過酷だった手術後と入院生活

妊娠
Female doctor examining newborn baby in incubator. Night shift

緊急帝王切開で産声も聞けず、最初に気がついたのはぼんやり周りの声が聞こえ始めた所からでした。

手術が終わったことは直ぐに分かりましたが耳は聞こえるのに、声は出そうと思っても出ないのです。

暫くしてやっと辛うじて声が出たと思いきや、ガラガラ声で上手く出せないのです。

病室に運ばれ、そこでようやく助産婦さんに赤ちゃんが無事に産まれた事を聞きました。

同じ病院内ですが新生児ICUに入院という形になっているとのこと。

一刻も早く赤ちゃんの姿をみたい、そう思った私は助産婦さんに写真を撮って来てもらえないかと頼みました。

そうして写真であっても、ようやく見ることのできた我が子の姿に胸を撫で下ろしました。

普通分娩で産んだ長男の時の流れとは、何から何まで違う出産です。

夕方、夫が執刀医の説明を受けるために病院へ来ているようですが面会はかないません。

どんな説明を受けているのか非常に気になりました。

私はどのような経過で手術が行われ、我が子が産まれたのか未だ詳しく聞けていなかったので。

夫は新生児ICUに案内され、私より先に我が子に面会が叶いました。

夫が聞いた執刀医からの説明によると、常位胎盤早期剥離との判断で緊急帝王切開によって手術開始からわずか数分で赤ちゃんが取り上げられた。しかし、当初自発呼吸がなくしばらくして泣いた。母体とつながってない間、酸素が送られなかった時間がどれほどかわからないので影響はわからない。でも各種テストや検査で見ている限り大した影響は無さそう。時折ビクッとした反応を示すが、こういった体験をした赤ちゃんに多い症状らしく経過を見ていく。今も脳波を測っているが、問題無さそうなので機器を外す予定だとのこと。

元々わかってこの病院を選んだわけではなかったが、新生児ICUは多分この一帯にここしか無い。

地域で最後に搬送されるところになっているようでした。

新生児ICUには赤ちゃんがずらっと寝かされていたけど機器の警報がそこらじゅう鳴りっぱなし。

我が子はとても元気。ただ一人普通の赤ちゃんに見えたとのことでした。

この日は赤ちゃんに会うことはかないませんでした。

助産師さんに、明日から早速歩行訓練をすると言われその日は早めに休む事になりました。

勿論、休むと言っても色々な心配、考えが次から次へと思い浮かび中々眠りにつく事などなど出来なかったのですが。

翌日は早速歩行訓練。まずは車椅子に乗る所からでしたが、本当に傷口が痛く、その辛さは壮絶なものでした。

ですが、車椅子に自分で乗れないと新生児ICUにいる我が子に会いに行けないと言われました。

会いたい一心で歩行訓練をこなしました。

午後になって助産師さんの助けもあり、車椅子に乗ることができ、何はともあれ真っ先に新生児ICUにいる我が子に会いに行きました。

そうしてようやく丸1日以上経って、我が子と会う事が叶いました。本当に小さく可愛く、この感動を文章だけでは上手く表現できない自分の未熟さが悔しいです。

我が子と感動の初対面を果たした後、又病室に戻りました。

傷口の他導尿もしているせいで余計に動きづらく、水ひと口飲むのもやっとです。

水や携帯を取りたくても上手くできず、何か動作をする度にナースコールで助産師さんを呼ぶ不便さに泣けてきました。

自由に動ける事が何よりありがたい事なのか、当たり前だと思っていましたが、この時ばかりは深く痛感しました。

また翌日。今度は久々に便意があったものの、導尿のせいでうまくりきめず、お腹も痛くなり、導尿を外すか、でも希望していた個室が空きがなく、更には共同トイレから一番遠い大部屋だった為、導尿を外したら、トイレの度に痛みに耐えながらトイレに行かないとならない、、

とても迷いましたが、結局は導尿を外す事を選びました。

また、何も異常がないと判断された我が子がICUから退院となったことはとても嬉しかったのですが、傷口が痛く、自分の事すら上手く出来ない状況下で、世話ができるのか不安で、ちょっと早いのではないかと正直な所思いました。

どうしても辛い時は助産師さんに赤ちゃんを預ける方法で、何とか入院生活を乗り切りました。

数日後に希望していた個室がようやく空き移動出来ましたが、あまり居心地の良い個室でもなく、入院生活はとにかく辛く、早く退院したい気持ちでいっぱいでした。

また産後の体重を計測しましたが、臨月までこそは、後期にお腹が苦しく中々食べられなかったのもあり、4キロ程度の増加だったのでしたが、産後直後の体重は1キロも減っておらず、びっくりしました。

長男の普通分娩の時は一気に5キロ減ったのに。

また足のむくみも尋常ではありませんでした。