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”産みどき”を夢で教えてもらえたはなし

ソラは予定日より10日ほど早く産まれた

まだだろうとまったく油断していたその日

わたしは夢の中で白い世界の中にいた

小さな机と椅子が間を開けて並べられた部屋に

見知らぬ女性十人くらいと一緒にいて

なんだかすごく穏やかな空気の中で話をしていた

ひとりの女性が

「じゃぁわたしそろそろ行くね」と部屋を出ていくのを

「がんばってね」とみんなで見送る

そしてまたもうひとり

「次はわたしだ」と言う人を、みんなで見送る

誰かが言い出す

「次ははしだて子ちゃんじゃない?」

「そうだね、はしだて子ちゃん行かないと」

いやいや、わたしはまだ予定日も先だし

昨日産婦人科に行ってまだだと言われたばかりなんだよ?

「でも今日なんだよ、はしだて子ちゃん」

「そうそう、早く行ったほうがいいよ」

みんなが優しく背中を押してくる

そこでふんわりと目が覚めた

なんだろうなぁ

陣痛もなにもないけど?

おしるしらしきものがあるようなないようなよくわからない

それでもすごく気になって産院に電話をしてみた

身体の状態を伝えると

「それだけじゃなんとも言えないのでもう少し様子をみましょう」

とのことだった

夢のことがなければそのまま

違和感を感じつつも待っていたと思うのだけども

どうしても夢のことが気になって再び産院に電話をしてみた

私の母も姉も兆候が出てから出産までがすごく早く

自分も体質的に似てると思うのでどうしても気になると伝えてみたところ

「じゃぁ安心のためにも今からお越しください」

産院に着いて診察を受けたところ

すごくわかりにくい状態で破水していたらしく

「来てくれてよかった」

と言われてしまった

それからはもうあれよあれよ、、

一心不乱の最中に

「先生、苦しすぎます、、続きは明日やるとかってないですよね?」とのたまって

みなさんに鼻で笑われてしまった

「たまにそういう方いらっしゃいます」

そうか、、”たまに”の人になってしまったよ

出産はただただ驚いた

こんなことして人は命を繋いでいくものなのかと

大仕事を終えての放心状態の中で

世界中の母を労いたい気持ちになった

-コソダテ, フシギバナ
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