半日陰でたくさん咲くクリスマスローズの選び方

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2月末から3月はクリスマスローズの開花シーズンです。

半日陰で何か育てようと思った時、クリスマスローズは最初に候補に挙がるお花の1つです。

我が家でも何株か育てています。

丈夫で上手く育てれば毎年咲いてくれるクリスマスローズですが、苗の選び方には幾つかのポイントが有ります。

今回は半日陰で育てやすいクリスマスローズの失敗しない苗の選び方をまとめました。

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クリスマスローズは冬の花?春の花?

クリスマスローズの紹介で、花の少ない冬に咲いてくれる花と書かれていることが多々ありますが、実は必ずしもそうとは言えません。

本来、英名でのクリスマスローズは、ヘレボルス属の原種ニゲルのみを指します。

ヘレボルス属には20種以上の原種があり、それらは無茎種・有茎種・中間種の3つに大別されます。

ニゲルは、この中で無茎種と有茎種の両方の特徴や性質を持つ中間種と言われ、12月中旬頃に一重の可憐な白い花を咲かせ、その開花時期からクリスマスローズと呼ばれているのです。

一方、日本の園芸店で流通しているカラフルなクリスマスローズは、正確には同じヘレボルス属の主に無茎種の原種オリエンタリスなどから交配したハイブリット種です。

ハイブリット種は開花時期もニゲルよりずっと遅く、年が明けて温かくなり始める2月末から3月くらいになり、どちらかといえば春の花と言えるでしょう。

英名ではキリスト教の四旬節(Lent)に咲くことからレンテンローズと呼ばれますが、日本ではこの呼称は殆ど使われず、ニゲルとひとくくりにクリスマスローズとして知られています。

ハイブリット種のクリスマスローズの開花株は、まだ寒い1月事から出回りますが、これは温室などで温度調節を行って咲かせています。

翌年以降の開花時期は一般的な栽培環境だと2月中旬以降になるので注意してください。

また半日陰の環境だと、開花時期もやや遅めになります。

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たくさん咲く良いクリスマスローズ苗の選び方

このブログでも何度か取り上げていますが、半日陰のベランダや庭で植物を育てるには、まず良い苗を選ぶ事が重要です。

そこでクリスマスローズの良い苗を選ぶ幾つかのポイントをまとめました。

実生苗とメリクロン苗の違い

クリスマスローズには交配させた種から育てた実生苗(みしょうなえ)と、バイオ技術によって生み出されたメリクロン苗があります。

実生苗は、実際に咲く花が親花に似るか、先祖返りして全く別の容姿になるか、開花するまで分かりません。

また似た系統の花は有っても、完全に同じ花はこの世に二つとないため、どこにもない自分だけのオンリーワンな花を育てられるのが魅力です。

それに対してメリクロン苗は一種のクローンですので、親花と全く同じ特性・容姿の花を咲かせます。

実生苗のラベル写真は開花したときの予想写真で、実際は全く違う花が咲く場合が多々ありますが、メリクロン苗はラベル写真とおりの花が咲きます。

開花株でなくてもどんな花が咲くか事前にわかるのがメリクロン苗のメリットです。

開花株か開花見込み株を購入する

クリスマスローズは種から発芽し、ゆっくり成長して開花までは数年かかります。

その為購入するときはすでに蕾や花をつけている開花株や、今期開花する予定の開花見込み株の購入を強くお勧めします。

パンジーやビオラを買う時のような小さなビニールポットの苗を購入すると、葉っぱだけで何年も花が咲かない可能性があります。

初めて購入したクリスマスローズが何年も咲かないままだと、かなりがっかりしますよね。

開花株は価格こそポット苗より高価ですが、プロの育種家が時間をかけて十分に育てた苗で、実際にどんな花か確認して購入出来るので安心できます。

ちなみに開花株は、苗から育てて初めて花を付けた苗を指しますが、翌年以降に株が充実してくると花の形が整ったり色味が濃くなったりと多少変化する場合が有ります。

葉が多く茂っている苗は避ける

大体の植物は葉が多く茂って引き締まった株を選びますが、ハイブリット種のクリスマスローズは逆に葉が多くないものを選びましょう。

クリスマスローズのハイブリット種は蕾をつける花茎と葉を付ける新芽が別々に生えてきますが、葉がモサモサと多く茂る株には花茎が余り生えてこないものが多いからです。

たくさんの花を咲かせる(多花性)か、葉っぱばかりで余り花をつけないかは生まれつきの個体差が有り、その後の栄養面や環境を工夫してもなかなか改善が難しいです。

花をたくさん咲かせる株が欲しいなら、購入時に葉が多く生えておらず、一本一本の葉や花茎がしっかりと太いものを選びましょう。

原種には栽培が難しいものも多い

ヘレボルス属には20種ほどの原種が有ります。

生息域はかなり広範囲なのですが、大体において日本より夏が涼しく雨が降らない地域です。

その為日本で栽培する場合、夏場の高温多湿には注意が必要です。

クリスマスローズは全般的に夏の暑さが苦手ですが、原種は特に湿気と暑さに弱く枯れてしまう事があります。

一日中陽が当たる環境の場合は、寒冷紗をかけたり日陰に移動させたりしましょう。

それとクリスマスローズに限らず全ての植物に言える事ですが、夏場の水やりは涼しい早朝か夕方にします。

特に昼間のベランダはコンクリートの床や壁が鉄板のように熱を持っているため、そこへ水をやると植物が蒸し焼き状態になってしまいます。

ちなみに我が家では夏場は夕方か夜に水やりをしています。

横向きや上向きに咲いて欲しいなら花茎と花首が短い株を選ぶ

クリスマスローズは下向きに咲く株が多いです。

下向きに咲く姿は風情が有りますが、指で持ち上げないと花が見えないのでつまらない、横向きや上を向いて咲く株が欲しいという声もあります。

では下を向かないクリスマスローズを選ぶにはどうすれば良いのでしょうか。

まず最善は開花株を選ぶ事です。

横向きや上向きに花が咲いていれば、翌年以降もその株は殆ど下を向きません。

まだ咲いていないけど蕾は付いているという株を購入する場合は、蕾を付けている花茎と花首が出来るだけ短く太くしっかりした株を選びましょう。

花首が長く柔らかい株。下を向きやすい。
花首が短く横向きに咲く株。

花首は苞葉と呼ばれる蕾を包んでいた葉から花の付け根までを指し、この部分が長く細いものほど首が垂れてしまい下を向きやすくなります。

また花茎も長く伸びるとしなって花が下を向きやすくなる為、出来るだけ短く地面に近い場所で咲く株を選びましょう。

上向きは雨が降ると水が溜まって花が傷みやすいので、個人的には横向きが理想です。

ただ未成熟な蕾の場合はそこからまだ花首が伸びる可能性が有るので確実ではありません。

絶対に下向きではない株が欲しい場合は、やはり開花株の中から探すのが確実です。

ちなみにクリスマスローズは気温が上がると花茎が伸びやすくなるので、暖冬の年や開花シーズン後半になると、やはり茎が伸びて下を向きやすくなります。

クリスマスローズはとても丈夫な植物です。

半日陰の環境を好み、夏場に陽を当てすぎないことと水切れさえ注意すれば害虫や病気も殆ど無く、薬剤もほぼ使う必要がありません。

最初に状態の良い苗を入手出来れば、初心者向きの植物と言えます。

今回まとめた良い苗の見分け方を参考に、是非一鉢育ててみてはいかがでしょうか?

園芸
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