【精華小学校】全方位型の出題 | お受験スコープ☆過去問から紐解く小学校受験

今回のテーマは【精華小学校】です。

立地～アクセス抜群

神奈川県横浜市神奈川区にある名門校です。横浜駅からのアクセスがよいため、神奈川県内のみならず東京都内からも児童が集まる、活気ある男女共学の小学校です。2022年に創立100周年を迎える伝統校でもあります。

特徴～昔から名家の子息が通う

昔から横浜市内の名家の息子さんが通うことで有名です。幼稚園を経て精華小学校→聖光学院 or 栄光学園というのがお決まりの進学ルート。近年では横浜市内から都内へのアクセスが向上したことにより、受験校の選択肢は飛躍的に増加しましたが、それでも神奈川県内での精華小学校の人気はいまだ根強いです。

上記からもおわかりのとおり、旧来より中学受験をめざす子供たちが通う学校です。わたしも家族で精華小学校の見学会へ赴き、教科担任の先生方からお話を伺いましたが、展示してあるテキストを解説しつつ「この問題は○○中学や△△学園でよく出題されます」など、先生方は中学受験に関する情報も豊富にお持ちです。

女子の少なさ～横浜雙葉の存在

男子児童の数が伝統的に多い学校です。約3:1の割合です。

「伝統的に」女子児童数が少ない理由のひとつが、横浜の名門校のひとつ・横浜雙葉小学校の存在があります。精華小学校の受験日が横浜雙葉の受験日と毎年重なり、しかも両者とも受験日は1日のみのため、この2校は併願ができません。（ただし、コロナ禍により横浜雙葉の試験時間が大幅に短縮されたことにより、この数年は受験番号によっては併願が可能。）

名家の男子が精華小学校をめざすの同様、名家の女子は横浜雙葉小学校を志望し、ゆるやかに棲み分けをしてきた歴史があります。

しかし昨今の中学受験ブームにより、少しずつ女子児童の数も増加傾向にあります。女子の受験に弱いということは決してなく、横浜の女子名門校フェリス女学院、都内であれば桜蔭中学や女子学院、豊島岡女子学園、精華小学校とおなじ共学の中学を選ぶ子供さんも増えており、毎年コンスタントに合格者を出しています。

併設校に女子校の神奈川学園中学・高等学校を置いています。毎年女子児童の1割程度が進学ということなので、ほとんどの女子児童は外部の中学へ進学していることになります。ちなみに神奈川学園は横浜市内ではレアな無宗教校です。

過去問分析～オールマイティを求める

タイトルにもありますが毎年優れた難問を出題する【全方位型】小学校です。

この「優れた難問」という表現にもぜひ注目してほしいのですが、毎年小学校受験の総括で耳にする「今年は難化した・易化した」という評価が、こと精華小学校にはあてはまりません。なぜなら

毎年難しいからです

精華小学校の考査内容を並べますと…

■ペーパーテスト

■絵画テスト

■個別テスト

■集団テスト

■運動テスト

■親子面接

■アンケート

全部あります。

精華小学校は便宜上「ペーパー校」ということになっておりますが、考査内容や過去問を眺めてみると、いわゆるノンペーパー校での考査内容も入っていたりと、満遍なく子どもと家族を見られます。加えて運動テストの難易度も当たり前のように高いです。

「うちの子はペーパーが得意だけど運動はあまり…」

「娘は運動もペーパーも楽しめるけれど、お絵かきが苦手で…」

↑人間だれしもある得手不得手ですが、精華小学校からご縁をいただくためには、苦手分野を作らないことが必須と言えそうです。これはもう、過酷な中学受験を勝ち抜く能力=勉強する土台がしっかりしている子供が欲しいという学校側の意図の現れです。更に言えば「難関中学の合格を勝ち取れる資質を持った子供」を、精華小学校では求めていると言えそうです。

対策～ベーシックな難問を押さえよ

ただし救いになる面もありまして、難問ぞろいの過去問をよく観察しますと「ひねくれた問題」「クセの強い問題」はほとんど出題されていません。

聖心名物「永遠を思わせる記憶問題」田園調布雙葉名物「ドキドキが止まらない2回の面接」などという、その学校のためだけに必要な対策が、精華小学校の場合は不要です。一般的な難問の対策をしていれば精華対策になる、という面も持ち合わせているのです。ここが、難関小学校を志望するご家庭の併願先として精華小学校が選ばれている所以でもあるのでしょう。

しかし、くり返しになりますが、精華小学校の受験において苦手分野の存在はゆるされません。都内の第一志望校の「前受け校」という位置づけで精華小学校受験に臨むと、幸先のいいお受験スタートを切るどころか足元をすくわれます。

そして、入学後は勉強だけではなく、運動面もかなりハードに鍛えられます。毎朝グラウンド3周したあとに勉強なんて、たぶんワタシ、午後まで体力持ちません(;´∀｀)

本命校であっても併願校であっても、精華小学校の受験をなさる場合には、必ず過去問に目を通すことが必要です。「質のいい難問」にチャレンジすることに楽しみを見いだせれば、合格は遠くはないでしょう。

その他～明るい空気と洗足の台頭

自宅からのアクセスがいいため、我が家も精華小学校には早くから足を運んで様々な行事を見学させていただいております。

そのたびに受ける印象は「学校全体が明るい」ということです。

どんな家族にも、どんな子供にも、気さくに声をかけてくださる先生方、子どもたちの完成率の高い共同制作、輝かしい合格実績。この学校に対するマイナスな評判は、今まで耳にしたことがありません。

強いて言えば、考査では月齢考慮がないため、早生まれでも遅生まれでも同じ土俵で戦うことを敬遠する方はいらっしゃいます。しかし、よい方向で考えれば、がんばればがんばった分だけ評価される平等な選抜方針といえるでしょう。

近年では、同じく全員が中学受験をする共学校の洗足学園小学校の台頭により、特に男子において「精華か？洗足か？」という話題をあちこち耳にいたします。これまで、精華小学校と洗足学園小学校は、神奈川校入試解禁日に洗足学園男子の試験が重なってしまっていたため、男児は精華と洗足学園のどちらかを選択しなければなりませんでした。

2023年度入試より洗足学園小学校の入試日程が変更となりました。これにより、特に男児において学校選択の幅が広がり、精華小学校にも良くも悪くも影響が出てくることと思われます。

精華小学校には、神奈川の名門という伝統に裏打ちされた確かな教育観があり、それはこの先も揺らぐことはないでしょう。伝統というと古臭いとか、保守的というマイナスイメージもつきものですが、中学受験であまり問われない英語教育を重要視したり、ICT教育にも力を入れるなど、世界の変化を柔軟に取り入れる姿勢もこの学校が輝き続ける所以です。。

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\ 応援よろしくおねがいいたします！/　横浜駅～精華小までのゆるやかな坂道で息切れしたあの日…