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2022年09月03日

農業の風評被害?

こんにちは、ベジママキッチン です!

かねてより、取り組んできた内容ではありますが、今日は皆さんに農業の具体的な風評被害について現場の声を交えてお話しさせていただきたいと思ってます。


「農薬」をテーマにした内容なので、思ってた事実と違うことに驚いたり、ショックを受けるかたもいるかもしれませんが、風評被害が抑えられないところまで来ており、生産者側も深刻に捉え議論しています。


今日はそんな「農薬」のお話。


昨今、ネット界隈、テレビや書籍など様々な場所で目にする「農薬危険」のワード。


実はこれ、50〜60年前くらいの話を未だに信じて盛り上げてる方がいるのを知ってますか?


戦後の日本は食糧危機回避のためにたくさんの農薬を使って、食糧生産し国民を飢えから守ってきたという背景があります。
この時は「科学」なんてものより、明日食べる物に困ってた時代なので虫に効く、病気に効くと言われた農薬をたくさん使っていました。

安全性の概念が浅かった当時の農薬は、一部危険な物もあり、使い方を間違えた沢山の農家さんが犠牲になった背景があります。

そこから同じ轍を踏むわけにはいかないと、科学的根拠を元に法や使用量規定も明確にし、危険だった農薬は全面排除されました。


それ以降は「使用方法を間違えた」という以外では生産者が犠牲になった事件はありません。

そこから生産現場や農薬メーカーなどが血の滲むような努力をし、「より安全に」をテーマに今日まで農薬研究は進められてきました。


今現在ある農薬で使用規定を間違えなければ、身体に影響の出る農薬は何一つありません。

残留農薬に関しても作物ごとに厳しく定められているので、無毒性微量であるか検知できないレベルのゼロに近い水準を保っています。
つまり、無農薬だろうと有機だろうと農薬を使った野菜だろうと差異はないのです。


この事実を無視し、未だに「農薬は危険」とした商法が世の中に幾つあるでしょうか。


食品関連、健康関連、自然派関連、飲食関連、マルチ商法、詐欺まがいのビジネスなど企業だけでなく、個人レベルで「農薬を悪」としたビジネス形態が蔓延してるのが今の日本です。



一般的に農薬を使用する慣行栽培の生産者だけでなく、有機、無農薬栽培の生産者さえも「農薬は危険ではない」という事実が明白のため、風評被害に苦しんでいます。


ある有機農業の生産者は、「オーガニック」「有機野菜」と謳えば、「安心安全」と紐付き多くの消費者に良い作物であるというイメージを定着させてきた。
ただ、現場の実情としては便利なツール(化学農薬や化学肥料、資材など)を手放した、ただの農法に過ぎず、有機野菜が他の野菜と比べて安全である保証はないし、優れてるわけでもない。
オーガニックや有機栽培という言葉だけがブランド定着し、一人歩きしてるような感じだ。と言いました。


ある無農薬栽培の生産者は、農薬が不安視された時代に消費者ニーズに応えるために舵切りをし、難しい栽培に必死に取り組んできた。
野菜の味には自信があるが、農薬が危険なものではないと一般認識が広まった場合、「無農薬野菜」であること以外にどう付加価値をつけるべきなのか悩んでる。と言いました。



日本では長い間、物の売れない時代が続きました。
その中で農産物も他と差別化した付加価値を見出すために無農薬や有機栽培に取り組んだ生産者、事業者が多くいました。
その思いに賛同した企業は、販路として通販を初めて見たり、「無農薬は安心安全!」「オーガニックは身体に良い!」と誇大広告をし、自然派食品店を増やしてみたり、無農薬野菜を扱った健康レストランなんかを始めたり、各種マーケティングをし、「無農薬・オーガニック」を強固たる位置にのし上げました。

ほとんどの生産者は農薬の安全性は揺るぎないものになってる以上、日本の農作物はどれを選んでも安全と理解してます。
ただ、先述した販売マーケティングに関わった生産者の一部は、それ以外の売り方をできなくなってしまってるという現状もあるのです。

オーガニックや無農薬を安心安全という盾にして営業してる店舗も、この実情を知らないか、もしくは分かった上で方向転換できないでいると思います。


その一方で全体の1%にも満たない有機農業、無農薬栽培こそが素晴らしいと評価され、99%の慣行栽培農家は多大なる食糧生産に貢献してきたにも関わらず、安全確保してる農薬で言われのない中傷を受け続けたという事実にも目を向けないといけないのです。


これを読んでくださってる方の中にも「農薬って安全な範囲でしか使われてないって知ってるよ」「無農薬、オーガニックは安全の保証じゃないよね」とご理解いただいてるかたも沢山いると思います。


ただ、気になる情報ばかり毎日目にするような現代社会では、事実ではないことに尾ヒレがついてその効力がいつの間にか大きくなってしまうことがあります。

関係者が努力し続けた50年を、知識のアップデートをせずに未だに誤認し、「農薬危険商法」としてビジネスに繋げている販売者を、生産者側も危惧しているのが、今の現場の声です。



こんな想像もできないような農業の裏側を話されたって戸惑う消費者の方も多いと思います。


ただ、私自身はこの長かった農薬危険商法はもう終わりにしてほしいし、生産現場では農薬危険なんて笑い話になるくらい過去の話なのに、未だに消費者が優良誤認するような販売をしてる事業者にも大いに責任があると思っています。




自分も含めてより多くの消費者が農産物に対する知識のアップデートをしていくことが、結果的に「食の安心安全」をより強くすることになり、消費者と生産者が近くなり、日本の農業を守ることに繋がります。



今まで農薬を使用しないことが「安心安全」の代名詞だったのに、急に農薬危険だなんて大昔の話だよって言われても信じられない方もいると思います。


誤解しないで頂きたいのは、オーガニックや無農薬が悪いのではなく、「農薬を危険と思い込んで」そこから派生していくビジネスやマーケティングに巻き込まれないで、ということをお伝えしたいのです。
今まで通り、無農薬や有機野菜を気に入って買っていただいてた方は、これからも購入することで生産者を支えることになります。

販売者側も徐々にスタイルを変えていくことになるでしょう。


有機、無農薬、慣行など今の生産現場はその垣根を超えて、お互いのよいところを取り入れて、なるべく環境や資源を大事にしながら前向きに仕事をしています。
その中で消費者である私たちがいつまでも「残留農薬って何か怖いよね」程度の知識でいてはもったいない。


農薬を気にしながら野菜やフルーツを食べる時代はとっくに終わってるので、スーパーでもいいし、農家さんから直接でもいいし、野菜、お米、フルーツをもっと楽しんで食べてほしいと思います。



ベジママキッチン の設立当初からの願いである「つくる人とたべる人をつなぐ」を大事にして、今日は農薬に関する話をさせていただきました。


より多くの方にこの内容が伝わりますように。



ベジママキッチン
 代表:折笠



2022年08月28日

野菜の出荷と販売の話

こんにちは、ベジママキッチン です!

今日は野菜の出荷ルールと販売元について話していきます。

___________________

意外と知らない方も多いそうですが、農業は従事するにあたり色々届出や許可が必要ですが、「野菜を作り売ること」自体には資格や届出は必要ありません。

なので、家庭菜園で作った野菜を今日から売ることだってできちゃうわけです。

現実的にその件数は多くはないものの、趣味で野菜を作り食べきれない分は販売してお金に変えるという方法を取ってる方もいます。


なぜ、今日この話をしたかと言うと、最近は農産物のネット販売が主流となり農業者の中で、「誰が作ったかわからない野菜が出回っている」と注意喚起がありました。


その多くが「ネット販売」を介した内容だったので、今一度購入される方もきちんと情報を知っておくべきだと思い文章にしています。


ちょっと怖い事例になるかもしれませんが、現実にあることなので知っておいてほしいと思います。

(実例)
フリマアプリで買った野菜の品質が悪く、○○農園の口コミを調べたらそのような農園はなく、個人の方の家庭菜園の野菜だった。
→多くのショップは出店する際に手数料さえ払えば販売可能です。出店する際に「○○農園」「○○菜園」など好きな屋号で出すことも可能です。


(実例)
イベントで野菜販売をしてたブースで買って、美味しかったので調べたら家庭菜園の方の野菜だった。
→イベントやよくあるマルシェなども出店料を支払えば農家さんじゃなくても販売できます。


(実例)
ネット(ECサイトや大手ショップなど)で訳あり野菜をお買い得に購入したら、常温で届いて腐っていた。
→販売者(個人)が安く仕入れた野菜の転売をしていたようで、仕入れ野菜の温度管理、配送知識が乏しかったとのこと。


