准教授 美紗子(84)准教授 美紗子(86)

2022年09月22日

准教授 美紗子(85)

  岩下透の態度は美紗子にとって意外だった。

  地下駐車場に止めた車から透が下りるなり美紗子の腰を抱き寄せたのだ。美紗子は透の意外性に思わず、
「ぁ!」と声を漏らした。

  透は渋い顔をして美紗子を見、
「そんなに驚くなよ。ここまでくれば居眠り運転の心配はないから積極的になれるだけだよ」と文句を垂れる。

 透の理屈に美紗子も納得して体から力を抜いて身を預けた。すぐにボディコンの裾が捲り上げられて女の部分を包まれる。美紗子は人の目が気になって駐車場内に視線を泳がせた。広い駐車場なのに人の気配はなく女の部分を包まれたまま透の歩く方向に伴って行く。

 「俺はいつでも美紗子先生とこうして歩きたいのに、まったく」
と、透は美紗子の不安症に文句を垂れる。

  地下駐車場から百貨店の地下食品街の連絡通路まで来たときには美紗子は濡れていた。それが美紗子には切ないほどにわかり、
「恥ずかしいから、もう手を放して」
と、哀願する。

 「だめです」
 透は美紗子の本音を見抜いて断る。濡れるのはその証しだった。

 「人の目が多いから…」
 美紗子は甘え声で哀願する。

  美紗子という女の自分勝手な淫らに透は苦笑するが、そういう美紗子が嫌いではなかった。

  地階の食品街は混雑していた。身を寄り添う二人にとって混雑は歓迎すべきことで、美紗子の腰に回した透の腕の先も迷いがなく女の部分を包んでいる。

 「はやく、おうちに帰りたい」
 美紗子は女の切なさを聞かせるように透の項に囁く。

 「おうちに帰ったら焼売を食べる前に一発。食べた後にも一発だ」
 透も己の勇ましさを吹聴して美紗子を喜ばせる。

  二人が目指す売場は食品街の真ん中にあって混雑していた。透の腕の先は美紗子の女の部分にぴったりと貼りついて包んでいる。

  美紗子は品物の買う時ぐらいは手を放してほしかったけれど、これまで透の淡泊な態度に不満を表明した手前、いまさら放してと強く主張するのもできなく、腰を抱き寄せられている腕の先で女の部分を包まれながら、焼売の詰め合わせを受け取り、支払いを済ませた。

 濃い色のサングラスを掛けて顔を隠しているが、敏感な人はすべてに気づいているかもしれない。が、それでもいまの美紗子は透に文句を言える立場にはなかった。

 …店員の態度とあの顔は気づいている。
 カウンターから見えなくても男の手が女の部分にあてがわれているのが。それと顔の正体にも。

 美紗子は品物を受け取ってから不躾な店員を睨み返し、惣菜売場の方へ。
「オッパイに変えようかな」

透が美紗子に囁いてくる。

 「こんなところで、やめて!」
 美紗子はすぐに返す。胸は丸見えになるから、まだ女の部分の方が人の目から逃れられる。

  透は美紗子の強い口調に気分を害して、
「なんだ文句あんのか、ここでサヨナラしてもいいいんだそ」
と、冗談のつもりで美紗子に悪ぶって見せた。

  透の悪い冗談に美紗子の顔が陰って、
「きつい言い方だったら、ごめんなさい。でも」
と言葉が詰まっている。

  透は試しに股間の手を胸に持ってきて、さっと乳房の突き出しを揉みこんでから、元に戻した。

  美紗子はぁぁと小声を漏らして黙り込み、しばらくその場に立ち竦んでから、何も言わずに総菜売場の方へと足を進めた。その美紗子に透も伴って行く。

  総菜売場に来た。美紗子は女の部分を預けながら陳列棚に視線を置いて透に訊いた。
「何が食べたい」と。

  透は即答する。
「ポテトサラダ」と。

  美紗子は声を漏らしてまで笑って、
「男の人って、買い物に悩まないのね」
と、こんどは口に手をやってクスクスと笑う。

 「女も悩まない。美紗子先生、一択。一穴主義」
 透はカッコよく宣言する。

  女を歓ばすお世辞に達者な岩下透が美紗子は小憎らしいが、体は真っ正直に受け取って熱くなってくる。

 「嘘でも嬉しいわ」
と、美紗子は透に返してから、店員にポテトとトマトサラダを注文する。

  品物を受け取って二人は食品街を出る。地下駐車場の車の中で二人はしばらく限界愛撫を楽しんでから美紗子の居住するマンションへと車を走らせた。そこでは美味しい晩ご飯とセックスが待っている。

 

  次の更新は9/30(金)の予定です。



nasu2021 at 12:05│Comments(0)准教授 美紗子(81-) 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
准教授 美紗子(84)准教授 美紗子(86)