【感想】『邯鄲の島遥かなり・下巻』貫井徳郎|重厚で、野心的な長編

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貫井徳郎『邯鄲の島遥かなり』下巻

ケイチャン

ケイチャン

今回ご紹介する一冊は、

貫井徳郎 著
『邯鄲の島遥かなり』下巻 です。

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【感想】「重厚で、野心的な長編」

大河小説

太平洋に浮かぶ孤島、神生島を舞台に
明治維新から令和まで
およそ150年の人の営みを描くこの作品

下巻は太平洋戦争後の復興から
この令和までを
庶民の視点で語ります

「重厚で、野心的な長編」

それこそ我々が扱う火が
火打石から原子力まで変化した
激動の150年

モノが変わっても
ヒトの望みは変わらない

貫井徳郎はこの奔流のような
時代変遷でも
変わらないヒトの性を
描きたかったのではないでしょうか

下巻では
太平洋戦争からの復興
高度経済成長期での野球少年少女の活躍
男女の友情と同性愛
被災下の恋愛について描きます

イチマツ痣というガジェットが
物語の紐帯を高めて
膨大な数の登場人物たちを
繋ぎとめるタペストリーようです

夢を追い、敗れ
恋を求め、もがき
運命に翻弄されるも
したたかに、力強く
今日を生き
明日に進む
我々の生きざまの
人間賛歌です

作品紹介(出版社より)

百五十年の時は、過ぎてみれば一瞬。感動の終幕へ、そして新たな始まりへ。
一ノ屋の血を引く信介の獅子奮迅の活躍で、神生島は戦後の復興に歩み出した。それぞれに重荷や悩みを抱え、決断を迫られながらも、穏やかな営みが続くかに見えたが……思いがけず、島の暮しは一変する。明治維新から「あの日」の先まで、島に生きる一族の百五十年を描く渾身の大河小説。三ヵ月連続刊行、感動の大団円へ!

作品データ

タイトル:『邯鄲の島遥かなり』下巻
著者:貫井徳郎
出版社:新潮社
発売日 : 2021/10/29

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