書店員のひとり向上委員会

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「白鳥とコウモリ」 東野圭吾

殺人事件の被害者遺族と加害者家族。

相反する立場にいながら、同じ目的に向かって悲しい真実を突き止めるまでの物語。

弁護士の白石健介が殺された。ほどなく倉木達郎が自供して逮捕された。

だが動機に納得できない被害者の娘、美令と、加害者の息子、和真。

真相を知りたいという同じ目的から、力を合わせて真相に辿り着くわけだけど…

 

切ないですね…

 

こういう出会い方じゃなければ、ほんと、お似合いのカップルだったろうに…

 

 

ことの発端は、30年以上前の殺人事件まで遡ります。

その時の被害者は、殺されても仕方がないような悪党。善い人が、運命の悪戯で殺人事件の加害者になってしまう。なんとも言えない理不尽さに身悶えします。

 

真相を突き止められたのは、美令と和真が「父らしくない!おかしい!」と警察をあてにしないで行動したから。生前の健介、逮捕された達郎の人柄が表れています。

 

終盤は、被害者遺族から加害者遺族に入れ替わってしまう怖さが印象に残りました。

 

「白鳥とコウモリ」という題名がどこからきているのか?本文中に出てきます。

美令と和真にいい未来が待っていますように。