佐渡金山 道遊坑で近代日本経済の礎に触れる

東海・甲信越

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穴があったら入りたい

大立竪坑から数百m下り、佐渡金山の拠点地域にやってきました。売店や入場券売り場、駐車場があり、まずはこの場所から観光するのが一般的でしょう。

朝10時と早いことから観光客はまばらです。

無名異抗

まずは非公開の無名異抗

駐車場から狭い石段を登ってまず向かったのがこちら。無名異とは、金山に沈殿する二酸化鉄のこと。坑道内は赤褐色になっていて、ここで採れる無名異は佐渡名産の焼き物にも使用されているんだとか。

宗太夫抗

続いて宗太夫抗。有料になるが別の入口から見学することができる。

そして、ここからがいわゆる観光地佐渡金山の坑道に潜入していきます。佐渡金山には、主に江戸期の様子が再現された宗太夫抗と明治近代以降を再現した道遊抗の二本の坑道が見学可能。各900円の見学料が必要です。

佐渡金山

入口左手に道遊抗、正面が宗太夫抗となっている。

今回は時間の都合や筆者が近代経済史志向のため、道遊坑をチョイス。

道遊坑

トンネルというより洞窟

坑道内には説明アナウンスが響きます。

金がどこからやって来たのか。

これは現代においても諸説があるようですが、その1つが宇宙から飛来したという説。
金を含有した隕石が遥か昔の地球に降り注ぎ、現在の地球が形成される過程で地殻などに取り込まれた・・・ということのようです。

地学という科目が天体と岩石という一見無関係の両者を扱っているのはこういうことだったんですね。

単純計算で小さじ1杯が5グラム。それを1トンから取り出すとは途方もない話である。

金取引価格は、1グラム約8,500円(22年5月現在)。1トンの鉱石から1~6万円が生み出されたということに。

ちなみにこれは2トンの金鉱石

金山の運営体制

佐渡金山で作られる真野鶴

坑道を活用した地酒が作られていた

先日の土合駅でも見られた取り組みですが、美味しくできるのでしょうな。

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佐渡金山の狸穴

狸穴。江戸期に掘られたもので通気口の役割をしている。

トロッコの跡が、ゲームのダンジョンのようだ。

狭い坑道内です。運行時は相当の音だったことでしょう。そんなことを想像してしまいます。

トンネル構造の境界部。補強されたのか、掘削時期が異なるのか

道遊の割戸

あの割れ目の下にやってきました。

大きな空間が広がっています。ここなら閉塞感なく働けそう。

鉱山で悩みのタネが地下水。食べ物がすぐダメになってしまいそうだ。

トロッコ。坑道内の酸素を保つため電池とモーターで駆動していた。

採掘を効率化すべく多様な機械類が導入されました。鉱山でのニーズや改良の繰り返しがノウハウとして蓄積され日本の電機企業を育てていきました。

道路トンネルのように待避所が設けられている。法律に基づいた対応で、鉱山も道路同様の安全思考で作られているのだろう。

そして、

光が!

つづく。

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