第13回 島根、喫茶店のマスターが神戸に愛を込めて

ココロの兄貴

20年ほど前、南京町の南側、栄町でカフェを経営していました。
経営っつったって、まだ22歳のガキが常識もルールもわからないまま、「こりゃあどうやら会社勤めにゃ適さんな」と始めてしまったような店だったけれど。

その頃栄町には、「DEEP」、「2d」、そして今も続くリビングレジェンド「moon lite」、そんなムチャクチャにイケてるバーがあり、恥ずかしながらそのカッコいいお店さん達の並びに出店させてもらえるという奇跡に恵まれました。

そのうち段々と、南京町や元町商店街のなかにも若手が経営するバーやカフェが増えていき、歳も近かったこともあり、いつの間にやらバーテンダーやギャルソンはみんな仲良し。

とうぜんもうみんなケータイは持っていたけれど、別に連絡などしなくても、どこかにいけば誰にでも会える、そこで飲んでりゃまた誰かがやってくる。島根の山奥から出てきた田舎者にしたら、まるで映画や小説の中にいるような日々でひたすらに幸せなだったなぁ。

どうしても「お酒」にまつわるお仕事なので、酔っ払いすぎて羽目を外しすぎたり「女の子」や「喧嘩」など多少の揉め事はあったけど、基本的には全員仕事にはマジメな人間ばかり。

そこへホテルオークラ神戸やベイシェラトンホテルの若手バーテンダーたちも加わりはじめ、三宮や北野とは違うカッコよさのある「元町バーテンダーズ」が元町〜神戸駅周辺の飲食店を盛り上げていきました。

いつもどこかが「周年パーティ」だし、雑誌やテレビには誰かが出てる。DJやバンドを呼んで大きなイベントをしたりで毎夜が祭り、今考えたらありえないほど、どのお店も大繁盛。「酒飲んでもオッケーな修学旅行」みたいな狂乱の7年間でした。

ただ、7年は長すぎるな(笑)。

そのうちみんな出世して大阪や東京に出ていったり、俺みたいに島根の山奥に戻って隠居生活みたいな事になったりで、今ではもうそんな元町バーテンダーズがみんな集合する事は滅多にありません。

ただ、1軒。
元町バーテンダーズ最長老の「おみ」が経営する「Bar ZIN」だけはまだまだ元気に営業中。

生田新道の「靴専科」を北に上りすぐ、左手にあるリッチビルの地下1Fには小さなカワイイおじさんが、今も元町バーテンダーズの残党としてしぶとくカクテルを作っております。

俺も神戸に帰ったら必ず立ち寄る「Bar ZIN」。

近いうちにまたみんなで集まれたらイイと願うけど、もうみんな全然飲めなくなっちゃってんだろうなぁ〜

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編集長

編集長

神戸を愛し神戸に愛され続けて38年😆👍(つまり38歳)人と喋ることと文章書くことが好き過ぎて、うっかり編集長になってしまったタイプです。神戸及び兵庫県の『人』をクローズアップしたインタビュー記事をメインに、神戸っ子たちのコラムも充実♫ 地元の人にも神戸以外の人にも、軽〜く友達感覚で読んでもらえたらうれしいです😊💓

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