(実例)
美味しそうな農産物が相場よりかなり安かったのでネットで買ったが、事件性があるとのことで返金対応となった。
→農産物の窃盗、転売の対象だった。


などなど。
窃盗に関しては言語道断ですが、家庭菜園の野菜を売ることは何も問題がないのでそういった野菜も世の中には販売されていると消費者である私たちが知る必要があるわけです。
(直売所や道の駅も申し込みだけで出荷できるので、農家さんじゃない方が野菜を卸してることもあります)


また、個人のかたが野菜を仕入れ転売してるのも、法律上は問題ないですがやはり衛生管理できない以上ちょっと危ないんじゃないかなと個人的には思います。
(農業に知識のない個人宅に野菜を保管するスペースが確保できないと思うので)


農業に従事、もしくはそれ相応の知識がある方が作った農作物であれば何も問題はありません。


ただ、農業者というのは農作物を安全に栽培するために土壌検査や品質検査、農薬肥料の調整、栽培過程での病気対策や出荷基準の品質維持などとても厳しい基準とルールで農作物を作ってます。
(ちなみに農業者が使える農薬は、ホームセンターで売られている万能農薬よりも弱く、登録者しか使用できないような緻密な設計のものを安全に使用してます)

家庭菜園で農薬を使う場合、農業者用の農薬は使用できないのでホームセンターの万能農薬を使用することになりますが、これも知識があれば問題ないですが希釈など確実に行えているかどうかの保証はありません。

家庭菜園だと無農薬で栽培されるかたも多いですが、農薬を使用しない場合は当然虫食いや病気への対応が遅れるので、収穫した野菜の安全性が曖昧になるケースも多々あります。
ご自宅で食べる分には何ら問題ないですが、販売する以上、どこまでの知識と技術で栽培されているのか、栽培環境は間違いなく安全で衛生的な環境なのか、これが不透明になります。


「農薬不使用」と書かれた野菜は農家さんが品質管理して栽培したものでも、個人の方の家庭菜園でも、どんな畑で育ったとしても「農薬不使用」の野菜として販売されます。


こういった話をすると驚かれるかたもいますが、だからプロの農家さんが存在するわけです。
ただ、農作物を作ってるだけじゃなく、消費者のみなさんが安心して食べられるように徹底した品質管理で栽培されてます。

農業者の多くがJAなどを通し、市場に流通させているので、個人の家庭菜園のかたがそこに参入するのは現実的には難しいので、直売所に出す、もしくはネット販売すると言う体制をとっています。
(実例でも書きましたが、野菜に○○農園、○○ファームなどシールが貼ってあったとしても農家さんかどうかは分かりません)



みなさんが日頃手にしている農作物すべてが、整った環境で栽培され、安全な農薬管理、品質管理の元、流通してるわけじゃないと言うことを知っておくべきだと思うのです。
(だからと言って農家さん以外が作る農作物が危険と言う話じゃありません)


誤解しないでいただきたいのは、家庭菜園で作った野菜を売ることは何ら問題なく、上手に栽培される方も中にはいるでしょうし、家庭菜園といえどなかなかの畑の規模でやられてる方もいます。

なので、ネット販売や直売所の野菜が危険と言いたいのではなく、「誰でも野菜を作って売ることができる」と言うことを知っておいてほしいのです。
※直売所には現役農家さんが規格外野菜を卸してるケースも多く、美味しい野菜が多いですよ


ネット販売であれば、購入前に質問することも可能だと思うので、心配な場合は聞いてみたらいいと思います。


野菜の販売ルールを知って、消費者である私たちも納得して買い物できるといいなと思います。
また、フリマアプリなどで格安販売してる野菜などにはちょっと気をつけてほしいなと思います。


以上です。




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2022年08月03日

農業の高齢化問題に迫る

こんにちは、ベジママキッチン です!

今日は農家さんから頂いたメッセージを元に「農業の高齢化問題」について書いていきます


農業の高齢化問題と聞いてピンとくる方って意外と少ないんじゃないでしょうか?

農業から離れている立場であればあるほど、自分にはそこまで関係ない問題と思う方もいるかもしれません。

ただ、これは私たちの生活に直接関わってくる大問題で、早ければ5年以内には影響が出てくる可能性があると言われています。


まずは農業の高齢化問題とはどういったことなのか、説明します。


現在の日本の農業就業人口はおおよそ140万人ほど。
2000年には389万人ほどだった農業者は2017年には180万人ほどになり、現在はさらに減って140万人ほどとなっています。

数字だけを見れば、この20年間で農業者は半分以下になったということが容易に分かります。


農業者は半分に減ったのに、農産物の生産量が大幅に減らなかったのは残り続けた生産者さんが、想像を絶する苦労をしてたくさんの農産物を作り流通を守ったということも分かります。

現在いる農業者も140万人ほどと聞いてもピンとこないですよね。

この農業者数は、日本人口のわずか1%です。

100人に一人しかいないんです。

逆に一人で100人分の食べ物を作ってると表現すれば、一次産業である農家さんがどれだけ凄いことをしてくれているか分かると思います。


この限りある人数の農業者さんですが、実はその6割強が65歳〜93歳くらいの高齢者なのが日本の現状です。

普段インターネットやSNSで情報をとっている私たちは、情報発信してる農家さんを見ることもあるのでそこまで高齢化問題は身近ではないイメージですが、若い世代が情報発信してるだけであって日本の農産物の多くは65歳以上の高齢農家さんが生産しています。


後継者不足が発端となり、世代交代できないまま定年後も農業に従事するのが当たり前になっています。

そして体が動く限り、重労働である農業を続けている結果、高齢農家さんの仕事中の死亡事故(農機具や熱中症、北国ではハウスの雪下ろしなど)が年々増えていっています。


そして、一人で100人分の食糧を生産してる6割強の高齢農家さんが、この状況であと何年農産物を作ってくれるでしょうか。

5年?10年?
農業を辞めた人の分だけ、新規就農者がいないともう国内自給率は守れないところまで来ています。


その時代が来てしまった時には、生産量が確保できないので国産農産物の価値が上がり、今よりも2倍も3倍もする価格で販売されることになるでしょう。
お店の中を探しても輸入品ばかりで国産のものを探すのが難しくなるでしょう。
輸入に大きく頼るしかなくなった場合も、食の安全よりも国内食料率を守ために今ある規約が緩和されて、相応しくない商品もたくさん入ってくるでしょう。
国産米を食べらるのは富裕層だけになるでしょう。
お米やパンがないから、じゃがいもを主食にしましょう。
・・・こんな時代がきます。


今、令和ですよ?先進国で食が豊かなのに、こんなことになったら怖くないですか?
大人だったら我慢できるかもしれないけど、私は子供にこんな生活を強いるのは嫌です。
でも実際に農水省が行った日本がこのまま食糧危機に陥った場合のシュミレーション結果がこれです。


国土の狭い日本は国内生産できる規模も量も限られており、どんなに農家さんが頑張っても輸入に頼るしかないわけです。
割合として食糧自給率は現在37%、63%を輸入に頼っている状況です。

これがどういったことを意味するかと言うと、これ以上食べ物をつくる人が減ってしまったらさっき記載した食糧危機に陥る可能性が出てくるよ、と言うことです。


あまり関係なさそうな農家さんの高齢化問題は、実はすごく身近な部分に関係していて、消費者である私たち、国民一人一人が正しい知識を身につけて、国産の食べ物を守っていかないといけない状況になっています。

具体的に私たちにできることは国産の食べ物を買うこと、それと同時に農業に就農する割合を増やすこと。
こういったことが必要になってきます。


実際のところ、やる気や知識のある新規就農者さんも多いです。
ただ、やってみないとわからないのが農業。
10人始めても5年後は3人しか残ってない、これが今の現状です。


価値観や志しは人それぞれなので、どういったスタイルで農業に従事するかは自由ですが、やはり若い世代の多くが有機栽培や特別栽培に挑戦し、農業をスタートするので栽培技術も難しく、収量も取れないため収入が安定せず続けていくことができないと言う状況もあります。
(以前も話してますが、一般農業でない場合はコストやエネルギー消費が大きく、有機野菜や無農薬野菜をたくさん買って応援しても生産者さんは増えないし、栽培作物の単価も下がらない、単純な構造でないことを消費者である私たちも理解しないといけません)


このブログを読んでくださってる方は、私がいつも栽培法はどれが優れていると言うことじゃなく、どれも必要でそれぞれの目的に向かっていってるんだよと言う話をよくしてることをご存知だと思いますが、こういった考えがあるのは、本当の意味で日本の農業を守りたいということがベースにあるので、買う側である消費者さんにも正しい情報を知ってもらいたいという気持ちがあります。


高齢化問題を理解していただけたなら、明日からも国産野菜、国産フルーツ、国産米を買うことで応援してほしいなと思います。
もっと言えば、加工品なども裏面を見て「国内製造」ではなく、「国産○○使用」を選んでくれたら嬉しいです。
そうすることで、生産者さんも収入になり、離農率にも良い影響が出てくると思います。
こうして私たち自身が、国産食物を選び続けることによって、巡り巡って食の安全に繋がっていきます。


農業と離れた場所にいると、スーパーで当たり前に売ってる野菜が5年後10年後に2倍3倍の価格になるなんて想像もしないですよね。それが普通です。


ただ、高齢化問題に潜む食料自給率問題、この部分を私たちが理解し行動することで、結果的に日本の食糧を守ことに繋がります。


今日も読んでいただきありがとうございました




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2022年07月27日

農産物の表示について

こんにちは、ベジママキッチン です!

