中途面接に同席することになってしまったのだけれど、どう選んだら良いのだろうか。。。
若手社員でもチームの雰囲気に合っているかなどを見極めたり、次期リーダー育成のために採用に参加させることもあるので、採用面接官のポイントを解説していきたいと思います。
採用面接官の仕事
①各部門から予算都合に合わせて求人依頼を出す(希望時期/人数/スキル要件/書類審査を現場でするか否かなどを人事に伝える)
②人事部門が転職エージェント/転職媒体/自社サイト求人/スカウトサービスを用いて募集をかける
③書類選考の有無や人事部門のチェックを通じて、部門面接を行う
④役員面接、内定面談などを行い、採用が決定する
以上の③の役割で、多くの会社では面接評価シートを用いて、落とす場合はその理由を明確にし、ターゲットや訴求を変更すること、通過の場合は評価したポイントや聞きそびれた部分や判断できなかった部分を上席に伝達するようにします。
実例:若手現場メンバーを加える時に行っていたこと
著者は人事管掌取締役だったのですが、特殊な例を除いてはなるべく面接には出ないようにしていました。ただ自部門の面接には上述③として若手現場メンバーを連れて、質問事項を予め決めてファシリテーションしてもらうようにしていました。その意図は以下の通りになります。
- 現場に馴染みそうかを判断してもらうため
- 面接官を次期リーダー候補として面接の場数を踏ませるため
- 私が下座にいることで面接者の声に集中するのと、面接者がこちらを配慮できるかどうかを見るため
採用基準と見ていたポイント
そして私が個々の採用基準(募集要項に書いてある要件)以外で何を見ていたかというと
- 雰囲気作りができるかどうか(緊張以外のシーンを作れるかどうか)
- 自分よりも能力が高く、それをさらに伸ばせる機会を与えられるかどうか
- 論理が一貫していて、書くこと話すことに矛盾や嘘がないかどうか
基本的に面接という短い場で何かを見極めることはできないことを自覚する必要はあって、準備をしてくる人には熱意を感じることはあっても、その人が入社後に活躍できるかどうかは未知でなるべくその確率が高いほうにかけるということしかできないのが実情かと思います。大抵の会社が(参考:「採用担当者が面接で見ているのはどこ?」)第一印象や受け答えで判断しているケースが多いのですが、なるべく書面と声にフォーカスしたほうが私にとっては良い結果が得られることが多かったです(私が40分遅刻して入ってきて、そのままノートパソコンで別仕事をしてた最低の態度だった時もあったのですが、その面接では面接者の話がとてもきれいにまとまっていて理路整然としていたので即採用し、いまでも活躍していただいています)。その中で興味が出たら、
- 過去の経歴の中で、仮定としてこんなことが起きたらどう行動していたか
- 現在の仕事の中で起きた実例を挙げ、面接者ならどう対処するか
- 具体的な仕事内容を伝えた後、どのようなスキルが活かせるかを話してもらう
といった、仮定条件の論理や想像力が必要な質問をするようにしていました。新卒の面接の場合は「あなたの魅力を引き出すための面接官にして欲しい質問は何ですか?」という混乱させる質問をしていましたが、決して悪意があったわけでも圧迫でもなく、その人があるシチュエーションの中でどう考え行動すのかに興味があったので複雑になってしまった結果になります。
もとい面接時に気を付けて欲しいコンプライアンスについては以下をご参照下さい。
評価のコツと面接後対応
面接者を送り出してから、人材エージェントの人が再訪する前までに面接官同士でどうだったかを話しますが、若手面接官には「どうだった?」と聞かれるケースが多いと思います。その場合は、
- いまのチームに馴染みそうか
- 客先で問題なく商談ができるかどうか
- どういった条件が揃ったら活躍できそうか
- AさんよりもBさんが良い
というような形でコンパクトに伝えていただくのが良いかと思います。応募者が多くあるような職種であれば、予想応募者をネイピア数(e=2.718)で割った人数までは不採用にして、以降はそれまで面接してきた人より良いかどうかで判断するという「最適停止問題における秘書問題」ということができますが(100人の応募に対して37人までを不採用、38人目からこれまでと比較)、現実には人事としてはエージェントや最初から熱心に応募してきてくれた人に対して無慈悲に落とす言い訳が立たないので、比較するのであればもう少し早い数値で見極めて欲しいところではあります。
先に述べたように今後の選考のために面接評価シートを記載する場合は、しっかりと業務時間に入れて次の面接に活かせるような体裁を整えていただければと思います。同じ理由で落とし続けるのであれば、応募時点で抑制するようコントロールでき、応募者も面接官お互いにとって良いはずですし、役員目線で通りそうという感触も掴めるようになってくるとベターです。またここの部分もかなりデータ化が進み、職務経歴だけである程度の通過率やその後の活躍見込みがわかるようデータ化されたり、誰が面接すると志望度が高まるといったデータも蓄積されるので面白い分野になってきています。
自分が採用に関わっていくことで、自身の転職にも活用できるかと思いますので、もし面接の機会が与えられたら(中途採用の場合、多少残業覚悟にはなりますが)積極的に挙手してみて下さい。
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以上、参考になれば幸いです。