大谷だいやんのブログ

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同室の患者がこんなにうるさいわけがない~30代で初めて入院した話3~

まず前回の記事では、

2人部屋で差額ベッド代はかかるのかかからないのかかかるのか~30代で初めて入院した話2~ - 大谷だいやんのブログ

差額ベッド代なしで2人部屋に滞在できそう……という話をした。

 

2人部屋の同室の男性は40代くらいで、陰か陽でいえば陰なタイプであり、基本カーテンを閉め切りいわゆる『ATフィールド全開』な状態であった。なのでほとんど姿を見ることもなかったのだが、静かであるし快適に過ごせそうで良かった……と、思っていたその日の夜の出来事である。

病室の消灯時間は21時であったのだが、普段午前2時の丑三つ時に就寝をしている夜型人間の私としては「まだまだ1日の本番はこれから!本気出していくよ!」と腕まくりを始める頃に部屋が漆黒に包まれるので、逆に体内時計が狂っておかしくなりそうな気分であった。

まぁ、別に手元にライトをつけてPCなどやっても迷惑にはならないくらい、隣のベッドとは距離があったのだが、何日間入院するかもわからないのでできればこの生活に慣れておきたい、と思い無理矢理寝ようとしたのであった。

すると隣から「ぐぉぉぉ……ぐぉぉぉ……ぐぉぉぉ……」と聞こえてきたのは暴走したエヴァ―の唸り声ではなく、いびきだ。しかも、音量がやたらでかいししばらく待っていても全く収まる気配がしないないのだ。

どうやら貧乏くじを引いてしまったようだ。

さすがに温和な私もだんだんとイライラしてきて、今すぐ隣人のベッドカーテンを開けて「睡眠時無呼吸症候群のようですね」と唇に『ナイトミン鼻呼吸テープ』を貼り付けてやりたかったが、鼻呼吸テープを家に忘れてきたので病室外の廊下にある椅子に座り、しばらくの間雑音から逃れることにした。

驚くことに病室の外まで奴のいびきが聞こえてくるものだから、相当な音量であることを客観的に確認することができたのだが、いくら病室の椅子で座っていても永遠に私は眠りにつけないし、尻が痛い。しかも忘れていたが私は体調が悪いので入院をしているのだ。つらい。

真っ暗な廊下の椅子に座る病人の元へ、ちょうど看護師さんが見回りにきた。

どうしたのか?と聞かれたので「ちょっと、いびきがうるさくて……」と答えると看護師さんは「あぁ、あの人うるさいんですよね~(;^_^A 」という反応であった。知ってて同室にしたんかい……とはまぁ思ったりはしたが、たまたま隣の病室が空いていたらしく、今晩はそちらに移って寝ることを提案された。同室の男も明日の朝退院するらしいのでなんとか助かったようだ。

一つ言い訳をしておきたいが、私は決して看護師さんからこういった提案をしてもらうことを期待し、廊下でしんどいことをアピっていた察してチャンではない。

そして次の日の朝、無事隣のいびき男は予告通り退院をし、私はラッキーなことに1人部屋をゲットすることになるのだが、それは束の間幸せ、残念なことに隣の3人部屋に移動させられることになったのだ。どうやら新しく女性が入院してくることが決定したため、男女は同室にできないので私の移動が必要になったということだ。

 

夕方頃、私は3人部屋に移ったのだが、その内の1つのベッドは空きで、もう1つは私が移ったのと同じタイミングでおじいさんが1人入院してきたようであった。

しかしこの3人部屋も充分な広さがあるし、同室のおじいさんも静かそうで、少し話をすることがあったのだがとても礼儀正しい感じの方で、静かだし快適であった。……とこうして平和な入院生活がだいたい3日間くらいは送れていたのだが、ここは3人部屋。もう1人この部屋に別のおじいさんが移ってくることになったのだ。先にこの後の展開を言っておくが、また騒音との戦いが始まることになるのだ。。

 

新しく入ってきたおじいさんは70代くらい(以下、S)、元からいたおじいさん(以下、M)も70代くらいであり、3人部屋の配置は左側におじいさん2人のベッドがあり2人は隣同士、右側には私のベッドと室内にトイレがあり私とトイレは隣同士、という配置であった。つまり私は2人とは若干だが距離があった。

