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求職者支援制度

求職者支援訓練、職業訓練受講給付金10万円の概要【特定求職者支援制度】

職業訓練受講給付金は、雇用保険を受給できない特定求職者が月10万円の生活支援の給付金を受給しながら無料の職業訓練を受講する制度です。給付金を受給せずに職業訓練だけを受講することも可能です。

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1.職業訓練受講給付金の創設

職業訓練受講給付金は、非正規労働者や長期失業者が増加する中で、雇用保険の失業等給付を受給できない特定求職者について早期の就職を支援するため、必要な職業訓練を受講する機会を確保するとともに、当該職業訓練を受けることを容易にするための給付金です。

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雇用保険の教育訓練給付を受けることもできない特定求職者の生活を支援するため、2011年(平成23年)10月1日に「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律」(平成23年法律第47号)が制定され、職業訓練受講給付金の制度がスタートしました。

参考リンク
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2.特定求職者

特定求職者とは

職業訓練受講給付金の対象となる「特定求職者」とは、ハローワークに求職の申込みをしている者のうち、雇用保険の被保険者または基本手当の受給資格者を除き、労働の意思及び能力を有しているものであって、ハローワークが職業訓練その他の支援措置を行う必要があると認めたものをいいます。

特定求職者の条件

  • ハローワークに求職の申込みをしている
  • 雇用保険の被保険者や基本手当の受給資格者ではない
    (雇用保険に加入できない人、加入期間が足りず雇用保険の給付を受けられない人、雇用保険の受給を終了した人、学卒未就職者や自営廃業者等)
  • 労働の意思及び能力がある
  • ハローワークが職業訓練その他の支援措置を行う必要があると認めたもの
参考法令
職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律 第2条  この法律において「特定求職者」とは、公共職業安定所に求職の申込みをしている者(雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第四条第一項に規定する被保険者である者及び同法第十五条第一項に規定する受給資格者である者を除く。)のうち、労働の意思及び能力を有しているものであって、職業訓練その他の支援措置を行う必要があるものと公共職業安定所長が認めたものをいう。

在職者も対象となることがある

雇用保険の被保険者または基本手当の受給資格者でないことが条件なので、離職者のうち、雇用保険給付を受けられない人や雇用保険の受給が終わった人が対象です。

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また、「求職者」というと失業している人のイメージがありますが、離職者だけでなく、現在在職中であっても雇用保険の適用対象外の人であれば対象となります。

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3.職業訓練受講給付金の有無を選択できる

求職者支援訓練

求職者支援訓練は、おもに雇用保険を受給できない特定求職者を対象に実施され、就職に必要な職業スキルや知識を習得するための受講料無料の職業訓練です(テキスト代と資格試験受験料は自己負担)。
また、訓練実施施設において、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングなどの就職支援を行います。

特定求職者であれば無料で受講することができるので、職業訓練受講給付金の支給を受けずに受講することも可能です。また、収入が少なく生活支援を必要とする人は職業訓練受講給付金の支給を受けながら受講することも可能です。

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給付金を受給せずに求職者支援訓練を受ける

一定の収入や資産のある人は職業訓練受講給付金の支給を受けることはできませんが、特定求職者に該当する人は、職業訓練受講給付金の支給を受けずに無料の職業訓練だけを受講することができます。

例えば、親や配偶者と同居し収入がある人、実家で生活していて就職が決まらないまま学校を卒業した人、フリーターとして働きながら正社員への転職を目指す人などで、雇用保険の対象外となっている人が対象となります。

無料の求職者支援訓練だけ受講

  • 離職者・・・収入がある人と同居している人、実家で生活している無職の人
  • 在職者・・・一定の収入のある非正規雇用労働者

給付金を受給しながら求職者支援訓練を受ける

無職の人や、在職者であっても収入が少ない人が職業訓練を受けるには生活支援が必要です。正社員への就職を目指すために、職業訓練受講給付金の支給を受けながら無料の職業訓練を受講することができます。

給付金を受けながら訓練を受講

  • 離職者・・・雇用保険の適用がなかった離職者、フリーランス、自営業を廃業した人、雇用保険の受給が終了した人
  • 在職者・・・一定額以下の収入のパート労働者

4.職業訓練受講給付金の条件

職業訓練受講給付金の支給を受けるための条件は、特定求職者であることのほか、収入条件などがあります。

次の条件をすべて満たす特定求職者は給付金の支給を受けることができです。いずれかの条件を満たさない特定求職者は給付金の支給を受けることはできませんが、無料で職業訓練を受けることは可能です。

職業訓練受講給付金を受けられる特定求職者(令和5年3月末までの特例措置あり)

  • 本人の収入が月8万円以下
  • 世帯全体の収入が月25万円以下
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
  • 全ての訓練実施日に出席している(やむを得ない理由がある場合でも、支給単位期間ごとに8割以上出席している)
  • 世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
  • 過去に職業訓練受講給付金を受給したことがある場合は、原則として前回の最初の支給単位期間の初日から6年以上(不正に受給した場合は9年以上)経過していること(ただし連続受講を除く)
  • 過去3年以内に偽りその他不正の行為により失業等給付その他の特定の給付金の支給を受けたことがない

