昨年の11月にアッパーウエストの自然史博物館前駅で強盗事件に遭遇して以降、できるだけ地下鉄に乗らないようにしていました。しかし、これから春休みやゴールデンウィークの旅行でニューヨーク旅行の計画を立てているアメリカ内外の友人知人たちから、治安が不安、という声が多いので、最近の地下鉄の様子をレポートしてみたいと思います。タクシーやウーバーは不安という旅行者にとっては地下鉄は今も重要な移動手段なので、必要以上に避けてしまうとかえって不便になってしまいますしね。

 

まだ11月から日が経っていないので、犯罪件数などの詳細なデータは分かりませんが、最近は在ニューヨーク日本領事館からの事件発生レポートは来なくなりましたし、注意喚起メールも頻度が減りました。少しは地下鉄のスタッフ・警備体制も改善されたのではとの期待でまた地下鉄を利用し始めました。

 

職場や知人などにこの話をしたらやはりみんな同じように治安の不安を感じていたようでした。実は11月の選挙で、ニューヨーク州知事選びでも治安が争点になって、民主党の知事の再選が脅かされたのでした。民主党は一時期、警察の予算削減をアピールしたりと治安改善には無頓着というイメージがあり不満が高まっていました。結局、民主党の現職知事が辛勝したものの、治安改善を求める州民の声は届いたと言えるでしょう。現ニューヨーク市長は元々警察出身者で、警察への与作削減は元々批判していましたので、州レベル、市レベルでニューヨークの治安改善、維持に取り組んでもらいたいものです。

 

薄暗いと批判されていた駅も照明が改善

 

百聞は一見に如かず、ということで、最近の地下鉄の様子を写真で紹介してみたいと思います。感想としては、あの11月の事件以降、身を脅かされるような経験はまだないです。海外からの旅行者が戻ってくるにつれて子連れのお客なども増えて来た模様です。下の写真、先日、タイムズスクエア駅でアッパーウエストに向かう1番線待ってたら、ホームに入って来た電車の車内で大学生と思われる若い女性軍団が車内で飛び跳ねてダンスしてました。椅子に登って大騒ぎしていたので、流石に、私はその列車には乗らず次の列車を待ちましたが、こんな馬鹿騒ぎを走行中の地下鉄でできるということは、平和な証拠なのかなとも思いました。それと、結構、車内で寝てる人も多くなった印象。在宅勤務から徐々にオフィスに戻ってきたり、大学では対面の授業が再開されて、長距離の通勤通学がまた増えてきたからでしょう。ニューヨークの地下鉄は意外にも長距離を走る路線もあり、通勤通学時間を睡眠に充てている人も結構います。寝ても大丈夫な体感治安ということなのでしょう。(私はアメリカの公共交通機関では寝ないようにしますが)

 

日本にいてニューヨーク旅行を計画している日本人はコロナへの不安が大きいようですが、基本的に皆マスクはしてません。昔マンハッタンに住んでいた従姉妹がNY旅行を計画していて、マスクしてない人が電車内にいるのが気になると言っていますが、正直、周囲の人がマスクしてないのが気になるのであればアメリカには来ない方がいいよと言いました。でも、チャイナタウン至近のカナルストリート駅を通る地下鉄はマスクをしたアジア人が多いです。

 

一方マスクしたアジア人はアジアンヘイトの標的になりやすい、という考え方もあり、行き過ぎたマスク主義は考えものです。実は、場違いなマスク徹底主義は、知らないうちに周りを汚物扱いしているというようなジェスチャーを発してしまっているという見方もありそれが、気に触る人も多いのです。この前、同じ方面に住むコリアン系の同僚と帰宅中、彼女が車掌に何か聞いてたのですが、車掌さんにかなり強い口調で「Excuse me but I don't understand what you are talking about, and I can't even hear you. If you need me, why dont you take off your little mask??」(あんた、何喋ってんのかわかんないんだけど、人に何か聞くときぐらい、そのマスク外したら?)と言われてました。日本の鉄道会社の係員がこんなこと言ったら、袋叩きになると思いますか、アメリカを含め、ほとんどの国では、公共機関におけるマスク着用要請はありません。

 

馬鹿騒ぎは平和な裏返し?コロンビア大学の方まで伸びる1番線

 

アジア人他有色人種が多いJ・Z線。大体乗客は大人しい

 

S線等の近距離路線には座席がない車両も登場

 

空いてる車内で寝てるアジア人の若いカップル

 

こちらも爆睡して友人の肩に寄りかかる高校生

 

こうして地下鉄の様子を振り返ってみると、改めて思ったのは、NYの地下鉄って、他の乗客を見てるだけでとても面白いということ。携帯の電波が届かない区間も多いので、日本みたいに車内全員スマホに目を落としていることもないですし、前述のようにほとんどの人がマスクしなくなったので乗客の表情もわかって人物観察しながら終点まで乗っていたい気分になります。旅行で来られる方は自由の女神など観光地を巡ったり、ブロードウェイ観劇したりと、目的はさまざまと思いますが、この地に住む人たちを観察するのも旅の楽しみだと思います。やはり地下鉄車内は人種のるつぼであるニューヨークの縮図でもあるので、ただ単に移動の手段としてだけではなく、ここに住む人々の生の生活の雰囲気も味わえると思います。

 

大声でいちゃつくカップル。隣に立つ兄貴の呆れぶりが可愛い

 

オネエ言葉丸出しで車内コメディーショー展開するゲイ

 

筋肉ゲイはなぜか通年薄着のことが多い (Gym Rat=ジム通い中毒者などと呼ばれる)

 

個人的には好みの感じのイケメン観察も楽しみ

 

今日も爆走、ニューヨークの地下鉄