ミルクレゥプのカルボナーラの逆襲2112 その時、納豆にネギも付いてほくほく

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Kendrick Lamar「Mr. Morale & The Big Steppers」の簡易レビュー/雑感

2022-05-17 11:12:46 | 洋楽レビュー/感想 2022
全世界の音楽ファン待望の新作である、
Kendrick Lamarの「Mr. Morale & The Big Steppers」を聞いてみた所、
中々に素晴らしい内容で、
流石は「Kendrick Lamar!」と興奮しつつも、
過去の名作ほどでは無いかも…とも思ったのですが、
「Mother I Sober」を聞いて魂が震えて、
気になった曲含めていくつか訳して見た所、
リリックがパーソナルで内省的で衝撃的でエモい内容多めで実に素晴らしく、
ラップもトラックも凄く良いんで、
勢いに任せた簡易レビュー記事なんか書きます。
かなりボリュームある作品なんで、
ちゃんとしたレビューはプロに任せますw



◆Kendrick Lamar「Mr. Morale & The Big Steppers」の簡易レビュー
1曲目の「United In Grief」から、
変幻自在で唸る巧さ&格好良さのラップを聞かせてくれるように、
韻の踏み方などリズム感など、
ラッパーとして実に魅力的で凄いのですが、
今作はストーリーテラーとしても過去一で凄いしリリックも凄い…
…というか「凄まじい」んだよね…!

「I hope you find some peace of mind in this lifetime」
(人生の中で安らぎを見い出せる事を望んでいる)
というコーラスで始まり、
パートナーの「Whitney Alford」の、
「伝えてよ,伝えてよ,真実を伝えてよ」という声も入ったりしてから、
「Kendrick Lamar」独特のクールなラップが始まり、
「おお相変わらずカッコイイぜ!」と思った矢先、
1:25~からガラッと雰囲気が変わり、
更に畳み掛けるようにラップをしたと思ったら、
ちょっと静かになり「I grieve different」と繰り返す。
(※「俺の悲しみは他の人とは違うんだ」みたいな感じかと)
曲含めてメロウな感じあるしシリアス。
「Fair enough, green eyes said her mother didn't care enough」からは、
更にリリックが生々しくなるように、
凄くパーソナルでセンシティブで深い内容のリリックで、
軽く訳しただけでもまあ内容が濃い!
最後に「Everybody grieve different」と付け足すのも流石というか巧い!

先行公開された↑の「The Heart Part.5」みたいな、
いろんな人になって、
いろんな想いを載せる様な曲もありますし、
(この曲もリリックが中々にエモいです…)
ブラックユーモアある曲や社会的な曲もあるように、
リリックはバラエティ豊かですし、
トラックもラップもバラエティ豊かで良いのですが、
自身の過去や経験をリリックにしている物が多く、
「トラウマ」に向き合ってる感もあるように、
全体的に過去一にパーソナルで内省的でシリアスでダークで難解!
そして今作のハイライトであろう
本人がこの曲を書いた事で
トラウマが蘇り増幅されてナーバスになったと曲の中で述べている
家族間にある「トラウマ」に真っ正面から向き合って
克服しようとした曲である、
「Mother I Sober(ft. Beth Gibbons of Portishead)」ですよ…

コーラスで「Beth Gibbons」が繰り返し優しく&寂しげに歌う、
Kendrick Lamarがずっと抱えていた想いであろう、
「I wish I was somebody/Anybody but myself 」というパートと、
(私は誰かになりたい/自分以外の誰かでありたい)
淡々と想いを述べていくようなラップが特徴的な、
メランコリックでダークでセンシティブな曲で、
まあリリックが生々しくて痛くてエモい…
内容がハード過ぎるので具体的には書きませんが、
(端的に書くと自分や妹と母親と従兄弟巻き込んだ性的犯罪含む家庭内暴力と家族内暴力)
自分や家族間に起こった出来事を、
苦悩と後悔含めた様々な想いも入れつつ述べていて、
「母は泣いた.みんなが手を合わせる,それは家族の絆だった。
全部聞いた,銃を持つべきだった,でも俺はまだ5歳だった」
「母方の祖母は死後の世界から何年も俺についてきた
目を覚ました夜,(ツアー)バスの後部で俺を見つめていた」
「彼女の目を見ることが出来ない今日という日まで、
苦痛に支配されている
自分を責める.罪悪感は感じるのはシラフになってからだ」
などなど述べつつ、
後半に堰を切ったかのように感情的にラップする。
言いたい事や想いを全てぶつけるかのように。
そして最後に
「だから憎しみに満ちた心を解放して、
私達の体を神聖に保つんだ。
全ての虐待者を解放するように,これは変容だ」と述べ、
パートナーのWhitney Alfordが、
「あなたはやり遂げた
私はあなたを誇りに思うわ
あなたは世代間の呪いを破ったのよ」と言い、
娘が可愛らしい声で親や家族に感謝を述べて、
最後にコーラスで、
「眠りにつく前に 僕を愛しておくれ
魂をさらけ出したから今私達は自由なんだ」
と歌われて終わるように、
最後は救われて終わるんだよね…エモい…

この曲で終わるかと思えば
「Mirror」という曲が最後で、
鏡はありのままの自分しか映さないから、
鏡を見れば不正が映る的な事を言ったり、
「世界を救えなくてごめんな友よ
俺は再び自分を構築するのに忙しんだ」など述べつつ
「I choose me, I'm sorry」
(俺は俺を選ぶよ,ごめんな)と、
他の誰かになりたいと言っていた、
「Mother I Sober」のアンサーソング的に、
軽い感じに前向きに歌ってるのもよいよい。



パッと見た感じ賛否両論あるみたいですが、
過去一でリリックが深いし、
過去一で内省的でパーソナルな内容で、
過去一でエモーショナルな内容なんで、
個人的には控えめにっても最高!
これまでも名作を作って来ましたが、
今作も違う意味で名作だと思う!




PS
正直かなり気に入ったので、
全曲リリック訳して掘り下げたい所ですが、
流石に時間が掛り過ぎるし、
ヒップホップ系はスラング使ったり言葉遊び多くて難しいので、
日本語訳が付いているであろう日本盤が出るのを素直に待つことにしましたw
あと自分より深く掘り下げる人居るでしょうし、
そういう人やプロに期待してます。
この作品の深い魅力に多くの人が気付きますように。

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