令和5年3月末までの特例措置

求職者支援制度を活用しやすくするため、2023年(令和5年)3月31日までの特例措置として、職業訓練受講給付金と対象者の要件が緩和されています。

2023年(令和5年)3月31日までの特例措置

  • シフト制で働く人など特定の人は本人収入が月12万円以下
  • 世帯全体の収入が月40万円以下
  • 訓練の8割以上に出席している
  • 転職せずに働きながらスキルアップを目指す者も対象となる

一部については2023年(令和5年)4月1日以降も引き続き実施されます。

収入について

「収入」は、税引前の給与(賞与を含む)、個人事業者の事業収入(経費を差し引いた控除後の額)、役員報酬、不動産賃貸収入(経費を差し引いた控除後の額)、各種年金、仕送り、養育費その他全般の収入を指します。手取り額の収入ではありません。

ただし、特定の使途・目的のために支給される手当・給付(児童扶養手当、児童手当等)や各種保険金(生命保険、損害保険、学資保険)等については算定の対象外となります。また、養育費のうち客観的な書類により、子の養育という特定の使途目的のために支給されていることが確認できる場合を除きます。

複数の月に係る金額が一括で支給される手当(年金等)については月数で割った額を収入として算定します。例えば、公的年金(13万円)が2か月分まとめて支給される場合は、13万円÷2=65,000円を収入として算定することとなります。

世帯、出席、特定の給付金について

「世帯」は、本人のほか、同居または生計を一つにする別居の配偶者、子、父母をいいます。配偶者には婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者も含まれます。

「出席」は、やむを得ない理由により訓練に遅刻・欠課・早退した場合で、1実施日における訓練の2分の1以上に相当する部分を受講したものについては、1/2日出席として取り扱います。

「特定の給付金」は、失業等給付(教育訓練給付を含む)、育児休業給付、雇用保険二事業の給付金、職業転換給付金、および職業転換給付金に相当する給付金その他職業訓練を受けることを容易にするための給付金であって厚生労働省職業安定局長が定めるものをいいます。

5.職業訓練受講給付金の支給金額

職業訓練受講給付金には、職業訓練受講手当、通所手当、寄宿手当があります。求職者支援訓練を受講している期間について、1か月ごとに職業訓練受講給付金が支給されます。なお、28日未満の期間は日割り計算となります。

職業訓練受講給付金の支給金額

  • 職業訓練受講手当:月10万円
  • 通所手当:職業訓練施設までの交通費(1か月の上限42,500円)
  • 寄宿手当:月10,700円

職業訓練受講手当は1か月につき10万円です。3か月の訓練の場合は10万円×3=30万円となります。ただし、テキスト代は自己負担です。

通所手当は、職業訓練受講手当の支給を受ける特定求職者が職業訓練施設へ通所する場合の交通費(1か月の定期代等)で、最も経済的かつ合理的と認められる通常の通所経路・方法による運賃または料金の額となります(1か月の上限42,500円)。

もともとは職業訓練受講手当の支給対象者だけ通所手当を支給していましたが、2023年(令和5年)4月1日以降は、本人収入月12万円以下、世帯収入月34万円以下であれば職業訓練受講手当の支給対象でなくても通所手当が支給されるようになりました。

寄宿手当は、職業訓練受講手当の支給を受ける特定求職者が認定職業訓練等を受けるために訓練施設に付属する宿泊施設やアパートなど入居し、同居の配偶者、子および父母と別居して寄宿する場合で、通所のための往復所要時間が4時間以上など、住居の変更が必要とハローワークが認める場合に支給されます。

6.求職者支援訓練のコース

基礎コースと実践コース

求職者支援訓練には、次の2つのコースがあります。

原則として職業訓練を修了してから1年を経過する前に他の訓練を連続して受講することはできませんが、ハローワークが必要性を認める場合、基礎コースの直後に実践コースまたは公共職業訓練を連続して受講することができます。

求職者支援訓練

  • 基礎コース:社会人としての基礎的能力及び短時間で習得できる技能等を習得する訓練(2か月から4か月)
  • 実践コース:就職希望職種における職務遂行のための実践的な技能等を習得する訓練(3か月から6か月)

開講予定の具体的なコース情報は、ハローワークインターネットサービス(ハロートレーニングコース情報検索)から検索することができます。

参考リンク

ハローワークインターネットサービス
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/

主な訓練コース

求職者支援訓練は、民間教育訓練機関が厚生労働大臣の認定を受けた職業訓練を実施します。また、職業訓練受講給付金の支給要件を満たす場合は、都道府県や(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施する公共職業訓練(最長2年)を受講することもできます。