今日は「野菜の表示がよく分からない」と言ったメッセージを頂いてたのでその内容で書いてみようと思います


まず、野菜の表示については細々話すとても複雑で難しいので、消費者さんが判断する際にポイントとなる考え方だけまとめてみようと思います。

まず、農産物は3つの栽培法に分けられるという話は何度もしてますが、そのうち有機栽培と特別栽培は野菜を販売する際に「特定の表示」をつけることが可能です。

例えば、有機栽培であれば認証を受けた農場や法人は「JASマーク」をつけて販売します。
→逆に認証を受けてない場合に「オーガニック」や「有機野菜」「有機栽培」として紹介・販売することは罰則にあたり禁止されています。


特別栽培であれば以下の表示となります。
化学農薬を使わなかった場合右向き三角1︎「栽培期間中:化学農薬不使用」
化学肥料を使わなかった場合右向き三角1︎「栽培期間中:化学肥料不使用」
節減対象農薬を減らした場合右向き三角1︎「栽培期間中:節減対象農薬○割減」
節減対象農薬を使わなかった場合右向き三角1︎「栽培期間中:節減対象農薬不使用」

節減対象農薬とは?・・・JASが認定してる農薬以外の農薬のこと。

など、若干表記が異なるパターンもありますが、このような形で表示することとなっています。
→「無農薬野菜」「無化学肥料栽培」「減農薬野菜」「低農薬栽培」「安心安全自然農法」「有機農業に限りなく近い」などと言った表記は原則禁止されていて消費者が優良誤認しないためのルールとなっています。

優良誤認とは?・・・商品・サービスの品質を実際よりも優れているように偽ること。(消費者庁HPより)


何も表示がない野菜はいわゆる慣行栽培の野菜となりますが、現実的には農薬を減らしたり使わずに栽培されている生産者さんも特に表示をせず出荷している場合もあります。
→表示に関わるコストや調査の手間削減など。


とは、書いたものの実際よく分からなくないですか?

え、だって無農薬野菜とか記載されてネットにバンバン広告出てるよね?
究極の栽培法とか、JASマークなくても有機栽培って言ってる農家さんいるよね?
無農薬無化学肥料ってめちゃめちゃよく見るよね?

って、私も思いました(笑)

ここをちゃんと消費者さんが分かるように国も農家さんももっと発信していかないと、どの栽培法が一番いいとかそういう論点になってしまいますよね。
でもね、ガイドライン上はこう言った販売形態は実はダメなんです。。。
一応聞いたんですが、よくSNSのプロフィールページに無農薬とか自然農法とかそうゆうのを載せるのは問題ないそうです!
これは、買う前にメッセージのやりとりができるからきちんと説明できるという前提のため。


シンプルに考えるなら買う側としては、JASマークがついてたら有機栽培なんだな、農薬や肥料についての表示があれば特別栽培なんだな、何の表示もなければ慣行栽培なのかな、くらいの認識でいいと思います。


まあ、このくらいわかっていれば大丈夫という方はここまでで終わりにしていただいて。
もっともっと内容を知りたいよって方はここからも読んでください。


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まず、農産物に関わるガイドラインは30年前くらいから、きちんと制定されています。
有機や特別栽培についても何度か改正はあったものの15年前のガイドラインが最終更新となっています。

つまり15年前くらいから、消費者が優良誤認しないように表示や説明をきちんとしていこう!!と、ガイドラインが確定してるにも関わらず、一部の消費者さんは未だに誤認してしまってたり、農家さんでさえ理解せず今日も無農薬野菜ですよーと販売してしまってる現状があります。

これってお互いにとって結構困ることじゃない?と個人的に思うので、八百屋として日々色んな角度から情報発信しています。


ガイドラインとは、農産物販売に関わる全ての人が販売する側の責任として消費者に誤解のないように守っていきましょうというもの。
法律ではないので守らなかったからと言って罰則はないですが、モラルやマナーの観点から言ってきちんとルールを遵守してる生産者がいる以上、みんなで守ることに意味があります。


生産者としては、栽培法に付加価値をつけて販売したい気持ちはすごく分かります。だって苦労して栽培してる野菜ですもん。うちの野菜はここがすごいよー!って声を大にしてお勧めしたいですよね。

消費者さんとしても馴染みのあるワードだし、安全そう!安心だわ!って思ってしまいますよね。

とても良く分かりますが、そういった行動をこの15年間変えなかった為に現在も消費者さんの優良誤認が続いており、私たちの食生活にも大きく関わってきているわけです。

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ここまで読んでどの辺が優良誤認なの?と思う方もいるかもしれません。

具体例でいくと「無農薬野菜です!」と販売してたら皆さんはどう思って買いますか?

多くの方は農薬を使ってないから安心、その野菜自体に農薬はついてない。と考えるのではないでしょうか。


ただ、実際には前の月に同じ畑で違う野菜を作っていてその時は農薬を使用したかもしれない。(土壌残留があったかもしれない)
お隣さんの畑で散布した農薬がかかってるかもしれない。
オリジナルの調合液を農薬として使ってるかもしれない。

怖がらせたいわけではなく、農家さんも嘘をついてるのでなく、作り手と買い手の認識の相違が起きてしまいがち、これが優良誤認です。
(肥料にしろ資材にしろ、誰も確認が取れないので考え方は全部同じ)


誰も悪くないんだけど、調べる第三者がいないから確証はないよ、ということになるのでガイドライン上は安全を過大評価するような販売はしてはいけないというルールになるわけです。
(もっとも、生産者さんを信じて購入することも大切ですし、実際に無農薬で栽培してるのは事実だと思います)



なので、毎度か言ってますが、どの栽培法が1番いいという話でもなければ、栽培法と栄養はあまり関係がないという分析結果も以前より出てるので、どの野菜が栄養価に優れているということでもないのです。


前回のブログでお話ししたように安全は科学でしか測れないけど、あとは自分がどんな背景で育った野菜なら安心して食べられるのかという気持ちの部分になるので、それはそれぞれ違いますから誤認さえしなければ、どの野菜を選んだって問題はないです。

生産者さんは、それぞれの理念で間違いなく、消費者さんに安心を届けたいと思って野菜や果物、お米を作ってるので安心して食べていただきたい。


ただ、農業って本来は都道府県ごと、地域ごと、農家さんごとに多様性があって、色んなやり方があっていいものなんです。
それを誤解がないようにと、どんどんルールばかり制定されていってる事実もあるので農家さん側の気持ちが追いついてないということもあると思います。

ルールはわかっていても、付加価値をつけて販売していかなきゃいけない事情もあるかもしれない。
有機農業なら野菜単価が高いのに出荷量は多くないから全部売れてくれないと困るし、付加価値をつけていきたい気持ちもすごく分かります。

他のこだわり栽培でも生産者さんの思想と購入者さんの希望が合えばそれが付加価値になっていくのかもしれない。

ただ、これって買う側である私たちがきちんとそれぞれにメリット、デメリットがあってどれが優れているとかそういうことではないんだよ。という共通認識さえ持てば、ここまでルールを厳しくする必要はないし、競うように「安全です!無農薬です!有機栽培です!」ってのを全面に出さなくても、美味しかったら売れると思うんです。


そうすれば生産者さんももう少し伸び伸びしたルールで栽培することができるし、私たちにも選択肢が増えていく好循環になると思うのです。



表示のことを知りたい方が多いのは、それだけ栽培法が気になってのメッセージだったと思うのでここまで掘り下げて書いてみました。


一番いいのは、この人が作る野菜なら安心して食べられる、このお店で買う野菜なら安心といった自分が信頼できる生産者さんと出会えることが理想ですよね。


食と安全ってセットにされがちなので、いろいろ考えてしまう気持ちもすごく分かります。

ただ、不安な気持ちで食べるよりも「今日も野菜たっぷり食べた!美味しかった!」という気持ちで食べる方が体にも心の栄養にも良い気がします


お店で野菜を手に取る時やネットで買い物をする際の参考になればなと思います。

読んで頂き、ありがとうございました


※ガイドラインへの説明について
農林水産省 大臣官房 新事業・食品産業部
食品製造課 基準認証室からの回答を元に解説してます。


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2022年07月25日

安心と安全

こんにちは、ベジママキッチン です!

