アパート側が家賃を下げて空室を埋めようとするのか、それともコロナが終わるまでキープするのか? そのせめぎ合いになっていると思う。

ちょっと長くなっちゃったので、下記は次回以降に投稿します。

  • 日本人は現地の人とコミュニケーションを取らない。
  • 日本人の子供は海外に居ても、いずれ進むであろう日本の中学や高校の準備を海外でも優先している。
  • そもそも就活で企業が欲しがるグローバル人材って何?

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