託児サービスを利用できる訓練コースもあります。

求職者支援訓練のコース

  • 基礎:ビジネスパソコン科、オフィスワーク科など
  • IT:WEBアプリ開発科、Android/JAVAプログラマ育成科など
  • 営業・販売・事務:OA経理事務科、営業販売科など
  • 医療事務:医療・介護事務科、調剤事務科など
  • 介護福祉:介護職員実務者研修科、保育スタッフ養成科など
  • デザイン:広告・DTPクリエーター科、WEBデザイナー科など
  • その他:3次元CAD活用科、ネイリスト養成科など

7.職業訓練受講給付金受給までの流れ

職業訓練受講給付金の手続きについてはこちらの記事をご覧ください。

求職者支援訓練・職業訓練受講給付金の手続き
  • Step
    職業相談と事前審査

    ・職業訓練の相談を受ける。
    ・職業訓練受講給付金の支給を受ける場合は事前審査を申請する。

  • Step
    申し込み・選考

    ・訓練コースを選択し、受講の申し込みをする。
    ・訓練実施機関で選考を受け、合格すれば受講することができる。
    ・ハローワークで就職支援計画書の交付を受ける。

  • Step
    求職者支援訓練の受講と支給申請(1か月ごと)

    ・ハローワークで月に1回、職業相談を受ける。
    ・職業相談の後、職業訓練受講給付金の支給申請を行う。
    ・支給決定後7日以内に口座振り込み

  • Step4
    訓練終了後

    ・終了後3か月間、ハローワークで職業相談を受ける。

事前審査

職業訓練受講給付金の支給を受けるか否かにかかわらず、求職者支援訓練はハローワークで申し込みます。

まず、ハローワークの受付で、「職業訓練の相談を受けたい」と伝えます。訓練の受講相談をするだけでも良いです。職業訓練受講給付金の支給を受ける場合は世帯、収入、資産などの要件を満たしているかをあらかじめ審査します。

訓練実施機関による選考と受講開始

訓練コースを選択し、受講の申し込みを行います。そして、訓練実施機関で選考(面接、筆記など)を受け、合格すれば受講することができます。

選考に合格したら、訓練開始日の前日までにハローワークから就職支援計画書の交付を受けます。就職支援計画書がなければ、訓練を受講することも職業訓練受講給付金を受給することもできません。

給付金の支給申請

求職者支援訓練の受講中、ハローワークで月に1回、職業相談を受けます。職業相談を受けた後、職業訓練受講給付金支給申請書を提出して支給申請を行います。

支給申請から、おおむね1週間程度であらかじめ届け出た金融機関の口座に職業訓練受講給付金(職業訓練受講手当、通所手当、寄宿手当の合計額)が振り込まれます。

訓練修了後

訓練終了後3か月間、就職が決まるまでハローワークで月に1回、職業相談を受けます。

8.職業訓練受講給付金は非課税です

職業訓練受講給付金については所得税、住民税等の税金は非課税となります。確定申告も不要です。また、職業訓練受講給付金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、差し押さえることができません。

参考法令
職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律 第9条  職業訓練受講給付金の支給を受けることとなった者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律 第10条  租税その他の公課は、職業訓練受講給付金として支給を受けた金銭を標準として課することができない。

9.補足説明

雇用保険法上の法的根拠

特定求職者に対する職業訓練受講給付金の支給と「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律」については、雇用保険法第64条の能力開発事業(雇用保険二事業)として実施されています。

参考法令
雇用保険法 第64条  政府は、被保険者であつた者及び被保険者になろうとする者の就職に必要な能力を開発し、及び向上させるため、能力開発事業として、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律第四条第二項に規定する認定職業訓練を行う者に対して、同法第五条の規定による助成を行うこと及び同法第二条に規定する特定求職者に対して、同法第七条第一項の職業訓練受講給付金を支給することができる。

特定求職者の義務

求職者支援訓練は、労働の意思と能力がある特定求職者が対象となります。単にスキル向上のために受講するだけの人は受講することはできません。

特定求職者は、「その就職支援措置の実施に当たる職員の指導又は指示に従うとともに、自ら進んで、速やかに職業に就くように努めなければならない」と定められています(職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律第13条第2項)。

訓練の欠席や就職支援拒否をすると給付金が不支給となるばかりではなく、これを繰り返すと、訓練期間の初日にさかのぼって給付金の返還命令等が行われることがあります。また、訓練への出席率が8割に満たない場合など一定の場合には訓練実施施設から退校処分を受けることがあります。

求職者支援資金融資

職業訓練受講給付金を受給しても、訓練期間中の生活費が不足する場合に資金を融資する「求職者支援資金融資制度」があります。

貸付額は、単身者月額5万円、扶養家族を有する者月額10万円、利率は2%(うち信用保証料0.5%)、担保・保証人は不要です。

求職者支援制度以外の給付・融資制度との関係

職業訓練受講給付金は、求職者支援制度以外の他の給付や融資を受けていることを理由として、支給が停止または減額されることはありませんが、他の制度において、支給(融資)が停止または減額される可能性があります。

特に、生活保護、給付型奨学金、生活困窮者住居確保給付金または生活福祉基金(総合支援資金貸付)を受けている場合はハローワークに相談してください。