今日は似てるようで違うもの「安心と安全」をテーマに書いていこうかなと思います


日常の中でよく聞く、目にする機会も多いワード「安心安全」。


食品なら特にこのワードが多用されているイメージがあります。

では、みなさんにとって食品に対する安心とはどんなことでしょう?


国産であること?生産者の顔がわかること?無添加?無農薬?その安心材料は人によって様々だと思います。


では安全とはどういったことでしょう?

成分表示?流通経路が見えていること?みんなが食べているから?これもまた安全だなと感じる基準は人によって変わるかもしれないですね。


では、これを野菜に当てはめて具体的に考えていきましょう


まず、野菜を食べるにあたっての安心とは・・・

先ほどの例の他にも「オーガニックなら安心」「農薬を使って無かったら安心」「知り合いの農家さんから買うから安心」「産地がわかるから安心」など人によって安心と思う基準は様々あります。

この事柄から分かることは「安心」とは私たちの気持ちが優先されるものということ。
つまり、主観が大切になるのです。


では一方で野菜に対する安全とは・・・?

「良い環境で育てられている」「体に悪影響を及ぼさない」「不特定多数の人が触れていない」「腐っていない」などこれも色んな考え方があると思います。

ここから分かることは安全とは目に見えにくいものだということ。


では、どのようにして安全を確保し野菜を食べていますか?

無農薬野菜を選ぶ方は農薬を使っていないことが安全の基準となり選んでるかもしれません。

育てられた背景が気になる方は有機野菜を選んでいるかもしれません。

色んな人が触ってしまうことが嫌なら産地直送で野菜を頼んでいるかもしれません。

腐った野菜は食べないという最低限のルールを大事にし野菜を食べている方もいると思います。

ただ、これって本当に安全なの?と言う疑問は残りますよね。

このように安全とは意外と不確かなもので目に見えないことが多いわけです。

ということは安全とは客観視しなければ本当のところは分からないのです。
(客観視・・利害や感情などを除いた観点で状況を見ること)


そう考えるとよく使われる「安心!安全!」ってかなり責任のあるワードですよね。
だって、安心かどうかは食べる人が決めることですし、安全とは気持ちの問題ではなく客観的に判断するものですから。
安心安全!って売ること自体が押し付けであり、ナンセンスな気がします。笑



じゃあ、野菜の安全を客観視してくれるものって何でしょう?

これも色々考えて調べましたが、やはり目に見えない安全を得るためには「科学的根拠に基づいたデータ」で判断する以外ないと思うんです。

どう頑張ったって、売られている無農薬野菜に本当に農薬がついてないかは目に見えないですし、有機野菜が本当に環境に優しい栽培法で作られているのか、不特定多数の人が触った野菜には菌がどれだけついてるのか、腐るとはどの時点のことを言うのか?

安全を確認するには科学の力を借りて数値化するしか方法がないのです。



ここからは少し難しい話になるかもしれないですが、私自身も科学にそんなに詳しいわけではないですが野菜を売る立場として無責任に安心安全を押し付けるのは嫌なので、栽培環境であったり、農薬や肥料のこと、流通環境のことを客観的にみて判断するには、やはり科学的なデータと根拠を知ることが大切だと思いました。


まず、その内容を理解するためには「毒性学」を知らないと話が進みません。

なんか。。おどろおどろしい言葉ですよね、毒性学。笑

ただ、これは怖いものでも何でもなく、全ての食品や薬、私たちの体に触れるものはこの「毒性学」をベースに安全性が担保されるわけです。


毒性学とは・・・「物質による生物生体への悪影響を科学的に見る学問」


農産物に関して言えば、この毒性理論を基に農薬や肥料、カビ毒や自然毒、腐敗が環境や生物、人間の体にどういった影響を与えるのかを感情や思想を抜きにして、事実だけ科学的に調べて結論付けてくれるのです。


その事実を通して行政機関である食品安全委員会が、食品の摂取許容量や推奨量、どれだけ使えば危険でどのくらいであれば影響がないのかの最低ラインを決めて、法律と紐付けて食品は販売されるわけです。


皆さんの関心が高い農薬や化学肥料についてもこの流れで何千回もの検査を5〜10年かけて行い、毒性試験に合格し、環境や生物、人体に影響がないと判断されたものだけが現在農薬として登録されています。

ただ、これはどんな物質でもそうですが、砂糖でも塩でも水でも摂りすぎたら体に悪影響があるのと同じで、農薬や肥料は「適正量と使用方法」が農薬取締法という厳しい法律で定められています。

なので安全を客観視するのであれば、農薬や化学肥料は安全性が科学的にも証明されていて、適正量や使用方法を遵守することが大切と言えます。


ただそうは言っても、気持ちの問題が残っていますよね。

安全が担保されたとしても、やっぱり化学物質が野菜にかかることが怖い。
本当に大丈夫なの?信用ができない。
環境には本当に影響がないの?

こう言った消費者さんの意見も大事にし、食品安全委員会は「ADI」と「ARfD」という基準を設けています。

ADI・・・一生毎日摂取し続けても大丈夫な1日あたりの摂取量
ARfD・・・短時間に大量摂取しても健康に影響がないとされる摂取量

科学的知見に基づき、この量なら残留してても体に影響がないよ、という最低ラインはありますが、不安視する声や民意を大切にし、その最低ラインからさらに1/100以下が残留しても大丈夫な量と決めましょう、というのがADIやARfDと呼ばれる基準値です。

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なので、残留農薬という言葉ばかり強いイメージですが実際に農産物に残留してる農薬量はほとんどは測定が難しいレベルのものです。
※複数種同時に摂取した場合なども含めてきちんと毒性試験は行われています。

逆に農家さんがこの基準を遵守するから、農薬を使用した野菜は科学的に見ても身体に影響がないことが担保されていて、農家さんがこのルールを守らない場合は罰則があり、農産物は市場に出せないルールとなっています。

環境や生物に対しての影響も、何年も試験され続けて約50年前に使いすぎていた農薬は量や濃度が見直されるようになり、生物に対しての影響も鑑みて生産されています。

日本が諸外国に比べて農薬の種類が多いと言われるのは、海外に比べて虫や病気も多いのに「○○にしか効果がない」など環境負荷を考慮して対象にしか作用しない農薬の開発が進んだからです。
多様性を大事にし、地域ごと、農家さんごとに選択肢が広がるように種類を増やしてるだけであり、農産物に何十種類もの農薬が使われていると思っていたらそれは大きな間違いです。

農薬を使用する農家さんの大半は野菜に対する農薬ではなく、除草に対する農薬です。
それももちろん科学に基づき安全性は担保されていますが、農家さんごとに使う使わないの選択をし、生産をしています。

なので、生産者さんも消費者さんもイメージで農薬や肥料を語るのではなく、科学的知見から見て安全性を考えるべきなのです。

きちんと理解している生産者さんは、規約を遵守し使用する、もしくは安全性を理解した上で使用しない、減らすという選択をしていかないと、いつまでもこの問題は終わらないわけです。

そして、間違った認識からの無農薬野菜は安全、有機野菜は世界を救うと言った突拍子もない結論が飛び出すわけです。


私個人としては、何かを悪く言いたいのではなく、本当に安心安全を求めるのであれば「安心は気持ちの問題だからそれぞれでいいよ」「安全は科学が証明するものだから指標にするといいよ」「食べる側の気持ちや安全を汲んだ上で法律や数値は決まっているよ」ということをお伝えしたいです。


逆に安心安全を語る上で、主観と客観が無視されているような情報(安心ばかりを語り、安全への担保がない、危険ばかりを語り、毒性学や量についての言及がない)であれば信じる必要はないし、食品を選ぶにあたって一人一人が安心と安全の見方をきちんと分けて考えられるようになれば、生きてく上で選択すべきものがそれぞれ見えてくるのかなと思っています。


野菜の表示や選び方のメッセージもいくつか頂いてるので、お答えできる範囲で次回は書いてみようと思います


読んでいただき、ありがとうございました



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2022年07月24日

美味しさについて言及

こんにちは、ベジママキッチン です!!

