大手回転寿司チェーン店「スシロー」で発生した迷惑行為が波紋を広げています。金髪の若い男性が、店内で醤油ボトルの注ぎ口や湯呑を舐めたり、回転レーン上のお寿司に唾を塗りたくったりしている、いわゆる「迷惑行為」の動画がネット上に出回りました。男性は迷惑行為の後にドヤ顔でポーズを決めています。
ネット情報によると、男性は本件について「この程度のことでww」と全く意に介していないようです。一方、スシローの運営会社「株式会社あきんどスシロー」は、刑事・民事の両面で本件に対処する方針です。
それはそうでしょう。飲食店側のダメージは非常に大きいです。動画を見れば、多くの人は「もう回転寿司なんて食べたくない」と思うでしょう。私は回転寿司が好きで、若い頃は良く食べていました。
しかし動画を見て、「うわー、こりゃ回転寿司は危ないな」と率直に思いました。
近頃、飲食店のバイトや来店客による、この種の「テロ行為」が横行しています。もしかすると、これらの行為は昔から一定数発生していて、SNSが発達した現代に「可視化」されて来ただけなのかもしれません。そう考えると背筋が寒くなります。
今後、回転寿司を始めとした「安い飲食店」には貧乏人しか行かず、富裕層はより高級かつ安全な飲食店に行く、といった形で階層が分断されるかもしれません。既に外国ではそのようになっています。男性は日本の階層分断への道を図らずも切り拓いてしまったかもしれません。
今回のテロ行為、いや、ペロ行為を受け、あきんどスシローの株価は168億円も下落しました。これは株主だって許せないでしょう。男性は損害賠償を求められる可能性があります。私は地球PFを通じて地球全体に投資しているため、一企業の株価下落が資産全体に与える影響は小さいです。それでも僅かとはいえ影響を被ったことでしょう。
ところで、ペロ行為によって外食株がこのように暴落することは予想がつきます。これは非常に意地悪な推測ですが、もし男性あるいは家族がスシロー株を事前に「空売り」しておいて、その後にペロ行為に及んだとすれば、彼らは大儲けできたはずです。あるいは、誰かが男性を闇バイトとして雇い、これを実行させた可能性もゼロではありません。仮にそうであれば、本件は格段に悪質です。まあ実際には、男性が単なるアホだっただけだと思いますけど。
さて今回の事件を受けて、あらためて「個別株はダメだな」と思いました。スシローがどんなに優良な回転寿司チェーンでも、ペロ行為一発で168億円の株価暴落です。スシローの株主の中で、まさにこのタイミングでペロ行為が発生することを「事前に」予測できた人はおそらく皆無でしょう。スシローでなくても、「くら寿司」でも「はま寿司」でも同じことです。今回はたまたまスシローだっただけです。というか、寿司に限らず外食チェーン全体に同様のリスクがあります。
こうして思考を拡げて行くと、個別の株、個別のセクター、個別の国には、それぞれレベルの異なる固有のリスクがあります。これらのリスクを軽減するには、投資額を落とすか、あるいは全業種、全世界の株式（＝地球株）に投資するしかありません。その地球株をもってしても、株式市場全体の下落リスクは防げません。すると、なるべく地球上の資産全体をカバーする「地球PF」の思想に行き着きます。もちろん、地球PFにだってリスクはあります。しかし、それはもう「分散」では対処しようが無いリスクであって、その意味で諦めがつくというものです。
今回とんでもないペロリスト事件が発生し、スシローの株価は暴落、おそらく地球PFも微かに影響を受けました。一方で、あらためてリスクの観点から、地球PFの考え方に自信を深めることができました。
【姉妹サイト】
