4月の物価上昇率が 2.1%との報道がありました。
身の回りで、値上げの実感がじわじわと寄せてきています。
同時に、給与所得者の税金もじわじわと増え、手取りの減少がなんとも危機感をかきたてます。
(自分の勤め先は役割給なので、世の中がインフレしようがどうなろうが、役割が変わらないと給与も変わらない仕組みです。つらい。)
ところで、貯蓄ないし資産運用のゴールはどのようになるでしょうか。
昨年立てたゴール金額をそのままにしない
リタイア資産にゴール金額(目標額)を設定することがあります。
老後 2,000万円問題を言われたから 2,000万とか、1億円作ったらリタイアとか。
その目標額は、1ヵ月の必要金額を○○万円と見込んで計算し、自らの余命推定とリタイア後の不足額から逆算した金額になっているかと思います。
では、当該の必要金額 ○○万円は、いつ時点の値段にしていたでしょうか。
もし、現在の費用感で「○○万円あれば足りるから」としていた場合は、これからゴール金額を移動させたほうが良いのでは、と感じます。
たとえば 2,000万円をゴールとしていた場合は、今年の物価上昇率 2%を増やした分の2,040万円。
その次の年もまた 2%インフレしたとすると、計算上は 2,080万8千円までゴールが移動します。
1億円作ってリタイア、の場合は1億200万、1億400万…と計算上の値が移動しますね。
リタイア時点の必要月額○○万円は、実際はインフレによって年々引き上がるわけです。
しかし、途中で目標額を増やすというのは簡単ではないでしょう。
目標値の大元となる生活費の目安値は、「今の物価を基準にしない」のが大事と感じます。
毎年、インフレ率以上の運用益を得ることの大切さ
今の物価を基準にしてはいけないのは、リタイア後に続く生活費に関しても同じです。
インフレを見込んだリタイア後の生活費が、やはりインフレによって、生きれば生きるほど高くなるとしたらどうでしょう。
それをも見込んだ目標額を事前に作成・達成するのは、つらいことです。
普通の(中央値の)給与所得者が普通に給与を戴いて暮らし、なおかつ目標額を貯蓄するのは無理ではないかと思います。
収入装置をもうひとつ作らない限り、無理。
はい。資産運用の出番です。
出ると思いましたよね。なにせここは投資ブログですし…。
経済政策のスローガンも「貯蓄から投資へ」ですから。
実際は、収入装置は運用でなくともよいのです。不動産でもよいし、著作権でもよい。
ライフワークがあるなら、それが生へのモチベーションにもなって尚更素晴らしい。
ただ年齢が上がって「労働」が苦しくなることを踏まえると、不労所得であるのが望ましいです。
子孫に恵まれたなら、最終的に扶養に入るという展開もありえますが、誰にでも実現するというわけではないですし。
ちょうどインフレにあわせて労働者の給与がベースアップするように(自分はしないけど)、インフレならインフレなりの収入をもたらす装置が必要になるのです。
うーん…、
普遍的にできる手段が資産運用しか思いつかない。
FIしない状態でリタイアしてはならない
FIは、常に物価上昇分以上の収入を得る、または、成長してくれる資産を持つこと。
- 収入 > 生活費
- 資産 > 生涯生活費
このどちらかの状態がFIなわけですが、これが崩れるとき、家計は破綻します。
逆にすると、FIの見通しが立たない間はリタイアできない、です…。
どうしても厳しい場合は、右辺の生活費を減らすしかありません。
そういう意味でのリタイアは、60歳定年とか65歳定年とかで自動的に成立するものではなく、どちらかの条件が満たされてFIになった後の話ですね。
前者の収入は資産から得られるインカムゲインを含むので、早くからの資産構築は早いFIとなります。
で、自分はというと、中央値の給与所得者で、資産運用の開始は遅い方…。
年金とインカムゲインの合算が生活費を超える状態はまだ遠いです。
そうですねぇ。
今年の自分の予想配当益は年約40万、12か月で割ると3万円と少しですが、それが無ければ「年金>生活費」にしなくてはなりません。足りない分は、生活費の切り詰めです。
この3万円があることで、少なくとも「生活費3万円分の切り詰め」は防衛できた状態です。
そして、40万のうち幾らかは増配実現企業であるため、来年は少し増えた状態の配当が実現する可能性が高いです。量は足りないけれど、物価上昇分に対応するための成長は得られているようです。
あとはもう少し、成長を早められないものなのか…。
資産運用には減配・毀損のリスクがあります。
高い成長を求めれば求めるほど、資産をリスクに晒さなくてはなりません。
でも、そこで全部を(あるいは30%を、50%を)リスクに晒してゆくのは自分に(家族に)とって正しいのか。これは一般論ではなく、自分と対話する必要がありますね。
自分はどの程度の頃合いを求めてゆくのか。
そう問うてみるとき、資産運用はなかなか難しいです。