やっと「野菜の美味しさ」についてのテーマで話を書けます!笑
前置きが長くて申し訳ありませんでした


みなさん、人生で「えっ?すんごい美味しんだけど!!!」と言いながら野菜食べたことありますか?

私は何度かあります。

畑で採れたての野菜を収穫しその場で食べさせてもらった時、こだわり栽培の野菜を食べさせてもらった時、低温貯蔵の越冬野菜を初めて食べた時など、そこには数々の感動があったわけです。


それと同時になぜ「野菜」はここまで味に差があるんだろう?鮮度?栽培法?作り手の技術?色んなことが気になったのです。


ここからは経験と主観で話すので、これが正解って訳ではないと思うので、そういう考え方もあるのね!くらいに聞いてください。


まず、野菜の美味しさを語るにはやはり「鮮度」は絶対的に外せないですよね。
(低温貯蔵や越冬野菜はまた条件が違うので一旦置いておきます)

じゃあ、鮮度がよければ何でも美味しいのか?

それも違う。
ぶっちゃけ採れたてでも、美味しい野菜もあればそうでない野菜もある。


じゃあ栽培法?

それもちょっと違う。
栽培法に限らず、美味しい野菜とそうでない野菜は残念ながら存在する。


じゃあ、作り手の技術?
うん、そうかもしれない。私が経験上思ったのはココ。


というのも、農家さんも新規就農したばかりの人や2〜3年目でまだ栽培の研究中です!って方もいれば、30年以上やってます!みたいな大ベテランもいたり、経験や規模に応じて近隣農家さんに技術指導するレベルの農家さんもいるわけです。


料理人でも美容師さんでも何でもそうですが、技術職である以上ある程度の経験や知識を積むことは必要ですよね。
情報がたくさん得られる時代なので、直接農家さんに勉強しに行ったり、就農前から多くの知識をつけて挑む方もいますが、やはり農業は自然相手なので「やってみないと分からない」わけです。


そういった部分も加味すると「美味しさ=作り手の技術」ということになるのかなと感じています。


例えば、今時期だと胡瓜や茄子の収穫も盛んですが、これらは水分の多い野菜なので水量や肥料など状態を見極めて細かなサポートをしないと味に影響が出ます。
肥料も多すぎてもダメだし、水をあげるタイミングなど野菜一つでこんなにも違うのかとびっくりするほど手がかかります。

有機肥料をあげれば何でも美味しくできるわけじゃないし、無肥料でゆっくり育てたからといって美味しくなるとは限らない。
全ては作り手さんの塩梅なわけです。


ベジママキッチン の提携ファームである小松ファームさんは、新規就農者や近隣農家さんへも技術指導を行なっている農家さんで、アスパラやお米がメイン栽培ですが、その他の少量栽培の野菜たちもやはり美味しいんです。

それは、アスパラの片手間で栽培してるわけじゃなく、少量でもきちんと野菜ごとに合わせた成長サポートをして生産者さん独自の目線で美味しい!と思ったタイミングで収穫していますし、このブログを読んでいただいてる方は農薬や肥料のことはもう勉強済みかと思いますが、きちんと農薬の安全性も理解した上で栽培期間中農薬を使わなかったり、減らしたりしながら栽培されている農家さんです。
(農薬を減らしたり使わないことで起きるリスクマネージメントもきちんとされています)



すでに全国に販路を持ってらっしゃる農家さんだったのですが、こうして苦労して栽培した美味しい野菜をもっと個人の方に広めていきたいという私の願いに賛同していただき、ありがたいことに発送対応などご協力いただいております。


他の農家さんたちも、キャリアだけでなく、自信を持って美味しいと言える野菜を出してる生産者さんたちにご協力いただいて、ベジママキッチン は成り立っています。

そして、オープンより当店で野菜を買っていただいてる皆様に支えられて続けることができています。


「野菜の美味しさ」を言及したら、それは鮮度や栽培法だけでなく、作り手の技術が大幅を占めるという結論に至りました。


さて、みなさんはどう思いますか?

もし時間があれば身近にある野菜の美味しさについて考えてみていただけたら嬉しいなと思います。


次回はテーマが決まってないので、こんなテーマで書いて欲しい!などあればメールやDMお待ちしてます



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2022年07月22日

農業から食の安全とは?

こんにちは、ベジママキッチン です!

今日は、野菜の栄養や美味しさの話と、農業からみた食の安全も踏まえながら書いていきたいと思います

ただの八百屋が、何でここまで農業に踏み込んで話をするのか疑問を感じる方もいると思います。

野菜を売りたいだけなら「美味しい野菜」に焦点を絞って話せばいいだけですが、情報化した社会の中であまりにも食に関する誤認や、野菜に関する知識の相違が起こっていて、野菜を売ってるだけでは本当の意味での日本農業の存続や、消費者である私たちの健康に繋がらないと思ったからです。


ベジママキッチン に関わってくださった方には、せめて広い視野で食の選択をしていけるようになって欲しい。

私は八百屋ですが、親族は農家だし、育った環境的にも酪農、畜産、農業に関わる人をいっぱい知っている、北海道食材の流通に関わる人間もおり、全国に友人知人もいて現地の情報も聞ける、農業の世界システムや農機に精通して最新の技術を勉強してる人間も身近にいる、そして主婦であり、母であるわけです。


ただの野菜販売であれば、ここまで発信はできなかったかもしれない。

八百屋の始めたきっかけとしては、美味しい野菜を全国に広めたいということの他に、農業への理解、農産物への誤認を正していかなければ、食の安全はどんどん違う方法に向かっていってしまうと思ったからです。


農家さんや八百屋さんでも農薬や化学肥料のことはふわっとスルーする方もいるし、あえて踏み込んでいく八百屋は特殊かもしれません。
でも、私も子供がいる身なので、子供に胸を張って「お母さんは真剣に野菜を売っている!」と伝えるためには、いかにプロフェッショナルに仕事と向き合えるかを考えた時、そこは避けて通れるものじゃなかった訳です。

じゃあ、きちんと調べましょうと思って情報を得て勉強すればするほど、現場の声と事実と消費者さん側の認識の相違が浮き彫りになったので、このままじゃダメでしょ、と思って発信してます。


事実が書いてる農業誌や研究論文、分析結果などは専門用語が多く、一般消費者が簡単に理解できる内容ではないので、そこを噛み砕いて伝える役割がまず必要なので噛み砕いてます(笑)

そして現場の農家さんの声を聞きながら、主婦として母として消費者としての感想も織り交ぜながら書いております。


さて、本題に入りましょう。

野菜の栄養と一括りに言っても、どの時点での栄養のこと?と思う訳です。

採れたて野菜なのか、スーパーの野菜なのか、有機野菜なのか、調理した後の野菜の話なのか?

これは着眼する角度で結果が違いますよね。

私が野菜の栄養について語るときは調理前の買ったばかりの野菜の栄養をベースに話します。
つまり含有量です。

一方、学校給食などの栄養を語る時には摂取量が基準となる訳です。

このように「栄養」と言ってもどこの時点の栄養を指すのかによって目標とする値が変わってくるのです。
なので、栄養学を学んだ自分としては野菜の栄養について話す時には「この野菜にはこの栄養が多いと言われているよ。」というベースで話しますが、実際にその栄養を摂取できるかどうかは個人の体の状態により違う訳です。

ダイエットも同じですよね。自分に合ったダイエットが見つかれば痩せられるし、合わないダイエットはいくらやっても結果が出ない。

野菜も同じで、自分に何が足りなくて何が足りてるかは科学的に検査する以外にはわからない訳です。

だからこそ「バランスの良い食事」が必要なのです。


基本となる五大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)をバランスよく摂りましょう、人によって微妙な差はあるけど基本的にバランスの良い食事を続けることで体は作られていきますよ、という指標を掲げている訳です。
(厳密に言えば運動をしたり、ストレスのない生活など目標はいろいろありますが)


ビタミンやミネラルだけ摂っていればいい訳ではなし、野菜だけ食べれば言い訳でもない、お米やお肉、魚など人間にとって必要な栄養素が複雑なバランスであるからです。


よく言われる、コンビニ弁当や添加物を使ったお菓子、カップ麺などは良くない代表にされがちですが、コンビニや添加物が悪いのではなく、「そればかり食べること」が問題なわけです。


