千駄木「区立森鴎外記念館」森鴎外の魅力が凝縮した文学スポットをレポート

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今日は東京都の千駄木駅から程なくの場所に建つ文京区立森鴎外記念館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

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1.森鴎外記念館を初訪問!旧邸宅跡につくられた記念館が面白い

最近はすっかり文学館記念館巡りにハマってしまいましたが、今日訪れたのは明治〜大正期の日本の文壇を代表する作家森鴎外の記念館です。
地下鉄の千駄木駅を出て「団子坂」という名前のゆるやかな坂を上ると、今回の目的地である文京区立森鴎外記念館が見えてきます。

ここ文京区立森鴎外記念館は、森鴎外がドイツから帰国後少し経った30歳から亡なる60歳まで住んでいた場所でもあります。

元々建っていた鴎外の居宅は「観潮楼(かんちょうろう)」と呼ばれ、周囲にまだ高い建物がなかった当時は2階から東京湾を望むことができたそうです。
ちなみに東京湾の方角は現在は裏門となっていますが、こちらが元々の鴎外の家の表門でした。

現在の裏門

森鷗外は1862年生まれの文筆家ですが、元々は現在の東京大学医学部を創業し、軍医として陸軍や派遣留学先であるドイツで医学を学び、実践してきた超エリートでもあります。
帰国後は代表作である「舞姫」「高瀬舟」などの文学作品で高い評価を得つつ軍医としても活躍し、その後は帝室博物館(現在の東京国立博物館・奈良国立博物館・京都国立博物館など)の総長なども務めました。

森鴎外の作品は代表作程度しか読んだことがありませんでしたが、シンプルな文体と洗練られた言葉のチョイスによる美しさが印象的な作風の通り、森鴎外記念館のデザインもとてもシンプル。
外壁のレンガは施工後に表面を削ることで、レンガの持つ存在感を残しつつ繊細で凛とした印象も受けます。

森鴎外記念館は貴重な資料を保存・管理する文学記念館という性格から、外部の様々な要因から中の収蔵物を保護し未来に残す為のシェルターとしての建物をしっかりと実現しています。加えて大掛かりな装飾や派手なデザインをせずに素材の持つ本質的な美しさを引き出すという建物コンセプトが彼の文学と見事に一致していて、まさに鴎外の記念館にふさわしい建物となっています。

また、元々敷地の持っている高低差を上手く使っていて、都心の限られた敷地の中で独立した一つの世界観をつくっているのも特徴です。

シンプルなアプローチを通り、向かって右側の大きな扉から中へ入ります。

2.森鴎外の記念館にふさわしい建築と空間を堪能

入口の自動ドアを入ったことろにあるチケットカウンターで、早速チケットを購入。
入館料は区の施設ということで、一般300円のリーズナブルなお値段です。

建物の内観はコンクリート打放しの素材感と自然光の演出が印象的。
外部は閉じた大きな彫刻作品のような印象的でしたが、内部は驚くほど明るいです。メインの展示室は地下にあるのですが、写真の奥のスペースのように、天窓や敷地の高低差を上手く利用した開口部から自然の光が差し込んできます。

シンプルだけれども、ふいに劇的な展開みせる鴎外の作品と共通するように、所々で劇的な空間の演出があるのもとても素敵です。

ちなみにチケットカウンターの横は小さなスペースですがミュージアムショップになっていて、鴎外や近代文学のグッズが並んでいます。

3.文豪の足跡と意外な一面を知れる展示

この日はコレクション展「鴎外の東京の住まい」が開催されていて、建築好きとしてはうれしい展示でした。
教科書にもでてくる文豪森鴎外の日常や暮らしぶりについて、模型や写真をはじめとする様々な資料で紹介されていて、展示を見終わった後にはとても親近感が湧きます。

また、鴎外が暮らした「観潮楼」が、森鴎外記念館になるまでの歴史も紹介されていて、こちらもかなり興味深かったです。
ちなみに現在の記念館となる前は、建築家の谷口吉郎氏が設計を手掛けた区立森鴎外記念本郷図書館が建てられていたことも今回初めて知りました。
谷口吉郎氏といえば帝国劇場や東京駅前の中央郵便を手掛けたことでも知られ、一昨年、谷口氏の出身地である金沢で建築巡りをしたこともあり、個人的にかなり思い入れのある建築家です。当時の写真や図面も見れて大満足。

他にも文豪としての鴎外氏の経歴も改めて見てみるとかなり興味深くて、特に国内外で軍医を務めていた時のことや、処女作である「舞姫」の舞台でもあるドイツでの暮らしなどは興味深かったです。

また、鴎外と同時代に生きた樋口一葉、正岡子規、石川啄木などとの接点についてのコーナー展示も面白く、意外なつながりや影響を知ることができました。

4.展示を見終えた後は併設されたカフェで余韻に浸る

展示を巡り終えたら、建物の地下に併設されたモリキネカフェで展示の余韻に浸りながら休憩タイム。
最初に紹介した旧正門はちょうど地下1階分ほど低い位置にあるので、カフェの大開口からは門の前にある庭の緑とシンボルツリーがよく見えます。

こちらのカフェは鴎外が留学派遣時代に暮らしたドイツをモチーフにしたメニューがメインとなっていて、展示を見終えた後のひと休みにピッタリです。

こちらのシュネッケンは、シナモンの香りと色々な木の実がアクセントとなったドイツ風ロールパン。
ドリンクとセットで、ちょうど1000円です。

ちょっとづつ溶けるアイスとの相性も抜群でとても美味しかったです。
ちなみに地下には他にも小さな休憩室があって、段々状の庭を望みながら休憩することも出来ます。

今回ひょんなことから訪れてみた森鴎外記念館でしたが、これまで有名な文豪という印象が主だった鴎外の細かいバックボーンを知ることで、彼のことがより好きになってしまう大満足の文学館体験となりました。
アクセスもしやすく、とっても素敵な施設でしたので皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。


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文京区立森鴎外記念館
住所:東京都文京区千駄木1-23-4
アクセス:千駄木駅から徒歩約3分
オープン年:2012年
開館時間:10:00~18:00
休館日:第4火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始他
入館料:一般300円
ホームページ:https://moriogai-kinenkan.jp/

※記載の内容は記事執筆時点のものですので、訪れる際はホームページ等で最新の情報を確認してください

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