【演劇観てきた感想】劇団人間嫌い『服が腐る-2022AW-』

4.0
アイキャッチ画像 演劇

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出典:劇団人間嫌い https://ningengirai181.wordpress.com/

おすすめ度:☆☆☆☆★
公演期間:2022/11/23(水)~2022/11/27(日)
劇場:サンモールスタジオ
脚本・演出:岩井美菜子
出演:川勾みち、藤真廉、田村理子、小山ごろー、村上桜佳、武田紗保、芦田千織、高坂美羽、
≪日替≫飯嶋耕大、新井裕士、甲斐優風汰、藤本康平、加糖熱量

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あらすじ

STORY
-クローゼットに今日のときめきを詰め込んで-
 
30点の1日は、帰りに駅ビルで衝動買い。
一目惚れのブラウス、3850円。
この一枚で、今日の私は100点の私!
 
日々のヤなこと全部お洋服にして、クローゼットに詰め込んだのは、ときめきだらけのはずなのに。
 
「この服、腐った?」
 
おしゃれの常識を衣替えしよう!
人間嫌いの今季のトレンドは「ときめきのアップサイクル」

出典:劇団人間嫌い https://ningengirai181.wordpress.com/
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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆☆★

非常に良くまとまっていて巧さがある。物語は、あるアパレルショップを舞台に、その日常をワンシーズンの経過とともに描いている群像劇なだけなのだが、色々な要素がキレイに嚙み合うように配置してある。

登場人物それぞれが持っている背景や価値観があり、時にはそれが影響しあって揺れ動きながらも、それぞれを肯定しながら描いており、善悪も優劣もなく、作・演出の岩井美菜子の思うところが良く伝わってくる印象。

特に衣織(川勾みち)の特殊能力という創造物が、アパレル業界の暗部やそこに居る人間の葛藤、”おしゃれ”に対する思いと思い出とあこがれと後悔を緩やかに繋ぎ合わせて物語を織り成している手法は鮮やかだった。

俳優:☆☆☆☆★

川勾みち

ともすれば単調になってしまいそうな展開を、衣織がもつ特殊能力があることで非日常感が出て物語に特殊な波が起こる構成になっているため、その特殊能力の”実存感”というのが今作では非常に重要。

そして”それ”を確かに”持っている”ように観える演技が非常に良かった。持っていることの負の面も背負って今は自分を肯定できているという自己肯定感の高い雰囲気も印象的。ナイスキャスティングだと思う。

藤真廉

出来る店員であるが故の葛藤への気づき、いつの間にか恋愛にも高揚感がなく、衣織とは対照的に徐々に自己肯定感を失っていく”せいか”を好演。今作では、ラストに救いのある演出が付いており、観ている側も救われる。

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まとめ

”おしゃれ”というアイコンを使って、それぞれの思いを肯定しつつ描く救いの物語だった

そして、いつかはどこかで、とは思っていたが、まさか人間嫌いで”FIRE”とか”積みニー(積立NISA)”が出てくるとは思わなかったw

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出典:劇団人間嫌い https://ningengirai181.wordpress.com/

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