そりゃ栄養バランス摂れてないもん、体壊すよねって。

こういった発信をしていると世の中の「悪」とされている情報に振り回されて疲れてしまったお母さんから問い合わせが1週間に1回くらいあります。

ある一人のお母さんとの話です。(掲載の許可は頂いてます)

その方はSNSではいわゆるインフルエンサーと呼ばれる立場の方で3万人近いフォロワーさんがいて「オーガニック食品の良さ」を広めている方でした。

どうやってこのブログに行き着いたかは分かりませんが、私のブログを読んでオーガニックの考え方が違って戸惑っているというご連絡でした。

大前提として私は農業の観点から見る話をいつもしてるので、どの農業が素晴らしいということでなく、どれも必要で大事なのはバランスと理解だ、ということをいつも念頭に置いてます。

オーガニックについて発信してる方なので、当然、有機野菜をおすすめしてらっしゃった訳ですが、有機野菜は無農薬だと思い込んでいて必要に迫られた場合には農薬を使用していいものだとは知らなかった、とのこと。


一応補足しておくと、有機農業を無農薬で頑張って栽培されている方もいます。ただ、規則上、一部農薬の使用は認められているので使ってるかどうかは農家さんに聞かないとわからないものです。


その方とお話ししたのは、環境に良い、お洒落、耳障りが良い、安全そう、イメージだけで語られる「オーガニック」と農業の「オーガニック」は違いますよという話をしました。
もっと言えば「オーガニック」=「有機」という考え方は合ってますが、有機農業は農業の頂点ではなく、慣行農業、特別農業と並ぶ一つの農法であるだけという説明もしました。


現実に実現できてる有機農業は確かに素晴らしく、生産者さんの努力の賜物です。
それと同時にオーガニック野菜(が)素晴らしいのでなく、オーガニック野菜(も)安全で美味しいが基準な訳です。

「農薬がたっぷり」という言葉をしきりに使っていらっしゃったので、農薬を使い育てた野菜はトーストにたっぷり塗るバターのようにジュワッと染み込んでいると思っていらっしゃいます?という私の問いに最終的には笑っていましたが、もしこれが一般に「農薬を使った野菜は危険」と思い込んでる方達も同じようなイメージで認識してるなら、これは大事件です



無農薬野菜についても質問を受け、それぞれ長所と短所を説明し納得されていました。
オーガニック食品についてももう一度勉強するとおっしゃってました。


補足しますが、農薬を使用した野菜の残留農薬値は分析に使用する精密な機械で何とか測れるか測れないか、測定不能かのレベルです。
(しかも洗わないで皮付きのまま測定してます)
測定不能であれば無農薬野菜も有機野菜も農薬を使用し育てた野菜も全部同じ水準な訳です。

科学的証明されている以上、それ以上のデータがない限りそこまでが現時点での事実なわけです。


なぜ、このような話をするのかというと、食や健康に興味津々な私たち子育て世代は昭和の時代に比べて情報はまずインターネットで得るというのが染み付いてます。

便利になった一方で、今度はネット上に現れる虚偽やそれに近い情報を精査し判断しなければいけなくなりました。
これが個人でできる方は問題ないと思いますが、子供の食に悩んでいる多くのご両親が検索して最初に出てきた情報、もしくは発信されてる内容が多い情報を信じているように思います。

その情報は誰が何の目的で誰のために発信している情報なのか、視野を広くし判断しなければいけない時代に突入しているのです。


「食べることは生きること」だった戦後の時代から「食べることは選ぶこと」に変わった令和の時代。

科学の進歩を否定していては、モノの本質が見えなくなります。

色んな研究が進んだからこそ、私たちの知識もアップデートして受け入れていかなければいけないと思います。

日本の食は豊かになり、選択肢が増えたのに、自ら選択肢を狭める行動に意味はあるのか今一度見直す時にきていると思います。


今日もまた「野菜の美味しさ」まで話がいかなかった・・・すみません(笑)
次回は必ず。


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2022年07月17日

前回記事への補足

こんにちは、ベジママキッチン です!

先日のブログに対して多くの反響があり、とてもびっくりしております。
たくさんのメッセージも頂き、少しでも「野菜」というものに対して世の中の理解が深まればと思いました。

誤解がないように補足をさせてください


これは個人の主観も入りますが、それぞれの栽培法には役割があると思ってます。
慣行栽培には、日本が食糧危機に陥らないように安定性を担う役割。
有機栽培には、環境に配慮した持続可能な農業を広く実現していく役割。
特別栽培には、色んな角度から生産のアプローチをしながら消費者のニーズに応える役割。

だからこそ、全ての栽培法にリスペクトがあり、それぞれの役割と目的で農業をされていると思っています。

項目を分けると3つにはなりますが、農業というのは農家さんの数だけやり方が存在します。

認定を取り、お金をかけて有機農業を実現している農家さん、慣行だけど化学肥料は使わず有機肥料を使っている農家さん、肥料や農薬をを使わず自然栽培している農家さん、有機栽培はしているけど認定は取らず環境に配慮している農家さん、企業と契約して沢山の作物を栽培し貢献している農家さん。

これ以外にも色んなやり方で農業をしてらっしゃいます。


前回の記事では、日本での有機農業は一筋縄ではいかない、というお話をしましたが実際に有機認定を受けて有機農業に従事されている農家さんもいらっしゃってこれも本当に凄いことです。

複合経営についてもお話ししましたが、動物堆肥だけでなく、魚粉や油かすや緑肥なども有機肥料ですが運搬コスト、規模、環境、土壌問題など課題が大きいためです。

オーガニックという言葉ばかり広まり、本当の意味での有機農業があまり浸透してない気がするのですが、皆さんどうですか?

オーガニック=身体に良い
オーガニック=無農薬
オーガニック=安全で美味しい
こういったイメージだけが先行している気もします。


政府が掲げている有機(オーガニック)農業とは「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組み換え技術を利用しないことを基本とし、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」とあります。


長いし、分かりづらーい


まぁ詰まるところ「できる限り環境に配慮して日本農業を続けていけるようにがんばろっ!」みたいな感じです。
身体に良いものを作ろう!というより、農業の観点から言うと環境に良い栽培をしよう!ということになります。

もちろん、その先に安全や美味しさを求めることになりますが、それはまた別の時に深掘りします。

化学農薬や化学肥料については使用量やタイミングを遵守することで人や環境に影響がないことがわかっています。
じゃあ何で使わないようにすることが環境を守ることなの?って話ですが、肥料や農薬にも資源があり、生産するにもコストやCO2が出たりするので、いずれその資源が枯渇してしまっては農業が成り立たなくなる時代がきてしまうことが理由に挙げられています。


だからこそ、なるべく資源を大切に必要最低限の生産量を目指してバランスをとっていこう!ということで有機農業が推進され始めています。


買い物は投票という言葉もよく聞きますが、有機農業に関しては有機野菜を沢山買ったところで有機栽培面積が増えていくというシンプルな仕組みではないことだけ理解して応援し続ける必要があります。


また、話は戻りますが有機作物、有機農業を全面に出し野菜の通販をしている企業などもありますが、本当の意味で有機農業を考えた時に大事になるのは「地産地消」がポイントになってきます。

その土地で環境に配慮して作られた作物を、環境に配慮した方法で運搬し、地域で販売、消費する。

土に優しくあることだけが、有機農業ではないんですね。
(そもそも慣行でも特別栽培でも土のことをちゃんと考えてやってますし)

これを日本という土地でどこまで実現できるのか課題は山積みです。
土地が広く有機農業にも向いてる北海道でさえ、全国に広く大量に有機農産物を流通させるには運搬の問題が立ちはだかり、せっかく環境に配慮して作ったのに運搬でCO2など出してたのでは成立しないからです。


こういった背景もあるため、ベジママキッチン では、栽培法をセールスポイントにせず、「美味しい北海道野菜」を全国に広める活動をしています。


物事は常にインバース(裏表)という言葉もありますが、何かを良くしようと思った時には何かが犠牲になるようになっていて、そのリスクや限界値のどこに重きを置くかの判断が必要になってきます。

世界情勢の影響を受けて、農薬や肥料、資材の高騰など農家さんは大変な状況にあります。


そんな状況の中でも、私たち消費者に安全で安定した野菜を流通させるためにそれぞれの分野で奮闘してくれてます。

いち八百屋が何をいってるんだろう?と思う方もいるかもしれないですが、私は私の立場で食と向き合い、絶対に無くしてはいけない日本の農業について今後も考えていきたいと思ってます。


野菜の美味しさについて語りたかったのに今日も長くなってしまいました(笑)
その話はまた次回に。


読んでいただきありがとうございました




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2022年07月15日

ここ最近のお問い合わせについて

こんにちは、ベジママキッチン です!

