母子家庭が利用できる塾代免除、各種の制度とは?

母子家庭への公的な経済援助制度や、それに順ずる補助制度などには様々な種類がありますが、その中には、学習塾などの塾の費用に対する塾代免除という制度があります。

ただし、この塾代免除の制度は、全国の都道府県や自治体で実施されている訳ではありません。これを都道府県として行っているのは東京都だけで、市区町村単位の自治体では、大阪市が塾代免除の制度を採用しています。

東京都、大阪市以外では今のところ、公的に塾代免除の制度を採用している地域はありませんが、塾によっては独自の割引制度を設けているところがあります。

もし東京や大阪に住んでいる、あるいは免除制度がある塾が近くにある、というのなら、是非利用したいですよね。

そこで、東京都と大阪市の塾代免除制度、塾が独自に設けている塾代免除について詳しく調べてみました。

目次

母子家庭の塾代免除、東京都で実施している制度

東京都で実施している塾代免除制度ですが、正式には、「受験生チャレンジ支援貸付事業」という制度の利用になります。

対象になるのは、母子家庭の中学3年生及び高校3年生で、塾に通うための費用や進学先の受験料に利用できる貸付を、無利子で受けることができます。

この制度は、次の3つに分かれています。

  1. 学習塾等受講料専用の貸付
  2. 高校の受験料の貸付
  3. 大学の受験料の貸付

1.学習塾等受講料専用の貸付

上限金額は20万円で、中学3年生か高校3年生が対象です。

2.高校の受験料の貸付

高校の受験料に限定した貸付で、上限は2万7400円となっています。

2校以上の受験を行う場合には1校あたり2万3千円を上限として、最大4校分まで貸付を受けることができます。

3.大学の受験料の貸付

大学のの受験料に限定した貸付で、合計8万円までの貸付が受けられます。

これらの貸付のうち、1.と2.、もしくは1.と3.を併用して利用することができ、東京都の定める一定所得以下の世帯を対象にしている制度です。

貸付という形になるので塾代免除にはならないのでは?、と思ったかもしれませんが、この制度を利用して高校や大学に合格できた場合、返済は免除されることになっていて、結果、塾代免除になります。

そのため、自分が十分に合格できるレベルの高校や大学があって、心配は塾の費用や受験料、といった場合に利用すると、実質的に塾代免除されることになり、さらに受験費用の貸付と併用すれば、受験費用まで出してもらうことができます。

母子家庭の塾代免除、大阪市で実施している制度

自治体として同様の制度を行っている大阪市では、「塾代助成事業」というそのままの名称です。

こちらも大阪市の定める一定所得以下の母子家庭世帯が対象となっており、中学生のみに適用される制度です。

具体的な制度の内容は、中学生に対し、毎月の塾の費用を最大1万円まで大阪市が負担するというもので、中学1年生から3年生までが対象です。

こちらは東京都の制度とは違って貸付という形をとっておらず、そのまま給付になるので、返済の心配はありません。

また、塾代免除のために使えるだけでなく、スポーツのための私塾のようなものに通うために使ってもこの制度を利用することができます。

この他にも市区町村単位で似た制度を導入している地域があるので、詳しくはお住まいの自治体のホームページ等で確認してみてください。もしくは直接電話で管轄の役所に聞いてみるといいでしょう。

母子家庭の塾代免除、私塾の割引制度

先に述べたような公的な塾代免除ではなく、私塾として母子家庭に対して割引制度を実施している学習塾も多く存在しているので、塾代免除とまではいきませんが、塾代を抑えることができます。

割引制度を設けている私塾は多数あり、いくつか例を挙げてみます。

全国規模の塾

ITTO個別指導学院が、母子家庭には入学金の免除と授業料の5%オフを実施しています。

地域の塾

東京都

スタートプラスが入学金の免除と授業料の20%オフ

神奈川県

SHOSIN、秀英予備校が入学金の免除と授業料を割引

関西圏

進学ゼミナール、GROWINGで母子家庭に対する優遇制度を採用。

九州

早稲田スクールで母子家庭に対する優遇制度を採用。

いずれも完全な塾代免除にはなりませんが、正規の料金より安く塾に通うことができるので、気になる塾があれば直接きいてみる、もしくは通いたい塾に似た制度がないかどうかを聞いてみることをおすすめします。

私塾では、塾生確保のためもあり、このような母子家庭を対象にした割引制度の導入は年々進んでいるので、これからも増えていくでしょう。

母子家庭の塾代免除、塾代に利用できる助成金

塾の費用に直接使うことはできませんが、制度によってはその一部として使える公的な制度を用意している都道府県や自治体も少なくありません。

例えば埼玉県では、母子家庭に対する経済援助制度の1つに、修学資金という種類があります。

修学資金というのは、高等学校や専門学校大学で学ぶための授業料や教材費に利用できる資金ですが、場合によっては、進学を目的とした塾の費用やその中での教材費に充てることもできるため、このような制度を活用することも考えてみてください。

本来は進学先の授業料や教材費としての利用に限られた助成金ですが、相談次第でそのように利用することも可能です。

母子家庭の塾代免除、使える制度はないか自治体にも確認しましょう

塾代免除や私塾の割引はなかったとしても、上の埼玉県の例のような母子家庭に対する公的な支援の1つとして、自治体によっては塾の費用に充填できる助成金を用意していることがあります。

ここまでに該当するものが無かった場合には、同じように塾の費用に使える制度がないか、どうかお住まいの自治体及び都道府県に直接訊ねてみるといいでしょう。

ホームページでの確認では塾の費用には使えないものでも、先の埼玉県のようにこの制度を利用できないか、と直接相談に行くといったことも是非行ってみましょう。

もちろん自治体にもよりますが、母子家庭に対する助成についてはそれなりに柔軟な対応をしてもらえることも少なくありません。

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