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【マーケティングトレース実践④】マネーフォワードの成長戦略

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【マーケティングトレース実践④】マネーフォワードの成長戦略

こんにちは、サクです。

今回マーケティングトレース実施したのは、クラウド会計分野で成長しているマネーフォワードです。

皆さんは家計簿をつけていますか?

昔のイメージですと、買い物をした後に家に帰ってからレシートを家計簿につけるといった面倒な作業でした。

正直続かない方がほとんどだったのではないでしょうか。

しかし今では家計簿アプリでスマホから楽々記入できるますし、金融機関と自動連携しているので資産状況も確認できて超便利!

実際に自分が月々何にお金を使っているか知ることは重要です。

今回は自分が使っていて便利なサービスを提供しているマネーフォワードを調べてみました。

CEOの辻さんの書いた本も別の記事で紹介しているので、こちらも読んでみてください。







マネーフォワードの直近の業績

売上成長率

マネーフォワードの2021年11月期の業績は、売上は過去最高を更新しています。

成長企業の特徴でもありますが、売上を成長させることが目標となりますので、人員増や広告費増等により営業利益がマイナスとなっています。

出典:マネーフォワード 2021年11月期通期決算説明資料

2016年~2021年の売上高年成長率が59%!
すごい成長率ですね。

キャッシュ・フロー概況

キャッシュ・フロー概況です。
成長戦略の特徴が表れています。

マネーフォワード 2021年11月期キャッシュ・フロー概況
  • 営業CF・・・買取債権増加、先行投資を積極的に実施した純損失によりマイナス
  • 投資CF・・・投資有価証券の取得、無形固定資産取得によりマイナス
  • 財務CF・・・公募増資による資金調達によりプラス

「勝負型」キャッシュ・フローの状態で、ベンチャー企業などでよくある形です。
成長のために積極的な営業活動・投資を実施している様子がうかがえます。

実際にグループジョイン(M&A)を実施し、サービスを拡充しています。

事業ドメイン

事業ドメインは以下のようになっています。

最初はBtoCでスタートしましたが、ニーズのあったBtoBへ進出し、現在事業の主力となっています。

外部環境分析

外部環境分析(PEST分析)を行います。

コロナ禍でリモートワークの流れからバックオフィスのデジタル化が急速に進みました。
また電帳法やインボイス制度も始まります。

外部環境的にはマネーフォワードには追い風が吹いている状況ですね。

STP分析

主力のBusiness向けで考えてみたいと思います。

セグメンテーション/ターゲティング

ターゲットは業務負荷を減らしたいが、システムやサーバーの保守をする人員が少ないような小中規模事業者をメインターゲットと考えました。

ポジショニング

ポジショニングマップでは下記のように整理しました。

簿記や会計の知識がある中小規模事業者が中心にしたポジショニングです。

一方競合のF社は簿記・会計の知識があまりない事業主がメインターゲットのようです。

そしてターゲット層を広げていき、現在ではには個人事業主から大企業まで全て網羅していく戦略を取っています。

4P分析

4Pのフレームワークで分析します。

Product

製品は事業規模に合わせてラインナップをそろえています。

出典:マネーフォワード 2021年11月期通期決算説明資料

そしてバックオフィス4領域(経理財務・人事労務・法務・情報システム)に合わせた商品を展開しています。

Price

クラウド会計は、部門管理が不要な小規模事業者向けでは月額2,980円から、バックオフィス業務全般を効率化したい中小企業向けでは月額4,980円から利用可能。

今後増えてくる副業などで確定申告をする必要がある個人では800円/月から始めることができます。

Place/Promotion

個人事業主向けにはSEO対策をして、WEBサイトからの流入を中心としたマーケティングを展開しています。

一方企業や会計事務所向けではオンライン営業を実施しています。
その理由としては、中小企業は会計ソフトの選定を会計事務所が決定している場合が多いことによるものです。
会計事務所に特化したマーケティングチームをつくり、セミナーや勉強会を実施して認知度を高めているようです。

マネーフォワードの成長要因

マネーフォワードの成長要因としては、

  • 外部環境要因が追い風
  • 中小規模事業者にターゲットにした商品展開を実施し、徐々にターゲット層を拡大
  • 会計からバックオフィス領域全体をカバー

企業規模に合わせた商品ラインナップがあり、バックオフィス全般を網羅できています。

スイッチングコストが高いことから解約率も低く(1.5%)、一度導入されると課金収入であるストック売上が毎月入ってくる、いわゆるサブスクリプションでのビジネスモデルの凄さを感じます。

出典:マネーフォワード 2021年11月期通期決算説明資料

もし自分がマネーフォワードのCMOだったら

ここからは、自分がマネーフォワードのCMO(チーフマーケティングオフィサー)だったらという目線で考えます。

これから副業が当たり前となってくる時代に入ってきます。そして確定申告が必要となりますが、確定申告といえば「マネーフォワード」が頭に浮かぶことが必要です。

➢副業制限なら理由公表 厚労省、解禁加速へ企業に要請

そのために家計簿アプリ「マネーフォワードME」を使っているかどうかによると思います。

まだ家計簿アプリを使っている人は周りでは少ないんですよね。

案外アナログ的に電車広告をして認知を上げる施策をしてみても良いのではと考えます。
ちょうど物価高になってきており、家計簿をつける動機付けになる環境ですからね。

中小企業が参考にできる戦略

今回マネーフォワードを分析していて感じたことは、どれだけ外部環境要因を味方にすることができるかです。そこまではいかない場合でも、マイナスな外部環境の場合はどう避けて戦略を取っていくか。
SWOT分析を行うことで、弱みを回避しながら強みを活かすか、再度検討してみる必要があると感じました。

以上、サクでした。


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