日にちが空いてしまいましたが、お陰様で徐々にリピーター様にも恵まれ、忙しい毎日を送らせて頂いてます

3月にオープンした当ショップですがオープンより3ヶ月が経ちました。

いろんな失敗や試行錯誤をしながら、日々皆様に支えていただき感謝してます。
本当にありがとうございます!!

夏にはキャンペーンの抽選や、楽しい企画も予定していますので一緒に盛り上がっていただけたらと思っています♩


さて、表題の「ここ最近のお問い合わせについて」ですが、SNSを通したくさんの方にご覧いただける機会が増えてお問い合わせも毎日のように頂いております。
ありがたいことです

野菜の販売時期や量、ギフトの相談も多いですが、最近の食に対する傾向なのでしょうか、野菜の栽培法や農薬の有無についてもお問い合わせ頂いてます!

店の責任者として当たり前ですが、包み隠さず取り扱いの野菜については説明させて頂いてますが、問い合わせが多いのでまた、こちらでも詳しく載せていこうと思います。
(日頃のメッセージのやり取りだけでは語りきれないことも多いので)

まず、当店で扱っている野菜についてですが慣行栽培、有機栽培、特別栽培全ての栽培法の野菜を取り扱っています。
野菜により、農家さんにより様々なので多品種扱っているため「この野菜は・・・」とひとつひとつの説明は省かせていただきます。

よくご質問いただく「無農薬野菜ですか?」についてですが、無農薬野菜です!という表現は原則禁止のため「栽培期間中農薬不使用の野菜もありますし、そうでない野菜もあります。農薬を使用していない野菜のみの詰め合わせは対応しておりません」という回答になります。

買う側からしたら、ややこしいですよね。
ただ、売る側の立場としては正しい情報をお伝えしなければいけないですし、お店のスタンスを知っておいていただきたいと思ってます。
当店に限らず、選ぶのはお客様の自由なので、お店の姿勢を知って選んでいただけたら嬉しいなと思っています


3つの栽培法についての詳しい説明はブログの別記事で書いてるのでそちらを読んでいただけたらと思いますが、なぜベジママキッチン が無農薬や有機にこだわらず、野菜の販売をしているかをお伝えしたいなと思います。


2つ理由があります。

1.日本の農業を理解し、多面的に支援していくため
日本の農業は世界的に見ても特殊であり、規模、気候、栽培する農産物の種類など海外とは大いに異なります。
よく挙げられる例として「海外は有機栽培が主流」「日本は農薬を使い過ぎている」といった消費者さんからのご意見もありますが、そもそも海外の農業事情と日本の農業事情は大いに異なるので比べることって意味あるのかな?と思ってます。

まずは、海外(アメリカやヨーロッパ)では有機栽培が主流というのを紐解いていきましょう。

アメリカやヨーロッパでは土地の規模も日本と全く比べ物にならない範囲で、酪農や畜産の規模がとても大きく、そこから出る糞尿を有機肥料にして農業に生かしています。
しかも、これをひとつの農場で行う複合経営が主流です。

つまり、同じエリアの農場で酪農、畜産、農業を行える循環型農業が実現するため、低コストで運営できるという良いシステムになっています。

一方日本では、北海道こそ大規模で酪農畜産、農業と循環型で行えることもありますが、そもそも土地の規模が日本全体では狭いので、集約型農業といって狭い範囲でたくさんの農作物を作らなければいけないのが日本の農業です。

今でこそ循環型農業も少しづつ範囲を広げ、有機栽培も増えてきていますが、海外と違って複合経営が難しい日本は有機肥料を手に入れるためにも運搬のコストがかかり、運搬するということは車が走るので二酸化炭素量など環境的に問題視されている物も増えます。

このように環境に優しい=有機栽培というのが日本ではなかなか難しく、今現在たくさんの研究や議論がなされている段階です。


「日本は農薬を使い過ぎている」ということについても話は繋がりますが、これも事情の違う海外の農業と比べたところで意味はないと思っています。
そもそも農薬があまり必要ない小麦が主流の海外、気候をみても虫が発生しにくく乾燥してるので病気にもなりにくい。そういった農作物も循環型農業で大量生産してるので低コストで、農薬があまり使用されていないものが出回ります。

一方日本は、虫被害が多い稲作や果樹栽培が中心、気候も温暖で高湿であることから虫もたくさん、病気も発生しやすいというのが日本の農業です。

農薬についての安全性は別の記事に書いたので省きますが、化学農薬や化学肥料のサポート無しには今の日本の生産量を守ることは不可能です。
現在は慣行栽培が9割以上で、仮に有機栽培や無農薬栽培が半数を占めたとしても農作物によりますが、ほぼ収穫が見込めないものも出てきます。

収穫が少ないということは農作物の価格が高騰、海外から輸入が増えるということです。

玉ねぎの収穫が激減したことで、最近は玉ねぎ高くて買えない!!なんて声も聞きますが、有機や無農薬に切り替えていったときにそういったことが当たり前になります。
農家さんもボランティアではないので、生産に対して見返りをもらうべきです。

また、有機、無農薬や減農薬といった栽培には、除草剤を使わないために雑草や病気対策としてマルチというビニールが畑に引かれたりします。
これを生産するにもコストがかかり、CO2の排出があるため一概にどちらが良いと結論づけるのは難しいのです。

そういった日本の特殊事情を考えると有機栽培や無農薬だけを応援することが日本の未来に繋がるという単純な話ではないため、今の農業事情も踏まえてベジママキッチン としての在り方を決めています。


2.科学的な根拠に基づき安全性を維持しているため
これについても別記事で書いてるので、補足として書きますが、日本の農薬登録規定や使用規定、農薬取締法など農薬を使用するにあたってのルールはかなり細かく厳しいものです。

また、化学農薬や化学肥料は高価なため、農家さんが気軽に使えるものではありません。

それでも使うのは、生産量を守るためであり、農薬や化学肥料を使用する慣行栽培が日本の食を支えてくれているのは紛れもない事実です。
そこでの生産量の安定があるからこそ、有機栽培や特別栽培を行い、研究やより良い農業を目指す時間が取れているのです。


それでも無農薬や減農薬で農作物を作ろうと多くの農家さんが努力しているのは、消費者である私たちの声や、環境に対しての配慮があるからです。


農薬の使用の有無についてご質問が多いのは、それだけ皆さん心配であり、気になる部分なのだと思います。八百屋として、食品衛生を学んだ者として回答します。

結論は「そんなに気にしなくて大丈夫」です。笑

というのも、大事なのは「量」なんですよね。

農薬に対する安全性は毎年検証されていて、私たちが実際に摂取している量は体に影響があるかもしれない量の100分の1以下というのが結論づけられています。
(残留農薬は体内蓄積しないため、測定不可も含まれてます)
(昭和初期の時代に質の悪い農薬がまだ開発されてた頃は、脂溶性農薬が体内蓄積すると報告があったのは事実ですが、そういった物は全て製造中止となり、水溶性農薬の開発、脂溶性でも虫にしか作用しない濃度の農薬などが開発されています)



なので、残留農薬が体に影響を及ぼす量ではない、というのが科学的に結論づけられてるため、それ以上でもそれ以下でもないのです。

ちなみに、有機栽培でも慣行栽培でも減農薬栽培でも皮をむけば、残留農薬は測定不可になり同じ水準になります。
皮をむけない葉野菜や果菜類でもしっかり洗えば薬は落ちるので心配ありません。
落ちるというか、そもそも残留測定値が低過ぎて計算できるレベルではありませんが、表現としてはそうなります。

農薬が怖いからオーガニック野菜を選んでますってお話も聞きますが、オーガニックって有機栽培なのでJAS
規格の農薬は使用OKなので無農薬じゃないです。
オーガニックという言葉だけが一人歩きして、農薬や添加物についてもごちゃごちゃになってる方も多いです。

そもそも影響しない量しか食べてないですが、どうしても気になるなら無農薬野菜を選ぶ、きちんとデトックスできるような体づくりする、こういったことが必要になってくるのかなと思います。
無理しなくても自然代謝で排出されるレベルの微量ではありますが。。。
(無農薬はまた別のデメリットも出てきますが今回は説明しないでおきます)


野菜のこと、農薬のこと、心配であれば農業に関わる人間にきちんと聞くべきです。
少なくとも私はお金をかけて勉強した知識は無駄にならないと思ってるので、知ってる範囲で皆さんに今後も伝えていきます。
不安があれば、どんどん聞いてもらって大丈夫です!


