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リーフで静かな近場ドライブ──飯能駅周辺の散策──武蔵野の面影を探しに


 国木田独歩「武蔵野」では、飯能エリアも立派な武蔵野である。

今回は、岩蔵街道を経由して、電気自動車(リーフ)で気ままなドライブをしてきた。


岩蔵街道沿いには、入間市の広大な茶畑や田畑を見ることができる。

特に広大な茶畑「狭山茶」は、まさに武蔵野の台地の面影を見ることができる。


武蔵野の興味深いところは、人家、田畑、雑木林が入り混じっているところにある。

少し歩けば田畑あり、曲がり角の先には人家あり。当てもなく歩けば雑木林。


道路が整備されているので普段は意識することがないが、青梅から飯能市へはいくつかの山越えをする必要がある。

名もなき峠を越え、あけぼの子どもの森公園へ立ち寄る。

清流沿いに、風に揺れるススキが黄昏色に染まり、心が緩む。


電気自動車を駐車場に停め、徒歩に切り替える。飯能駅を通る。

黄昏時に、発車間際の電車に乗り込む親子を一瞬見た。

名も知らない親子。家に帰るのだろうか。


どこを見ても、黄昏の柔らかい光が漏れている。


薄汚れた、老舗のバーバーからはベテランを思わせる理髪師が客の相手をしている。


壁に残る画廊の跡。そこにはもう、なにもない。なにもない、がある。


おばさんが自転車からおりる。店先の犬が待ち構えていた。


この世界は、ホログラムの投影だという。宇宙ホログラム説。


『道に迷うことを苦にしてはならない。どの路でも足の向く方へゆけば、必ずそこに見るべく、聞くべく、感ずべき獲物がある。』

と説いたのは、国木田独歩だった。


すきあらば、黄昏の光。


影が美しいのは、光が美しいから。


師走。大晦日。店先にはモノを求める人がちらほら。

そして今日が暮れていく。

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週末は森にいます