私はいびき男と同じく陰なタイプなので、基本『カーテンは全閉、ATフィールドは全開』状態であったのだが、どうやらこの前が見えなくなるATフィールド越しに2人が意気投合したような雰囲気が伝わってきた。

現在の入院生活はコロナのおかげで面会も禁止であるし、PCとスマホさえあれば対人の会話を必要としない私とは違って、おじいさん達の入院生活は寂しいことだろう。2人は歳が近いこともあるし、そりゃ世間話でもしたくはなるのはわかる。看護師さんとしては「やったね♪マッチング大成功!!」という気分であろう。

だがな、このおじいさん達、話が盛り上がりすぎて『ほぼ1日中』会話をしているのだ。

 

Ⅿの方は前述の通り物静かで礼儀正しい感じ、Sの方も基本は礼儀正しい感じではあるがどちらかというとアクティブな感じで若い頃の武勇伝を語るおしゃべり、という印象。まさに『静と動』という感じで、しゃべり手と聞き役のバランスが良く、Sが語る武勇伝などをⅯが興味津々で聞くという感じで、Sの話がとにかく止まらないのだ。

特にSの声量はデカいし、まあちょっとしゃべってくらいなら良いのだが、ずーーーっと1日中話が途切れないと、同室の私はさすがにうるさくてイライラしてくるのだ。

「私が繊細すぎるのか?いや確実にこれはうるさいだろ。」という自問疑問を1日中繰り返し、イヤフォンをして青春アニメを観ていても、常に現実のおじいさん達のゴニョゴニョ音が入ってきて全く集中できないし非常につらいのである。

「1日中しゃべる元気があるなら退院してくれ……」という心の声が口から出てしまいそうで、私の病状は『サトラレ化まで後一歩』という状態であったが、こうなったら逆に2人の会話を聞いて楽しもうではないかという謎チャレンジを試みた。

 

基本的にSの独演会であるため彼の情報しかわからないのだが、どうやらSは一度コロナウイルスに感染し、その後遺症で現在入院しているらしい。つまり最初はコロナで入院し治ったのだが後遺症の治療のため、改めて我々一般の病室で再入院することとなったのだ。

そんなSだがワクチンを接種していなかったらしい。そこまではまぁ人の勝手だし仕方ないわけであるが、Ⅿに「あんな得体の知れない物み~んな打っちゃったねw」ということを言っており、かなりの反ワクチン派なお方なのだということがわかった。ちなみにⅯの方はワクチンを接種済みとのことであったが、その人の前で普通こんなこというか?しかも結局自分はコロナにかかり、後遺症患っているのに……?

その他はSがやたらと中○国の悪口を話始め、参考にしているYOUTUBEチャンネルをⅯに紹介したり、、と。

……だめだコイツら、全く楽しんで聴ける会話をしねぇ。。むしろ聴いていてさらにしんどくなる内容だ。。

正直、この2人をマッチングを成功させた看護師さんを恨んだし(看護師さんが部屋決めていなかったらすまない)、学校のクラス替えで仲良い子達を別のクラスにするような対応を病室でもしていただけると助かるなーと心の中の『お客様の声』に書いておいた。

なのでまた私は騒音に耐えられずイライラMAX状態に達すると、今回も廊下の椅子に避難し察してちゃんスタイルをかましていた。すると、また看護師さんに「あの2人うるさくてすみません(;^_^A 」と話かけられはしたのだが、今回はもう部屋を変えてくれる様子はなかった。

私はつい『病室 うるさい』でググってしまったのだが、そこでたどり着いた先の発言小町に「それは病室あるあるだよ~」ということが書かれてあった。だから何だ、という感じであるが、看護師さんは部屋変えてくれる雰囲気がないし(おそらく現在満室)、かといって差額ベッド代をどうしても払いたくない私には「我慢する」という選択肢しかなかった。

……という、とても精神が悪い状態で「これから先どうやってこの騒音と付き合って行こうか……」「家の鍵閉めたっけ……」という不安に襲われていたのだが、2日後にSの方の退院が決まったのだ。

退院が決まるとSが、私の閉め切っていたカーテンという名のATフィールドを勝手に開けてきたので、「使途、襲来?」と普通に驚いてしまったのだが、私に退院することになったということを伝えてきた。

もちろん全部聞こえているので「知ってる」という感想しかなかったのだが、ここ数日間のいろんな感情を込めて「おめでとう」と言った。