個人的な見解としては、人に対する農薬の安全性は科学的に保証されているけど、人と土壌は違うから
研究する中で環境に対しては配慮していきましょう。というのが現状かなと思います。

こういった、農業の実態、食の安全面を考えてベジママキッチン は野菜を販売しています。
数字として計算はしてないのでおおよそですが、ベジママキッチン の取引農家さんの生産事情としては慣行栽培2割、特別栽培(無農薬、減農薬)7割、有機栽培1割くらいの割合かなと思います。

無農薬や減農薬、有機野菜を取り扱っているにも関わらず、セールスポイントにしていないのは、全ての栽培法にリスペクトがあるし、安全と美味しさを確保して自信を持って販売しているからです。


この説明を聞いて、ここまで背景やコンセプト、ルールがしっかりしてるなら野菜を沢山食べたい!と思ってもらえたら嬉しいですし、食のこだわりに重きを置く部分はそれぞれ違うので参考になればいいなと思います。


ちなみに・・・
野菜の美味しさと栄養はイコールではないので、その興味深いお話も次回しようと思います


読んでいただき、ありがとうございました



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2022年05月24日

なぜ、直売野菜は新鮮なのか?A

こんにちは、ベジママキッチン です!

前回の「なぜ、直売野菜は新鮮なのか?@」の記事、たくさんの方に読んでいただけたようで、ご意見やメッセージをいただけてありがとうございました

これまでもお伝えしていますが、私は八百屋である前に主婦であり、母であり一般消費者であるため、自分のために家族のために世の中のことを知りたいと思い、下調べして色んな情報を発信しています。


注目を集めるためだけであれば、内容の正確性はさておき、自分に都合の良い解釈だけの内容を書く事も可能かと思いますが、物事には表面と裏面があり、立場が変われば見方も変わるものだと思っているので、これまでの記事も見る方によっては色々な捉え方があったと思います。

情報を発信することは簡単なことでなく、下調べや取材、アンケートの集計など時間やお金もそれなりにかかります。
それでも続けて行こうと思えるのは、「知ることの楽しさ」があるからです

「情報」というのは今、取ろうと思わなくてもいくらでも入ってきます。
だからこそ、鵜呑みにするのではなく、「知って理解し、納得する」という行為が今の時代には必要なのではないかと思っています。
知って理解し、納得すれば必然的に自分に必要なものが見えてきます。

八百屋という仕事を始めた以上、将来的な農業の発展も踏まえて微力ながら、野菜に関する情報発信をして知ってもらい、理解を深めていただこうと思って書いています


捉え方はそれぞれでいいんです。それぞれが考えて選択していくことが大切なので、その一つのきっかけにでもなればなと思います


それでは、本題に入りまーす


前回の記事では、スーパーや八百屋さん、直売所の流通から見る野菜の鮮度についてお話しました。
今日は、もう一つの野菜の流通である「ネット販売」について書いていきます。

ネット販売のメリットをあげるのであれば、生産者さんとしては手間暇かけて作った野菜を自分が決めた価格で直接販売、お届けできて食べた感想も聞けてモチベーションに繋がる、規格外野菜のロスを最小限にすることができるなどあると思います。

消費者さんとしては、一般流通しない野菜や規格外の野菜など採れたての状態で送ってもらえる、仲介がないため野菜に直接触れる人が限られて衛生的で傷みづらい、販売エリアが少ない有機野菜や特別栽培野菜が手に入りやすいといった長所があると思います。


これは一般例なので、購入先により野菜の鮮度や管理に差があるといったマイナス面もあります。

インターネットが急速に普及したのが、ここ20年くらいの話でそれまでは農業とインターネットはそこまで深い関わりはありませんでした。


IT化が進む中で、日本経済も大きく発展し農業者の大型化、スーパーやコンビニ、大口量販店での需要拡大に伴い、農産物に対しても「大量と厳格な規格」が求められるようになりました。

ロスや規格外に溢れた時期もあり、元々はそんなに多くなかった直売所が、規格外農産物の販路として各地に増えていったという経緯もあります。

そして、インターネットの普及と共に育った世代が農業に参入することとなり、自然な流れで「農業×IT化」という時代が始まりました

これまでの農家さんは野菜を作って市場に出すというのが一般的だったのに対し、農協や直売に出すだけでなく、自分発信でこだわりの野菜を届けたいという生産者さんが増え、ネット販売が普及し始めたのがここ7〜8年の出来事です。

農産物のネット販売と言っても、大手のショッピングサイトへの出店、農産物限定の企業サイトへの出店、自分でオンラインショップを持つ、情報だけWEB公開し、直接連絡で販売するなど形態は様々です。
最近では、JAや地域ごとにポータルサイトを運営したり、フリマアプリやファッション業界が農産物販売に参入したことなども話題になってました!



ただ、市場が大きくなればなるほど問題点というのが出てくるもので、大手サイトに出店している生産者さんたちからお話を聞いてまとめました。
「登録農家さんが増えれば増えるほど、口コミや評価の高い農産物しか売れなくなり、埋もれて行ってしまう」
「売れると思って作っても注文が入らなければ出荷に回すがそれでも売れなければ結局ロスになり、食べきれない野菜は機械で潰すことになる」
「サイトごとに宣伝の優先順位があり、なかなか宣伝してもらえない」
「手数料が高くて、たまにしか注文が入らないから、売り上げはほぼない」
といった相談も多くあるのが現状です。


自分でショップを持ったりしても、宣伝からお問い合わせ対応、梱包発送まで忙しい農家さんが全てを対応するのは、なかなか大変な作業だったりします


そんな生産者さんに向けて宣伝を代行しますよ!といったビジネスまで出てきたり・・・
こうした時代背景もあり、ネット販売の普及により得られたメリットとデメリットを今一度見直すタイミングなのかなと思い、周りの生産者さんや農産物を扱う企業に話を聞いて、ベジママキッチン としての取り組みを考え始めました。


せっかく双方に需要の高い物流なのだから、もっと農家さんファーストで物事を運ぶことにより結果的に消費者さんのためになる取り組みはできないのかなと思案した結果、「在庫を持たない八百屋さん」はどうだろうと行き着いたのが今のベジママキッチン のスタイルです


オープン当初には、独自のルートで厳選野菜を仕入れていますということしかお話してないので、びっくりされる方もいらっしゃるかと思いますが、私が野菜販売する側として実現したのが、生産者さんにはこれまで通り、安定した物流を守っていただきながらこだわりの野菜をネットでも販売する、もちろんそこに高額な手数料や宣伝費もかかっていないので、生産者さんは農作業に集中し、作物については正確な対価を支払い、消費者さんへは一般流通しない野菜なども含めて新鮮な野菜を手頃な価格で購入できるという仕組みを作りました。
ある程度、農業や野菜に関しての知識を持つ自分が窓口になることで、そういった仕組みが成り立つのではと考え、スタートしたのがベジママキッチン の始まりです


前職を生かし、野菜の試食から調理法まで網羅し、自信持ってお届けできる状態のものを厳選し、在庫販売をしているわけではないので、注文が入ってから収穫された新鮮な野菜をお届けしています。


オープンしたばかりの新参者で、店舗を構えない、在庫を持たない異色の八百屋ですが、生産者さんと消費者さんで将来の農業を作っていくべきだと考えているので、このシステムがもっと普及し、双方にメリットのある物流が起きるといいなと心から思っています。


また、これまで注文してくださった方々や、定期的に頼んでくださる方々、SNSを通して野菜の話題に触れ合ってくださる方々に本当に感謝しています。

ベジママキッチン に関わってくださる方々に、自分にできることを努めて参りますので今後ともよろしくお願いします



今日は、流通から見る「野菜の新鮮さと現状」をお伝えしました。
何が良い、何が悪い、ということではなく、みなさんが興味を持って、スーパーで野菜を多く買ってくれたり、直売所に訪れてくれたり、ネット販売を利用してくれたりすることで日本の農業は確実に変化していくので今後も興味を持っていただきたいということをお伝えしたくてまとめました!


私自身も一消費者として「農業」や「農作物」を多面的な角度で見て考えることで、より良い生産環境になって欲しいし、世界に誇れる農産物をこれからも作っていって欲しいなと願っています

長々と読んでいただき、ありがとうございました





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